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この青く美しい空の下で  作者: しんた
第三章 小さな天使
63/543

登場人物紹介3

 第3章終了時の登場人物紹介となります。

 少しずつ変化が見られるイリスに楽しんでもらえたらと思います。

 お話の途中で登場人物紹介を一部載せておりましたが、今回はその制限を外し、全ての情報が解禁された形としての投稿となります。


◇イリスヴァール


 魔法薬店"森の泉"の売り子兼薬師見習いで13歳の女の子。

 さらさらで細く、ほんのり青みがかった銀色の髪を肩の少し先まで伸ばし、太陽の光に反射するときらきら光って見える。


 性格は真面目で明るく前向き。熱心な勉強家でもあり、柔軟な発想の転換まで出来る凄い子という評価を近しい者たちはしているようだ。


 何よりも他者を重んじる傾向があり、優しい祖母(レスティ)はそれがいつかイリスを悲しませる事になるのではないだろうかと心配している。


 常に笑顔を絶やさず明るく前向きに物事を捉え、誰にでも分け隔てなく親切に優しく接する姿から、街の人だけでなくギルドからの評価も高いようだ。

 最近では彼女見たさに"森の泉"を訪れる人も増えているのだとか。


 彼女の近しい者たちからすると、どうやら魔法の才能がかなりあるらしく、将来は魔術師(キャスター)の道も開けていくのかもしれないと思っているようだ。


 別の世界から訪れた異世界人であり、その不安や寂しさから涙を見せることがない彼女をレスティは危惧している。彼女が泣くのは決まって誰かのためでしか泣かないからだ。

 誰かのために流せる涙はとても尊いものだと理解は出来るものの、逆にこの子は自分のために泣けないのではないだろうかとレスティは不安になっている。


 魔物に対して極度の恐怖心を抱いており、その感情と対峙させた時の心の揺らぎは途轍もなく大きなものがあった。


 そんな彼女は、一歩間違えていたら最悪の方向へ転んだことも考えられる微妙な一線を乗り越えることができ、恐怖心を拭い去れないものの、それでも前へ進もうとする強い意思を優しい姉(ミレイ)に示した。


 現在では大切な友達であるアンジェリカの為にヘレル病の治療薬の調薬にも成功し、無事に彼女の病気は回復に向かっていると聞いて心から安堵しているようだ。


 だがそれに彼女は満足せず、その治療薬を作った際に気が付いた新たなる可能性を試すべく、再び聖域へと向かっていった。


 それがどのような影響を(もたら)す事になるのかを、この時の少女と近くにいる姉と兄には知る由もなかった。




◇レスティ・リアム


 世界有数の薬師でありイリスの祖母。白に近いプラチナブロンドの髪に薄い金の瞳をした女性。62歳痩せ型。

 167cmと女性としては高めの身長で凛と立つその姿に年齢を微塵も感じさせない。背中の真ん中まで伸ばしたふわふわロングを、耳の後ろの辺りから銀のバレッタで留めている。


 フィルベルグ王国の冒険者ギルド近くにある魔法薬店"森の泉"の主人。以前はパン屋だった建物のため、お店の外観と店内はとても可愛らしい姿をしている。


 イリスを心から大切に思っていたが、どうやらその気持ちは大きくなるばかりで、現在ではもうイリスのいない生活は考えられないほど、その存在が大きくなってしまっている。


 偶然にイリスが出会ったヘレル病を患った少女(アンジェリカ)を助けるため、薬の材料を自分で採りに行きたいと言われ驚愕し、自分では判断することが出来ず、イリスを懇意にしてくれているミレイに相談を持ちかける。


 早朝の噴水広場で考えるも一向に答えの出ない二人はイリスへ条件を出し、それを達成することが出来れば採取に行っても良いという答えを出した。


 イリスのことを心から大切に思っている二人は、その条件に隠した本質に心を痛め、最悪の事態を予想しつつもイリスを信じ、前向きに達成できると願いながらも草原へと送り出した。


 イリスの頑張りにより見事達成出来た彼女を心の底から喜び、そして心から安堵したようだ。


 現在イリスが可能性を示したヘレル病治療薬の改良に胸を躍らせつつも、草原へ向かっていった3人の後姿を優しい眼差しで送り出したようだ。




◇ミレイ・ミルリム


 兎人種(うさぎひとしゅ)の女性でイリスの姉。現在ゴールドランク冒険者で17歳。火属性魔法の使い手の狩人(ハンター)


