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この青く美しい空の下で  作者: しんた
第十一章 前に進め
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登場人物紹介11

◇ホルスト・エールリヒ

 ツィードを拠点に活動をしているチームホルストのリーダー。斥候(スカウト)

 とあるギルド依頼で負傷した仲間と、洞穴下部に落ちてしまった仲間を救出するため、必死の思いで森を駆け、イリス達と街道で出逢う。

 あまりの鬼気迫る様子は、"警報(アラーム)"を反応してしまった。

 救出に向かうイリスとシルヴィアを見送り、ヴァン達と共に彼女達の帰りを待つ。

 無事に戻ってきたサポートメンバーであるファルに、心から安堵したようだ。


 たとえサポートであろうと、ファルは大切な仲間であることに違いはない。

 彼女を犠牲にするくらいなら、ギルドからの罰則だろうが罰金だろうが受ける覚悟で嘘の報告までしようとしていた彼ら四人に、ファルは涙を流しながら感謝をした。



◇マルコ・ハイネン

 チームホルストのメンバーで、中距離、遠距離攻撃を得意とする狩人(ハンター)

 軽量な男性で小回りの利く二人は、チームでも遊撃として活躍。

 基本的に物怖じしないとても穏やかな性格ではあるのだが、今回の一件は状況が状況だけに相当取り乱してしまったようだ。

 ファルの作り出してしまった料理という名の物体に、かなりのトラウマがあるらしく、あんなものを食べるくらいなら食べない方がマシだと本心から思っている。



◇アメリー・デーア

 チームホルストのメンバーで、盾戦士(フェンダー)。チームの要のひとりとして活躍。

 割と勝気な性格で、思っていることをずばずばと言葉にしてしまうが、面倒見が良く、とても優しい女性。とある書物の信者。

 イリスの師である、フィルベルグ王国騎士団長ルイーゼと同じ、人種(ひとしゅ)で女性の盾戦士(フェンダー)ではあるが、彼女の性格から攻撃に転じやすい戦い方をする。

 当然、最優先が仲間の守護ということを理解しているので、フィルベルグに所属しているどこかのチームの(ボア)のようなことは絶対にしない。

 ファルを妹のように想っているが、それを態度で見せることはなかった。



◇デニス・アンデ

 チームホルストのメンバーで、剣士(フェンサー)。チームの要のひとりとして活躍。

 ホルストチームは剣士(フェンサー)盾戦士(フェンダー)斥候(スカウト)狩人(ハンター)という、少々近接には厳しいふたりを抱えてはいるが、長年の付き合いからとても相性がよく、バランスの取れたチームのようだ。

 その中核を成しているのが彼、デニスである。

 剣士(フェンサー)でありながら、周囲の状況をしっかりと見極め、時には中距離への対応や、剣による盾戦士(フェンダー)のような護り方ができる技術と知識を兼ね備えている。

 どちらかと言えばアメリーの方が剣士(フェンサー)向きの性格をしているため、自然とこの立ち位置が身についたといった方が正しいかもしれない。



◇ファル・フィッセル

 猫人種の女性で、ゴールドランク冒険者の斥候(スカウト)として活躍。

 頭には可愛らしい黒い耳を乗せ、膝下まで伸びた可愛らしい黒の尻尾を持つ。

 所属チームを持たない、自由冒険者(フリーランス)と呼ばれる単独(ソロ)冒険者。

 世界中を旅しながら、それぞれのギルドに立ち寄っては依頼をこなしていた。

 耳を含まない身長はシルヴィアよりもほんの少しだけ高く細身、肩まで伸びた黒に近い濃紺のミディアムヘアを後ろで束ねている。シルヴィアともネヴィアとも、またイリスとも違った感じの、可愛らしさを残した美人さんで、とても泣き虫。


 胸部にミスリル製の軽鎧を身に纏い、とても動き易そうなショートパンツと丈夫そうなブーツ、背中にダガーと左腰に小さなバッグを付けているが、彼女は正確には斥候(スカウト)ではなく、現在ではこの世界のどこにも存在しない唯一の格闘家(ファイター)である。

