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サーカス・レジスタンス part2
とはいえ、このサーカス団にいる以上は、
何かしらの芸を身に付けておく必要があった。
そうして練習を重ね、退団することができたなら
自由を手にすることができる。
それだけが希望であり、夢である。
「無理でしょこれ…」
何度もカラーボールでお手玉をするがなかなか
上手くできない。
みっつまでは見なくても余裕なのだが、
よっつめになると途端に訳がわからなくなる。
それができるようになったとして、
いずれはナイフで同じことをしなくてはならない…。
「無理でしょこれ…」
同じ台詞とため息しかでなかった。