 身長162cmで真っ白さらさらなセミロングストレートヘアと赤い瞳に、透き通るような白い肌の美人さん。

 楽天家でとても明るく前向きで面倒見の良い性格だが、最近では出来の良い妹に自分が情けなく思う傾向があるようだ。


 長くてもふもふの白い耳は感情によって大きく左右されるため、へこんでいるかどうかは耳で判断が出来るらしい。

 種族特性とも呼ばれる一般的な獣人よりも特化した聴覚により、草の揺らぎひとつで動物か魔物かの判断ができる。


 魔物を怖いと認識した上で戦うことができる人で、イリスの抱いた感情にすぐさま自身を重ねたようだ。

 その感情と対峙するきっかけを与えてしまい、もし悪い結果になってしまったらとかなり後ろ向きに考えてしまっていたが、杞憂に終わるどころかイリスが前向きな強い意志を示してくれたおかげで彼女自身もようやく覚悟を決めることができ、本当の意味でイリスと共に生きていきたいと強く願うようになった。


 様々な可能性を見せてくれるイリスを自分以上に大切に想い、護ることを心に誓っている。

 レナードたちのチームに所属しているがそれももう控えようと思い、常にイリスと共に居たいと心から願っているようだ。


 少し前までは1ぎゅっと1もふもふだったがそれもなくなり、イリスにならどっちでも(・・・・・)好きなだけして良いよと言える関係になっているらしい。


 現在はイリスが示した新しい可能性の確認の為にロットと共に大切な妹を護衛しながら聖域へと向かっている。




◇ロット・オーウェン


 世界に20人ほどしかいないと言われ、最高峰の冒険者の証であるプラチナランク冒険者のひとり。17歳の人種(ひとしゅ)の男性でイリスの兄。

 左利きで利き手に盾を、逆の手に剣を装備し、盾を主体とする防御重視の戦い方を得意としている盾戦士(フェンダー)


 美しくさらさらとした金色の髪に優しい眼差しの青い目をしており、性格は真面目で優しく前向き。

 驕ることをせず、力を誇示せず、努力を怠らない上に、思慮深く冷静で博識。


 白く輝く魔法銀(ミスリル)製の鎧を身に纏い、その風体からまるで物語の中から出てきた王子様か騎士様のように見える上に、その誠実で真面目な性格から多くの女性に黄色い声をあげられ、とても好意的な瞳で見つめられている。


 だが本人には一切それが伝わらない天性の鈍感さを持ち合わせており、彼を落とす事は並大抵ではいかないようだ。既に諦めている女性と諦めずに日々アタックをしている女性の真っ二つに分かれるらしく、その姿を横目で見ているミレイは半目で苦笑いしながら『これはもはや罪だと思うよ』と言わせる程の光景だという。

 戦闘スタイルだけでなく、そういった所も要塞なんじゃねぇかなとレナードは苦笑いで語っている。


 以前ギルド地下にある訓練場にて、盾について勉強をしていると言っていた大切な妹の真意に気づく事ができず自己鍛錬をしている間に、イリスがとても重大な局面に立っていた事を後で聞き、自身の浅はかさを恥じてかなりのショックを感じていたようだ。


 その後、彼に舞い込んできたギルド依頼を機に、以降はなるべくイリスと共に行動できるようにと、仕事を制限しているようだ。

 当然緊急事態になればそちらを優先するが、フィルベルグ冒険者ギルドマスターの意向もあり、今後はかなりの自由が約束されてホッとしているようだ。


 後は虎人種(とらひとしゅ)重戦士(ウォリア)であるヴァンにも合流してもらえれば、イリスの護りが今以上により強固となるため、一時的にリシルア国へ旅立った彼の帰りを待ちながらイリスとミレイと共に冒険へ出ている。


 現在は草原にてイリスとミレイと共に、目的地である聖域まで楽しそうに3人で話をしながら向かっているようだ。




◇レナード・バルト


 26歳で人種(ひとしゅ)男性。独身。ミレイのパーティーのリーダー。

 茶色の髪に茶色の瞳。ゴールドランク冒険者。

 冒険中はなかなか鋭い顔だが、街中では優しい顔。


 その実力は確かなもので、盾戦士(フェンダー)としてギルドからの信頼も厚い。ごり押し剣士(フェンサー)オーランドとの模擬戦で、その格の違いを見せ付けた凄腕の冒険者。


 ギルドの地下にある訓練場にて盾についてイリスに見せるため、オーランドとの模擬戦を見学させた経緯がある。講義とはとても言えない程度の言葉通り見せただけのそれを、戦闘のド素人である少女に途轍もない洞察力で見極められてしまい、震えが来るほど心底驚かされたようだ。


