登場人物紹介2
大体初期設定となっております。なのでまたしても粗が目立つと思いますが、
だいたいこんな感じだよって所でとどめて置いてくださいますと嬉しく思います。
今まで制限かけていた情報も全て解禁となっております。
◇イリスヴァール
女神に愛され、世界"エリルディール"に降り立った異世界人。
13歳の少女。身長150cm、体重35kgの痩せ型。
青みがかった銀色の髪と青が入った銀色の瞳。
一筋一筋が細く、銀色でほんのり青みがかった髪が、日の光が当たるときらきら光って見える。
優しい眼差しでとても整った顔立ちをしており、その容姿の美しさに見蕩れる者も多いが、本人には見えていないため自覚なし。このまま成長すれば超絶美人コースまっしぐらだが、少々真っ直ぐの髪と色にコンプレックスあり。
性格は明るく前向き。常に笑顔を絶やさず、物事をポジティブに捉え、誰にでも優しく接し、自身よりも他者を思いやる博愛の精神の持ち主。
とても平和な世界の出身者なので、怒ったり恨んだりするような負の感情が若干乏しいようだ。
"エリルディール"に降り立ってすぐにレスティと出会う事ができ、魔法薬店"森の泉"で住み込みで働いている。家族のように接し、様々な知識を教え、本当の孫のように大切にしてくれるレスティを、本当の祖母のように心から大切に思っている。
現在は姉と兄が増え、店番をしながら、持ち前の明るさと丁寧さ、礼儀正しさのおかげもあり、徐々に街の評価が上がっているようだ。イリス目当てで来る客も増えつつあるという噂。
女神エリエスフィーナから、所謂"チート"を授けて貰えたのだが、本人の意思によりそれを断った。"チート"を持たずに異世界に渡った彼女は、さまざまな人と出会い、さまざまな経験をして成長していく。彼女を待つものは、その世界"エリルディール"を創造した女神"エリエスフィーナ"ですらわからない。
二人の女神を説き伏せたすごい少女。
なお、女神様に戴いた薬とリルは、使うことなく大切にしまっているらしい。
◇女神エリエスフィーナ
この世界"エリルディール"を創造した、豊穣と戦を司るこの世界の女神。
基本的に彼女は地上の民とは関わらない放任主義だが、地上の民をとても愛している。なによりも努力を好むエリーは、願えば叶うなどという都合のいい神にはなりなくないようだ。
親友が溺愛しているイリスを"エリルディール"に転移させた。
彼女の肉体は新しく創り直したもので、魂と同様、世界に適応させた状態で旅立たせた為、正確には転移ではなく転生に近い。
平和な世界に住んでいた13歳の女の子が"エリルディール"で生きていくには厳し過ぎる為、所謂"チート"を授けようとしたが、本人の固い意思により説き伏せられ、授ける事が出来なかった。
とある異世界をモデルに"エリルディール"を創世。動物や植物、人の名前など様々な所がその異世界の影響を受けている。
最近、管理している世界の結界が壊された為、より強い結界を張り直したという。
◇レスティ・リアム
プラチナブロンドの白に近い金髪に薄い金の瞳。62歳で世界有数の女性薬師。167cmと、女性としては高めの身長で痩せ型。凛と立つその姿に年齢を微塵も感じさせない。背中の真ん中まであるふわふわのロングを、耳の後ろの辺りから銀のバレッタで留めている。
フィルベルグ王国にある魔法薬店"森の泉"の主人。ものすごい美人でどう見ても20代後半なのだが、イリスには自分の事をおばあちゃんと呼ばせ、自分の店で自作の薬を作って売っている。
以前は様々な薬を店に置いていたが、現在は人気商品のみ店に出している。
王国やギルド、司祭からの信頼と評価がとても高く、王国一とまで呼ばれる凄腕の薬師。人格者であり、その知識は薬学、調合学では収まらず、地球で言う所の医学にも見識があり、患者を診ただけである程度の症状を把握した上で対処法が出てくるほどの知識がある。
この世界には医者がおらず大抵は高名な薬師が診ている為、彼女のような存在はとても重宝されている。
薬やハーブ限定ではあるものの鑑定魔法を持っており、彼女の店に置いてある薬の全ては鑑定済みのポーションなので、薬の信頼度が非常に高い。鑑定を持たない別属性の薬師も多いのだが、そういった場合は未鑑定の薬であり、効果がまちまちである。
