解散しましょう!
今度は俺が先頭にフルプレートアーマーからドレス型防具に変えたから顔も見えるようになった美女ダークエルフにSランクイケメン剣士を引き連れてカウンターに向かうことになるとは……
「すみません。チームを新しく作りたいのですが…… その辺のことわからなくて……」
「それでしたら、ここで手続きできますよ! この紙にチーム名とチームメンバーの名前とランク、そしてリーダーを書いてもらうだけで大丈夫です。まだ冒険者を始めていない場合は一番ランクの低いDランクと書いてください」
うわー。リーダーとか絶対またもめるだろ……
「ムイさん、セロさん…… リーダーはどなたがやりますか?」
え! なんで速攻、俺に指をさす! 普通なら先輩冒険者である二人のどっちか、しいて言えばSランクのセロさんじゃないの?
「なんで私ですか!?」
「なんとなく……」
「私もなんとなく……」
なんとなくってなんだよ! またあれですか? 感ってやつですか? まー俺も感というより適当な部分があるから別にいいけど……
「わ、わかりました……」
えーと、チーム名セレム。リーダー名レフィア、Dランク。ムイ、Bランク。セロ、Sランク。
はいお終い!
「出来ました!」
「はい。確かに頂きましたが、なるほど珍しいですね……」
「珍しいですか?」
「普通は大体リーダーはそのチーム内で一番ランクの高い人がやるのですが、チームセレムは最低ランクのDのレフィアさんがやるのですね」
そうだよね! やっぱSランクのセロさんがやるべきですよね!
「まー大丈夫です! クエスト内容はSランクの方もいるのでお好きな物を選んでもらって大丈夫です。それでは頑張ってくださいね」
まさか、ガードの硬そうな女性を探すつもりがこんなことになるとは思わなかった。
まー暇になったからいいけどさ。
「さてこれからどうしますか? 早速クエスト行ってみますか?」
「夜は危険だ。それにレフィアもその格好は冒険には不向きだろう。目立ちすぎる。ムイも盾役なら肝心な盾を持ってこないとダメだろう」
「確かにレフィアさんのそのドレスは目立ちすぎるかもしれませんね。私は逆に目立った方が、相手がこちらに攻撃してくるのでこの綺麗で目立つ防具は良いです!」
なるほど。んーこういう感じで丈の部分を短くして色を赤からにもう少し黒く紅色に変えて、履物を汚れてもいいようなブーツにして、最後に黒いローブを着れば完成!
「これでいかがでしょうか? あ……」
みんな驚いた顔してまた見ている! そっか。こんな魔術無いのか。
「なんだその魔術……」
「私の防具を変えてくれた魔術と同じやつですね! 本当に無詠唱なのですね! すごいです」
もう何が元々ある魔術で俺が作り出しちゃった存在しない魔術なのかわからないよ!
今更だけど魔術学院の授業をまともに聞いておけばよかったかも……
もう子供の頃教わったことも忘れちゃったし。
もう適当でいいや…… 今更思い出す気も習う気にもなれない。
「……私の魔術は気にしないでください。ちょっと研究ばかりしていて一般的な魔術はあまり知らないので……」
「レフィアは攻撃魔術は使えるのか?」
「使えます」
「レフィアさん、もしかしてその攻撃魔術もオリジナルですか?」
「……どうなんでしょう」
「研究者ってそんなに簡単に魔術を作れるものなのか?」
「私は一つの魔術を作るのに数人で数年かかると聞いたことがあります。そういえばレフルアさんも学生時代から先生でも知らないオリジナル魔術を使って見せて建物一つ吹き飛ばすほどの大魔術でした」
「ムイはレフルアを知っているのか?」
「学生時代同じクラスでした」
「あとで詳しくレフルアの事教えてくれ!」
「い、いいですけど、どうしてですか?」
「ちょっと興味があってな……」
「ん! 駄目ですよ! レフルアさんは私が狙っているのですから!」
おいおいおい! 二人で俺の話をするな! なんか聞いていて恥ずかしくなる!
「ムイもレフルアを狙っているのか? 最強の大魔術師、勇者、賢者、どれだけすごい人なのだろうか……」
え? まさか……
「セロさんってもしかして男の方が好きなのですか?」
「そうだけど、それがどうした?」
だからか…… 俺の美貌に魅了されないわけだ…… まさか同性が好きなのか。
「い、いや。何でもないです……」
「セロさん! 同性を好きになるなんてダメです! あ…… でも私もレフィアさんなら……」
ムイさん! 嬉しいけどなんか話がおかしな方向になってきたぞ!
「と、とりあえず、その話はまた今度することにしましょう! また明日、ここに集合で今日は解散しましょう!」
「そうだな」
「わかりました」
はー終わった。もう外もだいぶ騒がしくなくなったな……
今日はもう帰って寝よう。なんか物凄く疲れた。
ちょっと人気がない所に行って……
転移魔術で家まで直行!
はい、到着。今日一日で色々あったな……
朝は魔王を倒して、昼間は研究して、夕方には成功して町に新たな体で遊びに行って……
最後に二人の仲間が出来て冒険者になった……
バタン。あー久々にベッドで寝るきがする。いつもテーブルで研究しながら寝落ちしていたからな。
今日はゆっくり寝よう……
読んでいただきありがとうございました~( *´艸`)