 かつてロットに教えた際は2,3回見せるだけでマスターされてしまったが、その時以上に驚いたこととなってしまった。

 同じ場所にいたオーランドに対しては弱点とも呼べる場所を発見されてしまう形となり、かなりのショックを与えてしまったようだ。


 当然、彼女にそんな自覚は一切無かったようだし、実際に行動で示したロットとは大分違うのではあるのだが、レナードには将来が末恐ろしく感じられ、イリスが大人になったらパーティーに誘う事を本気で考え始めたようだ。




◇オーランド・ヘンドリック


 ゴールドランク冒険者で剣士(フェンサー)人種(ひとしゅ)の青年。19歳。

 濃い青い髪に青い瞳をしており、普段はとても好青年にしか見えないのだが、こと戦闘となると目の色が変わり、攻撃重視のスタイルで敵を屠る。


 毎日のようにレナードとギルド地下にある訓練場で模擬戦をしているが、危なげも無く圧倒するレナードに腹立たしく思うも、自身の目指す力をつけるべく毎日訓練をしている。


 その豪腕とも呼べる腕力と突進力は並外れており、素人のイリスですら凄いと思わせる実力なのだが、冷静に対処する事が出来ないボア種(イノシシ)なので、相変わらずパーティーメンバーに白い目で見られている。


 模擬戦を間近で見たイリスに、たった一戦でオーランドの欠点とも呼べる弱点を見つけられてしまい、かなりの衝撃を受けたようだ。


 以来彼はへこみながら静かに酒を飲んでいるようだが、どうやら最近ではその瞳に映る色は落ち込んでいる様子には見えないようだ。




◇アンジェリカ・オリヴェーロ


 フィルベルグ王国の中央に位置している噴水広場で、ミレイに後ろからぶつかってしまった人種(ひとしゅ)で6歳の少女。

 細くさらさらとした赤いショートヘアに、赤い瞳でとても優しい目元をしているとても可愛らしい女の子。


 明るく笑顔を絶やさない可愛らしい子だったが、最近ではとても沈み込む機会が増えつつあり、下を向いて歩く事が多かったようだ。

 そんな時、彼女はミレイにぶつかるという転機が訪れる事となる。


 優しく微笑む姿はまるで天使のように見えるが、初めて会った時の彼女の瞳はまるで濁っているかのようにイリスには見え、ミレイにぶつかった事を謝りながら去っていった少女をしばらくの間見つめていた。

 その後ミレイとの会話に戻っていくイリスであったが、やはりどうしても気になってしまい後を追いかけた。


 ミレイのおかげで彼女と再会は出来たものの、彼女の抱えているものに確信じみた疑いを持ち、アンジェリカの母であるカーティアにお願いをして病気に詳しいレスティに診てもらう事にした。

 彼女に調べて貰うとヘレル病を患っていると発覚し、このままでは失明する可能性が高く危険な状態と診断される。


 治療にはルナル草というフィルベルグ南西の浅い森の先にある聖域に生えている特殊な薬草が必要で、聖域へイリスが自身で採りに行きたいと申し出てしまう。

 躊躇(とまど)うレスティはミレイと相談した上、条件を付ける事で了承をする。


 そしてその事がイリスにとって、とても大きな欠点を思い知らされる結果となるも、自身の感情よりもアンジェリカへの気持ちの方が勝り、克服とはいかないまでも前向きに達成することが出来た。