その分、値段も安いという利点もあるのだが、命を預ける薬には信頼性が絶対的に必要である為、レスティのような鑑定持ちの作った薬は飛ぶように売れる。
"森の泉"では基本的に少々高めの値段に設定されているが、これは他の薬師が育たないという理由と、すでに鑑定済みの薬ということからであり、鑑定済みの薬としてはかなり安い値段とその信頼性から、彼女の店は連日人で溢れかえっている。
稀にお店にも病人を抱えた方の関係者が訪れ、レスティに助けを求める事がある。その際、可能であれば治療行為を施すが、薬代以上の報酬を彼女は一切受け取らなかった。
また、決して万能ではないため、救う事が出来なかった人も多いのだが、見て貰えただけでもと感謝される姿に、彼女自身は心を痛め続けている。
若かりし頃、どんな病気にも効く万能薬を捜し求め、店を信頼できる人に任せて世界を旅していた事もあるのだが、志半ばで挫折し帰路に着くという過去があった。
その時に、この世界には決して万人に効く薬などないのだと、そして自身の力の限界を思い知らされてしまう結果となる。
娘と義理の息子、孫に先立たれており、自分の無力さを痛感させられていた時期があり、ごく最近まで心からの笑顔を見せた事がないと周囲に知られていたが、イリスと出会い、その素直で明るく、優しい人柄に心を打たれ、再び心から笑えるようになった。
そのあまりの幸せに、時折自分の部屋で目尻に涙を溜めている事をイリスは知らない。イリスを自分の孫のようにとても可愛がり、様々な薬学知識を惜しみなく教える。
現在使われているイリスの部屋は孫のために作った部屋ではなく、完全に趣味全開で作った部屋。自分で使う事はなかったが、あまりの良い出来に自画自賛するという可愛いらしい一面もある。
口癖があらあらうふふ。頬に手を当てて笑顔で笑う仕草がとても印象的。最上級の表現として、『あらあらまあまあうふふ』と『あらあらあらまあまあまあ』がある。
◇ミレイ・ミルリム
兎の獣人である兎人種のとても綺麗なお姉さん。17歳。ゴールドランク冒険者。身長162cm。火属性魔法の使い手。現在恋人募集中。
セミロングで白いさらさらのストレートに印象的な赤い瞳、透き通るような白い肌の女性。楽天家で細かい事は気にせず、明るくとても前向きで面倒見のいいお姉さん。若干思った事をずばっと言う傾向もあるが、決して悪い意味ではなく、悪口はほとんど言った事がない。
胸部を守るライトレザーアーマー、ハーフパンツにブーツのとても動きやすい速度重視の装備。腰には業物の短剣、背中には弓が光り、持ち前の機動力で魔物を翻弄、迎撃する。そのあまりの速さに仲間達はミレイが攻撃を受けているところをあまり見たことがないほど。
短剣はミスリル製の大き目のダガーでとても堅く、そして恐ろしいほど軽い。弓はナルアと呼ばれる弓に最適とまで言われる貴重な素材で作られたもので、多少の重さはあるものの、とても堅くしなやかな弓で、とても永く愛用できる丈夫なもの・・・ではあったのだが、とある事情で最近うっかり壊してしまい、新しい武器として木製に鉄で補強したクロスボウと鉄製のボルトに変えたらしい。
飛距離は前の弓とは大分変わってしまったが、なかなか性にあっているようで、気に入って使っているらしい。
イリスに教えてもらった魔法の応用のひとつである"矢に火を纏わせて"放つ戦いをし出してから、火力が跳ね上がり、仲間達にどん引かれているらしい。
イリスが"エリルディール"に降り立って初めて会話をした素敵な女性で、白くてふわふわな毎日欠かさずお手入れされた自慢の耳を、イリスはさわりたくて仕方がない。
ミレイはイリスが大好きで可愛くて可愛くて仕方がなく、実の妹のように大切にしてくれる。ぎゅっとさせてもらう代わりに耳をさわらせてあげてイリスを大変喜ばせている。
1ぎゅっと1もふもふは彼女達だけで使われる単位である。
だがミレイは、耳に触れられる事そのものに嫌悪感を持っていた。以前ギルドで、なにげなくミレイの耳にさわってきた熟練男性冒険者を、一発で殴り飛ばして気絶させるほどの途轍もなく強烈な一撃をお見舞いした事件を起こしている。
