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<キール>

「ニコライ! フェオドラ様に何かあったのか?!」


小声で尋ねながら、音を立てないように鍵を開けようとしたが、焦っているせいか、いつもより余計に時間がかかってしまった。


 中に入ると、フェオドラ様が起き上がっていた。思わず、片膝をついた。


「よくぞ、ご無事で……」


「何故、私はこんな所にいるのだ? ニコライの陰謀か?」


 ニコライは何度か説明したようだったが、フェオドラ様は納得なさらず、今すぐ、ここから出る、との一点張りでどうしたら良いのか分からず、困っていたとの事。

 バーベリ侯爵とソフィアの結託を説明し、どうするか伺いを立てると、即座に返事が返ってきた。


「イリーナには二年もここでの暮らしを強いてしまい、可哀想な思いをさせました。今度はバーベリとソフィアの番です。もちろん、バーベリは地下牢の方に入ってもらいましょう。私は今すぐ、地下を出ます」


 フェオドラ様に、念の為、近衛隊を城に呼んで周りを固めてからの方が良いのでは、と意見してみたが、すぐに地下牢から出る、言い張られた。それでも心配だった為、城外に出て、すぐに近衛隊を呼んできます、と告げると許可された。


 すぐに小狼のまま城外に走り出た。服を調達しようと、城外の近衛隊の宿舎に駆け込んだ。ところが、自分の部屋に着く前に、思わぬ者たちに捕まってしまった。犬好きの隊員たちだ。

我が家の庭に、黒い犬がいつもいる事と、よくツアーモック城にも犬を連れてくる為、隊員たちは自然と、犬好きが多くなる。


「おい、こんなところで何をしているんだ?」


「黒い犬ということは、キール隊長の家の犬ではないか?」


首根っこを掴まれた。ジタバタもがいても唸ってみても、隊員たちは一向に気にしない。


「お腹が空いているのではないか?」


癖で尻尾を振ってしまったのがいけなかった……。隊員たちに頭を撫でられたり、抱っこされたりした上、囲まれてしまった。


 服を調達して、近衛隊の前に出ることができるまでに、かなり時間がかかった。急に部屋から現れた私を見て隊員たちは驚いていたが、緊急事態だと告げると次の瞬間には皆出動できる体制になっていた。


 近衛隊を率いて城へ駆けつけると、門前払いを食らった。フェオドラ様に何かあったのだろうか? そう考えていると、私だけ入るよう伝えられた。またしても、近衛隊を待機させ、城に入る。嫌な予感がする。


玉座の間へと連れて行かれた。やけに、人が少ない事に気がついた。


 玉座の前には腕を後ろ手に縛られたフェオドラ様に、刃物を突きつけたバーベリ公爵と、青い顔をしたソフィアがいた。バーベリの足元にはぐるぐる巻きにされたルカが横たわっている。ルカを先に逃しておくべきだったと今更後悔するも、もう遅い……。

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