 イリスが初めての冒険に出るきっかけをくれた少女。その自覚はイリスには全くなく、彼女を治すことで頭がいっぱいだったようだ。


 無事に薬草を採る事ができたイリスは、その日のうちにヘレル病治療薬の製作にも成功をする。


 現在は治療薬により、問題なく完治へ向かっているようだ。




◇カーティア・オリヴェーロ


 アンジェリカの母親。赤い髪のストレートに、優しく輝く赤い瞳の25歳。

 性格は穏やかであまり物事に動じない女性であったが、アンジェリカの病状を聞いて青ざめてしまった。

 夫であるアルバーノに先立たれているがアンジェリカを遺してくれていたので、悲しむ暇もなく育児と仕事を立派に両立させている働くお母さん。


 料理が上手なので近くにあるレストランでウェイトレス兼、コックとして朝から夕方まで働く。イリスたちが初めてアンジェリカの元を訪れた時は仕事が休みだったようだ。

 いつも一人にさせてしまうアンジェリカを心配するも仕事を真面目にこなし、店からの信頼も厚い。


 愛娘の治療には特殊な薬が必要と聞いて本気で焦ったが、話を聞いてみて治療が出来ると知り、心から安心できたようだ。

 自身の命よりも大切な娘のためならば、どんなお金がかかっても治してあげたいと思うような、素敵なお母さん。


 治療薬をいただいた際、その治療費としてお金を渡すつもりだったが、イリスは治療費どころか薬代すら受け取らず、内心ではかなり困っていたようだ。


 だが彼女の『私はただお友達の為に頑張っただけですから』と優しい笑顔で語る彼女に、涙が溢れ止める事ができなかった。


 アンジェリカを育てるために頑張り続けた彼女は、イリスの優しさに心を救われるような気持ちになりながら、心からの感謝を捧げた。


 現在は愛娘が治療に向かっているようで、前よりも一層笑顔が増えたようだ。




◇ジルベール・ラブレ


 45年ほど前、経営していたパン屋を辞めてレスティに店を譲った老夫婦のおじいさん。レスティの薬で妻を助けてもらった経緯から、家族のようにレスティを可愛がり続け、そして彼女に店を託し隠居して残りの人生を妻マルスリーヌと幸せに暮らし、レスティの手を握りながら眠るように息を引き取った。

 妻には先立たれてしまったが、最期はレスティと共にいられてとても幸せそうだったという。


 子供に恵まれなかった夫婦だったので、レスティの事が可愛くて仕方がなかったようだ。夫婦は全ての財産をレスティに渡そうとして彼女に猛反対されたが、国に持っていかれるくらいなら使って欲しいと言われ、仕方なく相続した。


 現在もその財産の一つである農場をハーブ園として大切に使わせて貰っている。




◇クレア・ドーレス


 フィルベルグ王国冒険者ギルド素材専門鑑定士兼買取専用受付業のキュートな人種(ひとしゅ)のお姉さん。23歳。

 金と茶の中間のダークブロンドの色の髪をサイドで三つ編みにしている。瞳も濃い茶色をしているようでとても可愛らしい表情の女性。


 元気いっぱいなイメージのある人であまりすごい人には見えないが、素材鑑定に関してはかなりの腕と目利きを持つ。


 素材鑑定に特化した土属性の鑑定魔法を持っているため、素材買取に関してはかなりの信頼を得ている。当然受付業務などしないで素材鑑定のみに集中すればいいのだが、本人の強い意思で受付業務も同時にこなしている。


 なんでも受付業務と素材鑑定での給料がとても良いらしく、大のお金好きの彼女としては嬉しいようだ。本気かどうかは知らないが、金貨いっぱいで(あふ)れたバスタブに浸かりながらきゃっきゃしながら金貨を頭から浴びるのが夢なのだとか。

 それを聞いた同僚は決まってどん引くらしい。


 とても涙脆い人で、一度強めに泣いてしまうと暫くは泣き止まないらしい。

 イリスとミレイに号泣させられた女性(ひと)




◇ロナルド・マルクス


 フィルベルグ王国冒険者ギルドマスター。身長が180cmもあり、筋骨隆々の上にスキンヘッドというとても厳つい顔のおじさま。妻子持ちの47歳人種(ひとしゅ)


 元プラチナランク冒険者であったが子供を授かった事で冒険者を引退し、以降はギルド職員として生活をしていた。

 信頼と実績を着実に重ねて行き、遂には最高峰(ギルドマスター)まで上り詰めた凄い人。


 可愛いものと子供が大好きな人で、その厳つい顔から無理に作った笑顔で近寄るため、子供を大泣きさせてしまう。

 本人に悪気は決してないのだが、さすがにその顔では無理だろうと、受付嬢たちはよくお茶請け代わりに話をしているらしい。


 子供に大泣きされると彼は毎度おろおろするらしいが、却ってそれも不気味に見えるらしく、更に火がついたように泣かれてしまう可哀相な人。


 性格は至って真面目で建設的。ギルド職員からも信頼が厚いだけではなく、王国からも全幅の信頼を寄せられている。


 何よりも王都に住む人達と冒険者を優先して考え、例え王国からの依頼でも、受ける冒険者に理不尽と取られるような依頼は拒否出来る意思の強さを持っている。


 元プラチナランク冒険者ということもあり、その面倒な仕組み(システム)を理解しており、フィルベルグに所属する冒険者からプラチナランクに昇格してしまいそうな場合は、本人の意思を聴いた上で判断してくれる配慮も持ち合わせている。

