狙った相手は逃がさない!
またまたギリギリになってしまった・・・反省反省っと。
え、反省の色が見えないって?し、してますよ反省・・
トッテモハンセイシテマス・・・・・・・・・・ごめんなさい。
2
詩也が家にこもってから魔王が説得をはかるも家の中からの反応が無くなった。
「はぁ・・・・・それでは一旦城に戻りましょう。」
反応が無くなり説得を諦めたらしい魔王がそう言うと、詩也の家を囲んでいた魔物はぞろぞろと城のある方へ動き始める。その間魔王は家の前でずっと眷属への悪態をついているが、それに付き合う者はいない。残る魔物がベリアルの側近のみになった辺りで悪態もひと段落したらしく、家の敷地内から出て来ると配下のものに指示を出した。
「バールはここに残ってわたしの眷属を任せるわ。それ以外は元の仕事へ戻ってちょうだい。では、私はルキフゲに話があるから先に行くわ。」
その言葉を聞き各々動き始める中、一向に動かない女性がいる。先程バールと呼ばれた者だ。
彼女の名はバールベリト。地獄の七君主にして、魔族の行う全ての契約の証人という肩書きを持ち、この魔王国での防衛面において全権を任されている悪魔である。しかし、彼女は祭司の様な白と金を織り込んだ服に身を包み、外見は長い金髪の幼女ということが相俟ってまるで悪魔らしさがなく、申し訳程度の悪魔要素として巻き角があるだけだった。
(めんどくさいな~早くでてきてくんないかな~)
彼女は憂鬱そうな目で家を見つめ心の声を漏らすように一息つく。玄関から少し視線を上げると家の奥に青い空を見つける。そのまま視線は上へ上へとのぼっていき真上まできたところでその動きを止め上空でひと時も形のとどまらず変わりゆく雲を見つめて何分たっただろうか。
雲を見つめ弛緩しきってバールベリトの意識を逆撫でするように衝撃が走った。
「・・・っ!」
(な、なんだこの気配!?眷属から?いや、そんな力があるようには・・・)
この時バールベリトは異変に気が付く。
(これって神意!?しかもこの濃密さ、まさか唯一神!?)
もし、魔王の命令に従うことを優先するのであれば今すぐ家を破壊してでも突撃すべきだろう。このとき、バールベリトにはどうすることもできないことがわかっていた。なぜなら、相手の強さが不明なのだ。ある一定以上の強者は相手の気配で強さがわかるというが、バールベリトにも似たようなことができた。しかし、家の中に現れた“それ”から放たれる神意をはかりきれなかった。
衝撃も数秒で過ぎ去り神意が弱まる。
その隙を逃さずバールベリトは、地面に手をかざす。すると、地面が鋭く隆起し日本刀のような剣が出現する。そのまま剣を居合の形で構えると、家を見据えて精神を集中する。
バールベリトは最初の時点で眷属の気配が無くならなかったことから眷属の命が狙いではないと判断し迎撃に専念する。
準備万端のバールベリトにまたもや衝撃が襲う。
(気配が神意のみになった!?どういうこと!?)
訳が分からず?マークが脳内を埋め尽くす中、神意の源が玄関に向かってくる。
(どうしたらいい?敵?危険?)
ガチャ
ドアノブに手がかけられる
(こうなったらとりあえず)
ドアが開き始める
(切る!!)
次の瞬間音よりも速く飛び出す
一閃
集中力の高まった状態からの一撃は的確に相手の急所を切り飛ばす
そう、眷属の首を・・・
「・・・・・あ、やば」
次回は私事ながら用事が多く22日ごろになりそうです。