 本来の武装はガントレットやナックルといった、素手に直接身に付ける超近接格闘武具と少々重厚感のある足具を纏い、身体の捻転を大きく使った格闘技で戦う。

 リシルアの一件で少々目立ってしまい、所属していたリシルアギルドを飛び出して世界中をとある理由から転々と旅をしていた。


 彼女の扱う格闘術は"覇闘術"と呼ばれた、今現在でも誰もが知る伝説のミスリルランク冒険者の一人として活躍した、アルト・アルチュールが創りあげたものとなる。

 その技は華麗にして美麗、優雅にして豪快というもので、途轍もないほど悪目立ちしてしまうため、唯一得意としていた技術を隠しながらファルは冒険者を続けていた。

 "コルネリウス大迷宮"で命を掛け合ったイリスとシルヴィアの二人とずっと傍にいたいと思えた彼女は、イリスの仲間達に相談して快諾して貰え、嬉しさのあまりぼろぼろと大粒の涙を零した。


 憧れ続けたアルトが思っていたイメージとは違ったようで、中々に衝撃的な出逢いと、彼女にとってはとんでもない真実をぶちまけられ、灰のように真っ白になった。



◇レグロ・フラド

 ツィードの街門警護する若き冒険者で、偉大な英雄達に憧れ同じ世界に身を投じる。

 同期で共に街門の警備任務に就くベラスコ・パガンと仲が良く、互いに切磋琢磨するも、自身の限界とも言うべきものを感じ取ってしまっていたところを、ヴァン達の助言と、同じ役割を担っている先輩達に助言を求めてはというイリスの提案に強く共感した。

 イリス達がツィードを旅立ってしまった後も実直に訓練を続け、ようやく壁とも言うべきものを突破できたと実感できているようだ。



◇コルネリウス・バッケスホーフ

 二百五十年以上前に実在したプラチナランク冒険者。

 当時、世界最大級と言われた場所の調査に降りるも、凄まじい数の地底魔物(クリーチャー)に襲われ、その身を賭して仲間達を救った英雄。

 彼の功績を讃え、彼の名をダンジョンに名称し、現在でも冒険者に伝わっている。



◇アルト・アルチュール

 世界最高のミスリルランク冒険者。猫人種黒猫族の男性でレティシア達の友人。

 ふにゃりとした柔らかい表情と、男性としては細身の身体からは想像もつかないほどの腕力を持つ。更には彼がレティシアに触発されて創りあげた、一対一を得意とする格闘技術である"覇闘術"を創りあげた始祖。

 "覇"と呼ばれるマナとは違う力を根幹として発現するこの技は、スタミナとマナを半々に消費させるという彼独自の新技術を手にし、あのレティシアをも驚愕させた。

 その威力は途轍もないほどの力を秘めたもので、彼のようにこの技術をある程度極めればファルでさえも、ドレイクなら一撃で屠ることも可能とするほどの威力を持つ。

 レティシアから教えてもらった"白の書"の技術を応用し、自らの想いと"覇闘術"のすべてを記した技術を残す計画を考え、遠い未来となるイリスのいる時代に、念願の子孫へ技術を伝えることができたことを彼が知ることはなかった。



◇フェリエ・フィッセル

 ファルの母であり、元プラチナランク冒険者。

 "粉砕のフェリエ"と呼ばれ、あらゆる魔物を大槌で粉砕したと言われる女傑。

 だからといって鋭い顔は一切せず、とても美しい笑顔を絶やすことのない美人さんではあるらしいのだが、それが却って恐怖心を煽るのだと、嘗ての冒険者仲間の一人が言葉にしていた。

 娘に厳しくしたつもりはないが、彼女を躾ける時にのみ自然と出てしまう威圧感が半端無いと、同郷の幼馴染は語っている。

 ファルの師でもある人で、彼女に教養と格闘術や体術の基礎と覇闘術も学ばせた。

 娘よりも遥か高みの強さではあるのだが、残念ながらフェリエ自身には適格者たる資格はないと思われる。



◇ヴィクトル・フィッセル

 ファルの父であり、元プラチナランク冒険者。

 妻であるフェリエとは幼い頃からの付き合いで、一方的にアタックしていたのは彼の方だったが、フェリエには幼馴染としか見ていなかったそうだ。

 性格はとても温厚な人で、父が怒ったところをファルは見たことがない。

 唯一本気で憤りを見せたのはフェリエを想ってのこと一度きりで、その真剣な眼差しに心を射止められてしまったと、彼女はとても嬉しそうに今でも言葉にしている。

 自由に娘をのびのびと育てた彼だったが、彼女が経典を持ち出したと推察した妻に驚愕しながらも毎日を過ごしていることを、娘であるファルはまだ知る由もなかった。

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