殴り倒した相手はゴールドランクの中位に位置する冒険者で、当時ミレイは初心者冒険者だった。その瞬間を目撃した冒険者達は、攻撃が当たる瞬間まで見えなかったほどの速さだったと語っている。
その後、駆けつけたギルド職員の取調べでミレイは、『まるでお尻をさわられたような不快感があって、気が付いたら殴り終えてた』と語っていた。
そんな理由から注意はされたものの、『あの耳に触れることは命に関わる』と冒険者達に恐怖を与え、彼らを震え上がらせた。
ちなみに女性でもさわられると相当嫌なようで、どうやらさわっても大丈夫な存在はイリスだけのようである。
弓の名手で外すことなく敵を狙い撃つその姿はまさに狩人のようである。戦闘スタイルは1,2発射って敵が接近すると、持ち前の速度を生かし敵を翻弄しつつ短剣で迎撃する。
基本的に動きが早すぎて攻撃を受けない為、訓練でゴールドランクの上位にいる冒険者と戦った対人戦では、引けを取るどころか相手を圧倒するほどの強さで戦うことが出来る為、まったく掠りもせずに相手を倒せるほどの強さがある。
相手にした冒険者は「まるで飛んでいる羽にふれるような感覚で、全く当たる見当すらつかなかった。あれだけ見事に避けられたら嫌味の一つも言えないな」と信じられないような顔をしながら語っていたという。
すでにゴールドランクの器ではないとも噂され、プラチナランク目前とも言われている凄腕冒険者。
何よりもイリスを大切に思っており、イリスとぎゅっともふりあう仲になってからは、パーティーよりもイリスを優先する傾向が著しく見られ、最近ではレナードが涙目どころか本気で泣きそうになっている。
そんな彼を見たミレイは、「あはは、イリスに勝てる子はもういないだろうねー。だから諦めてねー」とレナードに語り、その日の夜にギルドでやけ酒をかっくらいながら涙を流しているレナードを、多くの冒険者は声をかけられず、とても可哀相な目をして見ていたという。そしてこのままパーティーを抜けてしまうのではないかと本気で心配しているらしい。
イリスはとても魅力的な為、オーランドのような悪い虫が付かないように見張っている。実際オーランドは悪い男では決してないのだが、意識してイリスに近づく男はみんな悪い虫に見えるらしい。
唯一ロットだけは例外で、イリスへの気持ちを聞いた際、"大切な妹"と言われ、非常に残念に思っている。妹を大切に思う姉としては、ロットにならイリスを任せられると思えるのだが、本人に妹と言われた時点でそういった対象にはならないだろうと、残念ながらも諦めた。
同時にロットの女性から慕われても気づいてくれない天然で鈍感な性格を知っている為、イリスとロットをイイ感じにしようと画策することもなかった。
出身地はリシルア国の片隅に生家があり、今でもそこに両親が住んでいる。両親があまりのラブラブっぷりをミレイに見せ付け、「ミレイも母さんと同じように父さんみたいなカッコよくて素敵な人に出会うのよ?」だの、「母さんのように素敵な女性になって父さんと同じようにカッコイイ男を捕まえるんだぞ」、だの言われ続け、半ば嫌気が差したミレイは、15歳になったら家を飛び出し冒険者となることを心に誓ったのであった。
ミレイ、12歳。秋の節のことである。
15歳となり、リシルア国と両親から飛び出し、資源が豊富で周囲の魔物が弱めなフィルベルグ王国を目指す。旅の途中で当時別依頼を受けていたレナード、オーランド、ハリスと出会い意気投合。酒盛りしながら一晩中話し合い、翌日の朝頃には正式なパーティーメンバーとして加入する。
持ち前の運動神経に驕ることなく日々鍛錬を重ね、現在ではプラチナランク手前までとも言われる程の達人となる。
可愛い子を見つけると抱きつく癖があったが、イリスに出会って激減したらしい。
◇ロット・オーウェン
17歳、男性。身長175cmで平均より痩せつつ、適度に筋肉が付いている。世界に20人程しかいないと言われるプラチナランク冒険者のひとり。左利きで左手に盾、右手に剣を装備し、盾を主体として戦う。
