プロローグ 上
虐められてニートになった男が成り上がる物語です。
書き慣れていないので初めは文量少なめです。
話数重ねるごとに増やしていきたいと思います。
それではお楽しみください。
童貞ニート30才を迎えたこの年
ついに金が底を尽きた
生憎と魔法は何一つ使えなかった
所詮は都市伝説
嘘だと解ってたとしても
心のどころか期待してしまうのは男の性ゆえか
……閑話休題。
少し俺の半生について語りたい。
今はそんな気分なんだ。
ちょっとだけでもいい。
誰かに聞いてほしいと思った――――
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
親が事故で死んで以来
その保険金だけで生きてきた。
母も親父も碌でもない奴だった。
賭け事が好きだった両親は
事あるごとにボロ負けして
金を借りてはハシゴした。
当然、衣食住に掛ける金など無く
ボロ服に窶れた俺は
イジメっ子の格好の餌食となった。
将来、金を稼ぐべく、必死こいて勉強したさ。
そしたらイジメはエスカレートしていき
終いには四肢の骨を全て折られた。
だというのになぜか俺が責められた。
家族からは金食い虫だと言われ蔑まれた。
誰も助けてはくれはしない。
頑張れば頑張るほど妬まれ疎まれるだけ。
金も権力も無いやつが努力するなんて
身の程知らずにも程がある。
全く以って愚かである。
―――そう思った瞬間
なんだか真面目に生きることが馬鹿らしくなった。
2100年
今日において高校は誰でも通える場所らしい。
だが俺は進学もせず家でぐうたら怠ける日々を貪ることにした。
親も特に何も言わない。
家庭なんてあって無いようなものだから―――
だがそんな、陰鬱な日々は唐突に終わりを迎えた。
両親揃って交通事故で死んだのだ。
幸か不幸か生命保険もらったら
漏れなく借金までついてきた。
桁が多くて見たくもない
しかし返済してみれば
意外にも数百万もの金が手元に残った。
生まれた初めて親に感謝した出来事だった。
ともあれ
そんな大金だろうと
10年も使い続ければ
いつしか尽きるのは必至である。
そして冒頭に戻るわけでーーー
今日の今日に至るまで
一切バイトはしてこなかった。
努力なんて時間の無駄だ。
勤勉なんてクソ食らえ。
頑張る分だけ損をする。
それが俺の人生だ。
だからぐうたら享楽的に生きていたいが
そうは問屋が卸さない。
―――何せ金が無いのだから。
……仕方ない。バイトするか。できれば楽な仕事がいいな。
そんな不純な動機を携えて俺は久しぶりに外に出たーーー