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逃げよう!

 扉を開けるとそこには広い空間の中に掲示板に貼られたたくさんの紙、数多くのテーブルと椅子。

 そこに座る数多の武装した者達。

 二階につながる階段が左奥に合ってそのすぐ隣にカウンター。

 カウンターの中に立っている、他の武装した人達とは違う可愛らしいフリルが目立つ服装した女性達が、複数人がカウンターとその奥の部屋を行き来している。


 入った途端、ガシャガシャした相変わらずの音でこちらにほとんどの人が注目した。

 確かに、街中に居た人達より視線が鋭い気がする……

 奥のカウンターに着いた頃には後ろに数組の人達が椅子から立ち上がりこちらに近づいてくる足音がする……


 皆武装しているし、触ってくるような奴とか乱暴そうな口調な奴には少し魔術を使って痛い目に合わせてもいいよね……


「クエストの依頼中に魔族がここに襲撃しているっていうのを聞いて慌てて帰ってきたのだが、魔族も見当たらず傷一つない壁…… そのような大ごとな気配が無い上になぜ宴が開かれている?」


「それでしたら今日の昼頃、レフルア様という魔術師が単独であっという間に魔族含め魔王を討ち取ったからです。この街もその方が姿をくらませて少し経った後に襲撃を受けて壊れた建物を元の建物以上に綺麗に変える大魔術で直したのではないかという噂です。騎士の方々はレフルア様を勇者、賢者と称えながら捜索しているところです」


 うわー。なんか聞いていて恥ずかしく思える……

 ただうるさいから倒しただけなのに。

 まーそのおかげでこの姿になれる力を手に入れられたからいいけど。


「レフルア!? 私が中等から高等魔術学院まで同じクラスだった異常なまでの魔術の才能を持った彼と同じ名前だ!」


 え! まさかのこの女性も俺を知っているの?


「ご存じなのですか? 是非お見掛けしたら騎士の方に伝えてもらえませんか? 国王様はレフルア様に会いたがっているそうなのです」


 俺は会いたくありません!


「わかった。……そうか。彼はこの街に居るのかもしれないのか…… ククッ」


 ん? ちょっと声に不気味さを感じたのは気のせい?


「そ、それで後ろに居る女性はお知り合いですか?」


「あ、そうだった。冒険者ギルドを見学したいそうだよ。名前は……」


「レ、レフィアです!」


 んーいい響きの名前だ。


「見学は大丈夫ですが…… あのー…… 皆さん? この建物内で変なことしないでくださいね?」


 後ろを振り向いたら、もう近くまで来て囲まれているよね……



「姉ちゃん綺麗だね~。俺達のギルドを見学してみないか?」

「何言ってんだ! 俺らの所にしないか?」


 俺の取り合いだー! これはこれで良いかも……

 でも、今はお前らじゃなくてこのフルプレートアーマーの女性に興味があるんだ!


「すみません。私はこの方と一緒に見学させてもらう予定なのでごめんなさい……」


「そんなこと言わないで俺達と…… 痛っ!」


 どうせ触ってくる奴がいると思って、静電気付き魔力障壁を見えないように展開しておいて正解だった。



「な、なんだ今の?」

「見えない何かの魔術で守っているのか?」

「そんな魔術あったか?」


 え? この程度の魔術もないの? 護身用で適当に用意した魔術なんだけど。

 とりあえず今は逃げて後で相手してやる!


「私に触ると危ないですよ。行きましょう?」

「わ、わかりました」


 腕だけ魔力障壁を解除して、さりげなく硬い甲冑の腕を引っ張って、隅のテーブルに避難!

 みんな驚いているみたいで今はこれ以上ついてこないみたいだ。


「多少魔術と言っていましたが初めて見る魔術です。魔術の才能があるのですね」

「それほどではありません。それで…… お名前伺ってもいいですか? 私は先ほど言いましたがレフィアです」

「私も自己紹介がまだでしたね……」


 お! 甲冑のヘルムの部分を外し始めてくれた! さて…… その外見とお名前は……


「私は見ての通りダークエルフの、ムイと言います」


 まさかの褐色肌と尖った耳が特徴の種族であるダークエルフだとは思いもしなかった!

 初めて見るけど、純白の髪に凛とした目つきで綺麗な鼻筋な美女! こういう綺麗さもいい!


「ムイさん、よろしくお願いします」

「こちらこそよろしくお願いします」


 これで表情が見れて反応がわかりやすくなった…… クックック。

 ちょっと色々質問とかお喋りしてみるか。


「ムイさんは、レフルア様という方と同じクラスだったのですね。どういう方だったのですか?」


 ちょっと周りから見て俺はどういう風に見られたか今更気になった。


「魔術の成績はいつもトップで授業中でも一人で集中して魔術の勉強をしていた。まるで魔術以外に興味が一切ないかのようにずっと分厚い本を読んだり、研究しているように見えた。あの姿にはなにか強い信念のようなものを感じた」


「そのような方だったのですね!」


「しかし、彼はそれだけではない! 彼は…… ハァハァ。彼は!」


 ん? 何かさっきの不気味さとは違うものを感じるぞ?


「マニアックな話かもしれないが…… 私は彼に話しかけたことが何度もあるのだが、彼の反応は他の人とは違うとてもいいものだった…… 私の返事に対して、無意識の返答をしてきた。思い出しただけでゾクゾクする…… ハァハァ。無視や見下した言い方を混ぜたような素晴らしい返答をしてくれる! 私に見向きもしないで気が付いている感じがしないのに声をかけると適当に返答される。『へー、そー、ふーん』 そんな適当な無意識な返答が他の人にはない対応で大好きだった…… またあんな返答をされたい……」


 あーあれですね。あっち系の人ですねきっと。


「へーそうなんですか……」


 さすがの女の俺の体も返答に困っているようだな……


「ん! な、なんだ! 今の! レフィアさんの返答の仕方も彼に近い無意識の感じがしたぞ!」


 うわ! なんか喜ばせてしまった! この人の考えは理解不能だ……

 なんだ、無意識の返答って…… ん? 待てよ…… 俺の言葉を無意識に女の体が適した言葉に言い直してくれる……

 こ、これってある意味、無意識の返答!


 この人の感覚はどうなっているんだ? これが第六感っていうやつか?

 この人に変な返答をしてはいけない!

 もう、何となくこの人の落とし方はわかった気がするからもういいや…… 逃げよう!


「ありがとうございました。それでは私はこれで失礼します……」


 ガシッ! ムイさんに腕掴まれた! さっき甲冑を掴んだ手にまた魔力障壁付けるの忘れていた!



「もうちょっと話しませんか? ……ちょっとレフィアさんに興味が出てきちゃいました。ハァハァ」


また読んでいただきありがとうございます! 何とか書けました(; ̄д ̄) 次も頑張って書きます!

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