さらさらとした細い金髪に青目。穏やかな瞳と美しい顔立ち。真面目で、優しく前向き。驕らず、誇示せず、努力を怠らず、思慮深く冷静で博識。
まるで物語に出てくる英雄や勇者のような風体で、多くの女性冒険者からとても慕われているのだが、本人にはまったく伝わらないらしい。その嫌味のなく面倒見のいい性格というその人柄から、男性冒険者にも慕われている。
イリスを実の妹のようにとても大切にしていて、イリスのお願いは断れないようだ。よく面倒見てくれる頼れるお兄さん。
母性本能をくすぐられるタイプで、女心をいまいちわかってもらえない天然さん。
70cm程の白銀で少々細めのロングソードに、60x40cm程の大きな剣の切っ先のような楕円形で白銀の大盾。
胸部・腕部・脚部を護る白銀のハーフプレートアーマー、背中には鮮やかな青いマントを身に着けており、マント以外の剣と盾を含む装備は全て魔法銀製であり、とてつもなく軽くて丈夫。
剣と盾を組み合わせた戦い方が得意だが、様々な武器にも理解が深く、長槍や小剣などの刺突武器や、鈍器、斧など重量を感じる武器ですら扱える為、状況に合わせた戦い方もできるのだが、剣と盾の防御主体で戦うスタイルが本人に合っているようだ。
持ち前の機動力を活かし、敵を翻弄する事も、隙を突いて攻撃する事も、仲間の盾になりながら戦う事もできるオールラウンダー。
実力は既にミスリルランクである"英雄の領域"に足を踏み入れていると噂される程の強さであるが、ランクに拘りは無く、ミスリルランクを目指している訳でもない。
むしろランクは結果で付いてくるものと思っているので上がろうとすら思っていない。
すごい実力はあるのだが、自身に何が出来て何が出来ないかの自己分析がしっかり出来るので、決して自分の力量を超える無茶をせず、着々と依頼をこなしてきた。
1年程前、西にあるリシルア国周辺に現れた凶悪な討伐手配魔物の討伐に一役買っている。
当時、常に行動を共にしていた仲間達4人と別の依頼でリシルアまで訪れていたロット達であったが、そこへ凶報が舞い込んでくる。
多くのリシルア兵と冒険者を屠ったというその魔物の討伐に、リシルア国精鋭の兵と冒険者を集め討伐に向かったうちのひとり。
その魔物と対峙した際、尋常ならざる強さに戦意を喪失し、戦線が崩壊つつあった仲間達を叱咤激励し、自ら最前線に立ち戦い続け、ついには討伐に成功する。この件をきっかけにプラチナランクへと昇格した。
当時を知る者は、彼とヴァンだけが臆する事なく諦めず、勇敢に戦い続けた英雄だと語っている。
だが、激しい戦いの末に討伐には成功はしたもののその被害は甚大で、多くの兵と冒険者を失う結果となる。
パーティーメンバーの一人であった魔術師もその犠牲となっており、本来は盾となるべき自分が不甲斐ないせいで仲間を失わせてしまったと後悔している。
以降はパーティーを脱退し、自己鍛錬に重きを置いて冒険者を続けてきた。
プラチナランク昇格以降、ロットがギルドで依頼を受ける時は、ギルド側から直接ロットを指名して『ギルド依頼』と呼ばれる依頼を出されるようになっており、その度に依頼の条件にあった冒険者が毎回集められ依頼を受けている為、基本的には毎回違った冒険者で依頼を受ける為、固定したパーティーは組む事が出来ない。
尚、ギルド依頼は強制ではない為、本人の意思により断ることが可能だが、ロットには特に断る理由も無いので可能な限り受け続けているようだ。
ギルド依頼を名指しで受けられるのは信頼と実績の証であり、フィルベルグ王国からの信頼も厚い。
リシルア国に限っては既に英雄視されており、ロットが訪れるだけで大規模なパレードをしようとする勢いがある為、あの事件以降はリシルアを訪れないように避けているらしい。
風の噂でリシルア国王がロットとの一騎打ちを希望していると聞いていたが、先日、ヴァンにより王からの手紙が届けられ、不安が的中することとなる。
ヴァンに対しては、信頼している冒険者仲間であり、頼れる先輩であり、尊敬できる人物という評価をしている。
現在リシルア国に拠点を置いているヴァンが、フィルベルグ王国に居を構えて貰えるなら、イリスの護衛が更に頑強になるため、彼がフィルベルグへ移ってくれることを提案した。