 故にフィルベルグ冒険者ギルドに所属している者たちは、あまり他国へ移籍するケースは少ない。


 何よりも彼はプラチナランク冒険者を体よく使うことを望まず、むしろ彼らほどの冒険者を使わなければ解決出来ないと言うこと自体を危惧しているようだ。

 依頼を解決出来たとして、プラチナランクがいてくれたからなどと言える筈も無く、彼らを起用せずに解決出来るだけの地力を育てる事が最優先と考えている。


 男気溢れる性格をしていて、ロットが大切な人の為にという理由でギルド依頼をなるべく受けない方向で行きたいと願い出た際、快くそれを受け入れ、なおかつそうするべきだと言ってくれるほど人情に溢れている。

 その時に瞳をクワっと開く様はなかなか迫力があったらしく、ロットが引くには十分な異様さを醸し出していたという。

 その場に同席していたシーナ曰く、『あれじゃ動じない子供でも泣きますよねぇ』と苦笑いしたという。


 尚、ハゲてはいない。剃っているだけで断じてハゲてはいない。あまり言うと目を丸くしたままぽろぽろと涙を流すので、冒険者の間では禁句とされている。




◇クラウス・ライゼンハイマー


 フィルベルグ王国にある武具屋"鋼鉄の(ひづめ)"7代目店主で若き鍛冶師の男性。

 栗毛の髪に茶色の瞳の人種(ひとしゅ)の男性で36歳。

 

 先代から若くして受け継いだ店主に相応しく、その技術は目を見張る物がある。


 現在は多くの職人がこの店に携わっているが、本人が精錬から鍛造、武具の生産まで一人でこなす事もでき、世界でも指折りの職人として名を馳せている為に、国内外からの評価が高い。


 いずれは世界最高の武具職人になるのではないかとも言われる一人だ。


 この店には型鍛造の物など一切置いていない。初代店主であるエルツェ・ライゼンハイマー曰く、『そんなもんに命を預けられるわけないだろ』との一言から、現在まで続く経営理念とされている。全て職人が魂を込めて創り上げた物である。


 またこの店には職人見習いは置いていないので、王国、ギルド、冒険者からの信頼も厚く、値段は張るものの愛用者は数知れず、下手な店で買うくらいならこちらで買った方が遥かに良いとすら言われている名店である。

 その為、国を守ることに重きを置いている騎士団、特に現騎士団長が贔屓(ひいき)にしており、足繁く通う事で有名でもある。


 鎧に関しては店主自ら調整をする事も多いらしく、その熱意は技術と共に初代店主からしっかりと受け継がれているようだ。

 また店主が納得出来る物に限り、オリジナルの武器も生産、販売してくれる。

 全ては特注品(オーダーメイド)である為、それなりの時間と金額がかかるが、それでも自分だけの武器に憧れを持っている冒険者が時たま訪れては明細を聞いて、とぼとぼと帰っていく様が目撃されるという。


 子供の頃はとても虚弱な子で両親に心配されていたのだが、一度店に立ち寄ったレスティへ相談したところ軽い病気持ちだと判明し、薬で治療してもらった経緯がある。


 以降は家族ぐるみの付き合いとなっていくが、あの事件がありレスティが心から笑う事がなくなって疎遠になりつつあった。


 最近になって店に立ち寄ったレスティが以前の笑顔を取り戻したと一目見てわかり、その日の夜にライゼンハイマー家で酒盛りしたのだとか。




 前回の登場人物紹介2とはちょっとだけ違った内容となっております。お話の途中で登場人物に関して少々載せておりましたが、あれは極々一部と制限をかけさせて頂いてましたので、今回の紹介で全て解禁とさせていただきます。


 不思議と8200文字を越えてしまいました。本文の総文字数にも影響してしまうのですが、気にせずにどばっと載せちゃいましたっ。

 こういったことは私個人で言わせていただくならとても大切な部分だと思うんです。心情の変化とかが書きやすく、纏める事ができるので見てくださる方にもいいかなと思っています。


 以前、活動報告にも書かせていただきましたが、どうやら私は設定を作ることがとても楽しいらしく、ずばずばと止まらずに書くことが出来たようです。


 苦労したのはやはりお名前でしょうかね。お! 良い名前! と思いついても、実在する著名人だったりで、何回か作り直す事もありました。ファンタジー感が出てるお名前も使っているんですけどね。なるべく現実世界(リアル)っぽく感じられるように作らせていただきました。



 さて、次回のお話である第4章の始まりは、あと1時間ほどで公開される予定ですので、楽しみにされている方はもう少々お待ち頂くようお願い申し上げます。


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