髪と心
初投稿です。ただの詩ですが、読んでくれたら幸いです。
目をつぶりながら、触覚を研ぎ澄まして、君が使うシザーの感触を感じる。
その小さく弱い手で、ボサボサの髪を優しい切れ味で短くしてくれる君を、僕は鏡越しでしか見れなかった。
少しでも強く押したらボロっと崩れそうなその白い頬を見ただけで、僕は胸が痛かった。
もうすぐ春が終わる。桜が散るように僕の髪も短くなる。
この痛みも今日で終わる。
その弱い手の薬指にある指輪を盗み見ながら、僕の髪と心は切られていく。
この痛みに耐え続てるのに、容赦なく僕を切り続ける美しい君は、この世のものとは思えない。
少しづつでも上げていきたいと思います。
よろしくお願いします!