ヴァン自身の都合もあり、フィルベルグへ来てくれると知り、内心はかなり嬉しかったようだ。
◇レナード・バルト
26歳男性。独身。ミレイのパーティーのリーダー。
茶色の髪に茶色の瞳。ゴールドランク冒険者。
冒険中はなかなか鋭い顔だが、街中では優しい顔。
胸部・腕部・脚部を護る鈍色のハーフプレートアーマー。刀身70cmのブロードソードと50cmほどの円盾を使い、敵の攻撃を受け流すようにしたあと切るスタイル。
ギルドの地下にある訓練場にて、何度か同じスタイルに変えたロットの訓練相手を務めた、いわゆる先生的な立場にもある人物なのだが、2,3回見せただけで技術をあっさりとマスターされてしまい、その日の夜はパーティーメンバーと一緒に、泣きながら酒を飲んでいたらしい。
その訓練の様子を見ていたパーティーメンバーのひとりである人物曰く、『あれだけ早く習得されたら誰でも泣くわー、あはは・・・』と自慢の耳を垂れ下げながら語っていたそうだ。
攻守バランスのよさが光り、その実力はかなりの安定感がある強さを見せる。彼がリーダーを勤めているのは年功序列ではなく、パーティーとしての明確な指示を出す、冷静な判断力と決断力からパーティーメンバー全員に選ばれている。
メンバーの長所と短所に気づき、長所を伸ばす事を主に伝えているので、メンバーから信頼されている。
元々は成り立て冒険者だったオーランドとハリスを、フィルベルグ冒険者ギルドで見つけ、先輩として様々なことを指導しつつ二人を鍛えていた経緯がある。
ミレイとは依頼でフィルベルグを離れ、目的地に辿り着く手前の町で出会っている。うちのパーティーには華がない、と言う理由ではなく、ただ単に酒盛りして意気投合しただけである。
情に脆く、涙脆い優しい人。
◇オーランド・ヘンドリック
19歳、剣士。ゴールドランク冒険者。
濃い青い髪に青い瞳。好青年。
胸部・腕部・脚部を護る鋼鉄の重鎧なるべく軽量化を図っていて、移動しやすさを重視した重鎧を装備。
レナードに誘われて同期で友人であったハリスと共に加入。
レナードが盾で敵を足止めしてるところに、刀身が90cmもあるロングソードで切り込む剣士。
度胸があるのは良いが突っ込みすぎる、とよくレナードに注意されてる。レナード曰く、彼は『猪小僧』らしい。
年齢的にはもう小僧ではないのだが、いくら言っても直らない為、現在でも小僧扱いをされている。普段はそんなことを一切見せないが、こと戦闘となると目の色が変わり、無謀とも呼べるほど前に出る傾向がある。そういった意味では英雄の器とも呼べるかもしれない。
本人は否定するが、周囲からすると恐怖心と言うものが欠如しているように見えており、パーティーメンバー、特にミレイに若干引かれている。
レナードとハリスは冷静さに、ミレイは恐怖心から来る安全性に重きに置いて戦っている為、オーランドの戦いは正直理解することも難しいようだ。
こういった経緯から、オーランドがイリスに惚れそうになった手前で、ミレイが釘を刺して止めたらしい。
ミレイ曰く『猪にイリスを預けるだなんて、そんな怖いこと出来ないよねー、あはは』と楽しそうに笑っていたそうだ。
◇ハリス・カーヴェル
20歳。火属性魔術師、特に攻撃魔法が得意。ゴールドランク冒険者。丸い小さめの眼鏡が似合うアッシュグレーの髪の青年。濃茶で少し鋭い瞳。
レナードに誘われて同期で友人であったオーランドと共に加入。
身長よりも少し大きいサイズのスタッフを持ち、小さ目のダガーを腰の後ろに装備している。防具は動きやすさと体力を使わないように軽いレザーアーマー、レザーブーツに、魔法攻撃力を上昇させる付呪が付いたシルバーバングルを装備している。
あまり人前で笑顔を見せず割と無表情で、感情を出すのが苦手な人。言葉数が少なく淡々と喋る彼を、冷たいと誤解されることもしばしば。だが心根の優しい人でとても仲間想い。
少ない言葉の裏には、常に頭の中で考えているからのようだ。
冷静な判断力と精確な分析力を兼ね備えたパーティーの頭脳。リーダーであるレナードも、適切な判断を下すことが出来る彼の意見はしっかり聞き入れる。仲間からの信頼も厚く、彼がいたから安全に切り抜けられた場面も多い。
