秘密です!
読んでいただきありがとうございます! タイトルやあらすじ変えてみました! この先ももしかしたら変わっていくかもしれません><!
「研究者が冒険者ギルドに見学とは妙な話だな」
「そんなに私が気になるなら、私の隣に座って近くで見ていてもいいですよ?」
さーこっちに来るがいい!
「そうか。なら近くで見るが座るのはダークエルフの隣にさせてもらう」
何? この男は俺を警戒しているのか? 確かにその警戒は正しいと言えるが…… これがSランクの冒険者の実力なのか?
「そ、そうですか…… ムイさんはちなみにランクはどのくらいなのですか?」
「私は上から3番目のBランクです。私もセロさんと同じチームを組まずにやっていたのですが盾役だとどうしても高難易度のクエストには一人だと防戦一方で私にはBランクが限界のようです」
「でもムイさんは魔術学院に通われていたと先ほど聞きましたが、魔術を使えばいいのではないですか?」
「確かに魔術を習いましたが一人の場合は魔術師よりも盾役や剣士の方が優れているのをレフィアさんはご存知ではないのですか?」
え? そうなの? 魔王は一人で倒せたけどさらに難しいクエストが冒険者には存在するのか?
「は、はい…… 研究ばかりしていてその辺のことに疎いもので……」
「これだから研究者は一般常識に欠けているやつが多いんだ。俺が説明してやる。魔術師は様々な魔術で高い攻撃力や範囲攻撃を得意とする代わりに魔術を放つまでの詠唱が長い。強力な魔術ならなおさら長い時間詠唱が必要。一人でそんな隙を与えてくれるのは奇襲の時ぐらいしかない。戦闘に入ると詠唱する間もなく攻撃されてしまうからだ魔術師は一人は向いてない。さらにさっきの話に付け加えると盾より剣士の方が一人は向いている。それはなぜか。盾は高い防御力を持っていてチームでは敵の攻撃を引き付け受け止めることで盾の本来の強さが発揮する。しかし、一人の場合一対一ではとても強いが、複数相手にすると後ろを取られてやられてしまう。その点、剣士は防御力は低いが移動と回避で囲まれても対処できる」
「え? 今どきの人は魔術を詠唱しているのですか?」
俺も小さい頃は教わったから詠唱していたけど、この無駄な時間いらないと思って無詠唱でするようになったんだけど……
「当り前だろ? 簡易魔術の無詠唱ならともかく、大魔術となれば無詠唱なんて無理だ。そんなことできるのは噂で聞く、この王都に居るというレフルアとかいう大魔術師だけだ」
今度は賢者、勇者に続いて大魔術師かよ!
「レフィアさん…… もしかして、見えない魔力障壁や防具を変形させた私達の知らない魔術を無詠唱でやっていたのですか? 私はただ聞こえてないだけでいつの間にか小声で詠唱していたと思ったのですが…… もしかしてレフィアさんはレフルアさんに同等の魔術師だったりするのですか!?」
「それもそうだがお前の名前…… レフルアに似ているな。もしかして家族か?」
うわ! なんか知らず知らずの内に色々やらかしていたのか! 名前とか簡単に決めすぎたか…… 詠唱も皆、してないものだと思った。
「名前は、ぐ、偶然ですよ!」
「ならダークエルフの言う魔術を無詠唱ができることは否定しないのか?」
ちょっと世間知らずだったかな? どうしよう…… 女の体の俺に返答は任せた!
「そ、それは女の秘密です!」
「今更、お前は誤魔化すのか?」
「女には一つや二つの秘密があるものです!」
「今思うとレフィアさんに肩や耳に私が受けた雷属性の魔術も……」
ちょっと、ムイさん! これ以上、いろいろ言うのをやめましょうか!
「お前、本当にレフルアに匹敵するほどの大魔術師なのか?」
あーやばいことになってきた…… これ以上誤魔化すのは厳しいから少しだけ嘘ついて何とかこの場をしのごう!
「わ、わかりました。一つだけ秘密を教えてあげます! 研究中に魔術が暴走してたまたま運がよく無詠唱に近いことが出来る体になっただけです……」
暴走はしてないけど、研究していたらいつの間にか無詠唱で出来るようになったのは本当のことだ!
「ついに認めたか」
「レフィアさんも彼と同じくらいの魔術師かもしれないのですね! すごいです!」
ふーなんとか二人とも落ち着いてくれたかな?
「お前、レフィアと言ったな。レフィア…… 俺とチーム組まないか?」
何この急展開! そんなこと言われても……
「セ、セロさん? 急にどうしたのですか?」
「どうやら、俺にはお前が必要のようだ…… 力を貸してくれないか?」
ドキッ。 うわ! 急に目つきがウルっとした穏やかな目つきに変わって一瞬女の体が反応したのは気のせいか? おいおいおい!
「レフィアの夢は何だ? やりたいことはなんだ?」
俺の夢は理想の女になることで叶って、やりたいことは…… あとはこの体で遊んで暮らすぐらい?
「そ、それは秘密です……」
「少しの時間でいいからチームを組んでくれないか?」
「私よりセロさんこそ、私とチームを組んで何をする気ですか?」
本当にセロはいったい何を考えているんだ?
「俺もいくらSランクとはいえそろそろ自分一人の力の限界を感じてきてな…… 組むやつを探していたんだ」
「私もです! 自分一人で盾役をするのに限界を感じた所です。是非レフィアさん! 私とチーム組んでください!」
「俺が先に言ったんだ! 邪魔するな!」
「何を言っているのですか! 私が先にレフィアさんとお話ししていたのですよ? セロさんこそ邪魔しないでください!」
うわー! 俺の取り合いが始まっちゃった! 騒がしいけど、悪い気分じゃない! みんな俺の美貌に魅了されたな!
「ふ、二人とも落ち着いてください」
「レフィア!」
「レフィアさん!」
ん! もの凄い見幕でこっちを見るな!
「わ、わかりましたから…… とりあえず三人でチームを組んではいかがですか?」
俺は一人に独占させない! 俺の美貌は皆のものだ! 二人は俺の近くで魅了されるのを許そう!
「レフィアが言うなら仕方がない……」
「そうですね……」
「チームの手続きとかはあるのですか?」
「チームに名前を付けるくらいだ。チームが大活躍すれば名前が広まり良いクエストを直接依頼とかもある」
「そうなんですか。チーム名…… 何にしましょう?」
「そこはやっぱりカッコいいのだろう!」
「いや! 可愛いのにしましょう!」
んーこの二人噛み合わないなー。俺的には可愛いのもいいがチーム名はカッコいいほうがいいのかな?
そうだなー…… 適当に名前の頭文字とかで、レ、ム、セ…… あ! 男と女に挟まれる感じでセレムとかどうだろう!
「名前の頭文字でセレムなんていかがでしょう? カッコいいような可愛いようなでいいと思いますが……」
「セレム…… いいな!」
「いいですね!」
「気に入ってもらえてよかったです。手続きとかはわからないでお二人にお任せします」
「俺もわからない」
「私も……」
そうだよね! この二人も今までチーム組まなかったんだもんね。
こういう時はカウンターの人に聞けばたぶん何か教えてくれるはず!
「ではカウンターの方に色々聞いてみましょう?」
「そうだな」
「わかりました」