神を待つ木
掲載日:2018/01/01
松の木は、神を待つ木だ。
たまに、神が舞い降りる。
今も若い松の木に、天帝の末娘である天女が近づいていく。
姉妹の中でも、特に舞踊にも容姿にも秀でており、父親譲りの気の強い性格を父親に気に入られ溺愛されている。
好きな時に好きなようにありのまま、気の向くままに下界に降り立ち、人の世をかき乱す。
今は、唐という大国の王子の側室として、皇帝の跡継ぎ争いに嬉々として巻き込まれている。
いつも特別な選ばれた人を好み、歴史を動かす遊びに興じる。
若い松がある、東の島国に降り立ったのは次の戦の相手国だから。
いつか来たことのある国だと懐かしく松の枝から周りを見渡し、空へと帰る。
若い松は昔、若い人だった。
天女の羽衣を隠し妻にした。
妻は羽衣を見つけ出し、天に帰っていった。
若い松は、昔と同じよう何も言わず天女を見送る。