持ち前の高火力、広範囲魔法で魔物をなぎ払い、乱戦の時は魔物にピンポイントで魔法を直撃させる事ができる。その集中力と冷静な判断はゴールドランクの上位冒険者クラスとも言われている。
『魔術師に一番必要なのは、誰よりも冷静に状況を把握する事』を、常日頃から気をつけるようにしているのだが、猪小僧が突っ込んでいってしまう為、割とその成果を出せずにいる。
◇シーナ・アストリー
赤いロングの髪に赤い瞳、22歳。
フィルベルグ王国冒険者ギルド受付担当のきれいなお姉さん。
真面目で優しく、明るい。現在恋人募集中らしいが、高嶺の花と思われているらしく、誰からもお誘いされなくて最近寂しいらしい。
仕事ぶりはとても丁寧で失敗も少なく、笑顔を絶やさない。まるで受付嬢の鏡のような女性なのだが、実は元シルバーランク冒険者だった経緯がある。
主に探索系依頼を受けていたので、戦闘向きではないらしく、ある程度経験を積んだ後、たまたま募集していたギルド職員に転職。
どうやらこちらの方がシーナには合っているようで、毎日がとても楽しいらしい。命をかけることもなくなった為、より笑顔になれたそうだ。
その真面目で親切な対応に、ギルドの上層部からの信頼も厚く、職員指導教官も任せられるようになってきた。
本人曰く、あのまま冒険者をしていたら、きっと今頃はこんなに笑えてなかったと思うわ、と同僚の女性に語っているらしい。
◇マール・フランジュ
栗毛のショートヘア、茶色の瞳で少々垂れ目。24歳、女性。
フィルベグル王国にある図書館の司書。
本をこよなく愛し、大切にしている人。本を愛する人を満遍なく愛する。
勉強熱心な人も大好きで、頑張っている人を見かけるとついつい話しかけたくなってしまう。本の虫で司書をしていれば好きなだけ本が読めると勘違いしちゃった人。
本は全般的に大好きだが、魔法書の類のほとんどはとても回りくどく、要点を纏められていないため、かなり苦手らしい。
意味がわからないというよりは、意味を理解したくないと思ってしまうようだ。怖い先輩に見つめられてるだけで体重が落ちちゃう可哀想な人。
◇ローレン・マーセル
白髪長身、中肉中背の男性。72歳。
フィルベルグ王国内にある教会の司祭様。
その教会はとても立派な造りをしており、教会と言うよりも大聖堂と言った方が正しい。
おっとりとしており、とても優しく穏やかに話しかけるタイプ。王国の人々にとても人気のある方で、
休日になると開かれる礼拝では司祭様の言葉を聞きに多くの人が集まる。
この世界の人々は女神アルウェナを崇拝しており、その教えのほとんども現在の聖王国アルリオンの建国当時から続くものとされる。
この世界を創造したのはエリエスフィーナであるが、基本的に関わらない放任主義のため、人々にその存在は知られていない。
またエリルディールという世界の名前も広めていないため知られることはなかった。
◇ブリジット・ステイシー
赤い癖毛のショートに赤く少々垂れた瞳の33歳女性。
いつもなぜか黒いローブを着ているが、これは本人の好みではなく、着ていれば"知的"に見えるから、らしい。
魔法道具屋の経営者で父との二人暮らし。病弱であったブリジットの母は、彼女を生んで3年で亡くなってしまっている。
父が経営していた雑貨屋店を受け継ぐと同時に自分好みに店を改造し、フィルベルグ王国城門近くの店で、好き勝手に自作した謎アイテムを売っている。
ブリジットの父はのんびり隠居暮らしをしている。店に顔を出すと作ったアイテムを説明されまくるので、なるべく行かないようにしている。
彼女の作ったアイテムは殆どの人がガラクタと呼ぶもので、彼女の店には意味のわからないアイテムが多数並んでいる。
『中には掘り出し物があるんだよ、あはは』と兎人種の少女は語る。
楽しい事が大好きな性格で、自作のアイテムを稀に来店する客を捕まえちゃ嬉々として説明し、いつもけらけらと笑っている。
売っているアイテムは魔石を使ったアイテムが殆どで、そのぶっ飛んだ"最先端"の発想には誰もついて来れない。
