表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/133

<キール>

 ヴォルカ城に到着した時には、夜も遅かったため、イリーナを女中頭のマーサに預けた。城で最上の部屋を案内する様伝えておいた。マーサはイリーナを見た刹那、キッとした表情で私を睨んだが何も言わず、眠そうなイリーナを部屋へと案内した。


やっと、人型で眠れると安心して、自室の寝台に横になった途端に扉が開いた。


「兄様……」


瞬時に覚醒した。


「イリーナ? 怖い夢でも見た?」


飛び起きてナイトガウンを羽織り、いつもの様に彼女の頭に手を置いた。


「違うの。石が二つ揃ったのだから、訓練しなくては。さっきのような事があったら……」


切羽詰まった菫色の瞳。短くなってしまったが手触りの良い柔らかくて滑らかな髪を優しく撫でながら、諭す。


「だいぶ疲れているのだから、今日くらいゆっくり休んだ方がいい。今朝も馬上で、眠っていたくらいなんだから。倒れてしまうよ」


「休んでいる時間はあるの? お母様はどうなったの? 早くコントロール出来るようにならなければ……」


帰国した事で気持ちが昂っているのだろう。


「心配で、眠れないの……」


「心配しても、今日、出来る事はないし、訓練も心身ともに疲れていたら、逆効果だ。ラドミラから石も取り返せたのだし、とにかく、少しでも疲れを癒して……」


くるりと彼女の体を扉の方へ向けたが、一歩踏み出した途端に振り返った。


「……ラドミラを殺したの? あの城で何人殺したの?」


「イリーナ?……ラドミラを殺してはいないし、王以外は怪我をさせる程度で殺していないよ」


「本当に?」


トロフィム王を暗殺したことが、それほどショックだったのだろうか? そっとイリーナの表情を窺った。


「……どうして、ラドミラを殺さなかったの? 殺してしまえば良かったのに」


「イリーナ……?」


様子がおかしかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