けらけらと笑いながら自作の謎アイテムを語る彼女を軽んじる人も多いのだが、彼女は魔法付呪の専門家で、その実力は紛れもなく本物であり、彼女が開発した物の恩恵はとても大きい。
例えば、街灯やシャワー用魔石、洗濯する道具など、恐ろしいほど緻密に細かく調整が必要な魔石の加工は全て彼女の功績であり、現代における最高の魔法付呪師である事は間違いない。
そんな彼女は聖王国アルリオンの更に東にあるとても小さな村の出身で、日々魔物の脅威に怯えながら幼少期を暮らしていた。
名産品もなく、娯楽も無く、村を囲っている塀も丸太を尖らせて組んでいるだけの質素なもので、いつ魔物に破壊されてもおかしくはないような、そんな脆いもので囲われた世界を彼女は生きていた。
その村の誰もが恐怖に怯え、安心した笑顔を見せた事も無く、ただただ日々を生きていただけの村にいた彼女は、いつも頭の中で夢のような玩具を作り出し遊びながら、魔物の恐怖に怯える日々を暮らしていた。
そんなある日の冬、とうとう護られている壁が壊され、魔物が村を蹂躙してしまう。命からがら聖王国アルリオンまで逃げた村人の数は、全体の1割を切っており、生き残れた事が奇跡に近かった。
襲ってきた魔物はたったの3匹であった。
物心付いた頃からの親友も、隣に住んでいた優しい女性も、父と仲が良かった高齢の男性も、その殆どが聖王国アルリオンまで辿り着くことはできなかった。
その後、聖王国アルリオンに保護してもらう形で受け入れてもらっていたのだが、幼いブリジットに恐怖を与えた場所が近くては、あまり良くないだろうと思った父が、友人のいるフィルベルグ王国へブリジットを連れて向かって行った。
父は友人の雑貨店を手伝いながら生計を立てていたが、友人の都合で雑貨店を閉める事になった際にその店を買い取り、以降は父が雑貨店を経営していった。
そんなある日、魔石技術の応用をしながら遊んでいたブリジットは、たまたま店に訪れていた魔石研究者にその才能を見出され、魔石研究の勉強を本格的に始めた。
その才能をめきめきと上達させたブリジットは、20歳になる頃には王国から依頼されるほどの魔法付呪師となっていき、世界中で注目された技術を提供した事により莫大な資金を手に入れ、雑貨屋を父から買い取り、魔法道具屋店として現在でも営業している。
ちなみにブリジットの父は現在のんびりと隠居暮らしを満喫している。店に顔を出すとブリジットに作ったアイテムを説明されまくるので、なるべく行かないようにしている。
歳が近く、王国に良く出入りしていた経緯もあり、フィルベルグ王国騎士団長とはとても仲がいい。よく酒を飲みながらアイテムを使って人々の幸せにする方法をふたりで話し合っている。
◇ヴァン・シュアリエ
虎人種の男性で21歳。身長180cm。
世界に20人しかいないといわれるプラチナランク冒険者のひとり。
白虎族と呼ばれるとても珍しい種族で、全身が真っ白な体毛と黒いラインが入った勇猛そうな男性。
色鮮やかな金色の瞳をしていて、21歳の割りにとても渋い声をしている。
白と黒の縞々の長い尻尾があり、感情によりぴょこぴょこしてしまう。
胸部・腕部・脚部を護る漆黒のハーフプレートアーマーと、2メートルもある巨大な武器、戦斧を装備している。
斧の先端にはダガーのような鋭い物が付いており、遠心力を使った薙ぎ払いや叩き切る以外に、槍のような刺突攻撃も出来る優れものらしい。
防具は黒檀のような輝きのある漆黒でミスリル製。恐ろしいほど軽くて丈夫。
もともとは白虎族が独自に使っていたものだが、その利便性から好んで使う人が多くいるようだ。当然、超重武器のひとつとされるほど重く、並大抵の力では扱うことすら難しいのだが、持ち前の腕力と重量がある武器を遠心力たっぷりで当てるため、途轍もない攻撃力がある。
力強く静かな闘志を燃やし、勇猛果敢に戦う姿に冒険者の誰もが目を見張る。
その勇猛そうな彼の姿を初めて見たイリスは、「ロットさんが優しく静かに輝く月なら、ヴァンさんは力強く照らす暖かい太陽のよう」と発言しており、言われた本人はかなり嬉しかったようだ。
その強さや身長の高さ、見た目のゴツさから、誤解されやすく避けられやすい彼だったが、しっかりと自分の内面を見てくれたイリスのその言葉に喜び、その日の酒は生涯忘れられないほど美味しかったらしい。
白虎族は戦闘特化の種族と呼ばれており、その力は獣人を含めた他の種族を、遥かに凌駕する潜在能力を持っているとさえ言われている。かくいう彼もかなりの強さで、プラチナランクの上位といわれるロットと互角の強さを誇る。
白虎族は基本的に森の奥深くにある彼らの集落から出てこない種族である。閉鎖的な存在と思われがちだが、性格は至って温厚で社交的。
集落にごく稀に訪れる客人を、分け隔てなく丁重に持て成し歓迎する種族で、中でも白虎族の子供はその好奇心から客人にべったりするようだ。
あまりの懐きっぷりの可愛らしさに心を撃ち抜かれた客人が、白虎族の村に移住する事もあるようだ。その際も村人は快く受け入れ、住居や生活の世話まで親身になってくれる。
暮らしは自然と共に生きる質素なもので、戦闘特化の種族と呼ばれているのが嘘のように穏やかに静かに暮らしている。
実際の所、戦闘に才能があるというだけで、基本的に戦うことが好きではない者が数多く、とても心優しい種族だと言うことは、あまり知られていない事実であった。
時々、ヴァンのような変わり者が街に出て、冒険者をしながら生活をしているようだ。
一年前のリシルア国の危機を救った戦士達の一人であり、後に英雄と呼ばれるほどのロットの強さを目の当たりにしている。
ヴァンの士気は下がらなかったものの、ロットと二人で戦ってはどうしようもないと焦っていた矢先にロットの叱咤激励が飛び、戦況を覆したロットを見直したのではなく、自分よりも遥か高みの強者として認識を改めるようになった。
事件後、ギルドの地下に設置されている修練場でロットと勝負した際、弱点である熱情的な攻撃を繰り返すヴァンの隙を狙われ、冷静に長期的な戦いが出来るロットに負けており、以降は精神面も鍛えるようになった。
冷静なロットと比べると、ヴァンは少々我慢にかけるところがあり、徐々に冷静さを失う彼の隙を突かれる形で勝敗は決してしまったようだが、「実力は互角かそれ以上の強さだった。彼が冷静な戦いをする事ができていたら確実に負けていた」と、ロットは語っており、その強さは本物である。
1年前の事件の功績ではランク昇格とまではいかなかったものの、堅実に経験と実績を重ね、ロットとフィルベルグで再会する半年前にプラチナランクへ昇格させられている。
だが本人にはプラチナランクなど邪魔なだけで、ゴールドランクでよかったと本気で思っており、どうやったらプラチナランクを返却できるかを考えている。
現在は冷静に戦うことが出来るようになりつつある為、ロットの強さに迫りつつある強者である。
そんな彼はロットを越える為に自身を鍛えたのではなく、己自身に勝つために修練していった為、ロットとの再戦は望んでいない。むしろ共に戦える日を心待ちにしているようだ。
イリスに対してはまだ一度会っただけである為、特別な感情を抱いていないが、彼に放った素敵な言葉の一言で、"護るべき対象"と認識しているようだ。
甘いものとが可愛いもの好きな可愛らしい面があるが、なるべく顔に出ないように心がけている。
現在およめさんを探している。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
大体は初期設定の雛形のままになっております。マールさんは少々書き足しましたけど、それ以外はほぼそのままで、文字を入れ替えたり、多少の加筆や修正をしたりと、そんな感じですね。ある意味なるべく初期のまま載せるのもありかな、とか思ってたりします。
ちなみにイリスの身長と体重は初期からがっつり決めてありましたが、あえて書かない方がいいと判断し、今まで書かずにここまで来てました。今でも載せてよかったのか自問自答していますので、あくまでこのくらい、という程度でお願い出来ればと我侭を申させて頂きたく思います事をお許し下さい。
さすがに本文が多くなってしまっているので、13000文字を軽く越えましたが、これは本編じゃないので、今回の文字数はどうでもいいですよね。