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この青く美しい空の下で  作者: しんた
第九章 未来を創る為に
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登場人物紹介9

◇デニス・バルテン

 聖王国アルリオンの二重に造られた防壁の、外門守護任務に付く熟練兵士。

 かつては冒険者であった経験もある異色の兵士だが、どうやら冒険者稼業よりも守護任務についている方が性に合っているようだ。

 外門警備任務に当たっていない日は、若手育成の為に教官として勤務する。



◇ヨハン・クライバー

 アルリオンの強固な二重防壁の内門を守護する者達のリーダー。

 どちらかと言えば、兵士よりも訓練教官の方が向いているようだ。

 外門守護任務に就いてるデニスとは飲み仲間。



◇ケーテ・リット

 聖王国アルリオン所属冒険者ギルド受付業務担当の女性。

 仕事熱心ではあるのだが、訪れた若い男性冒険者を鋭い眼で探している。

 ロットが来た時も熱い視線を向けるも、彼には全く通じなかったようだ。



◇ディートリンデ・バルヒェット

 イリス達に美しい献花を作ってくれた女性神官(プリエステス)

 元々はアルリオンにある一般的な花屋の娘だったが、子供の頃から憧れていた女性神官(プリエステス)になる道を選んだ。

 両親もそれを咎めることはなく、寧ろ誇らしい気持ちでいっぱいのようだ。

 持ち回りの花屋勤務がない時は、教会の清掃など一般業務をこなす。



◇イヴェット・バルテレミー

 アルリオン大聖堂三階の祭壇を清掃作業をしていた、女性神官(プリエステス)

 レティシアから勧められた『アルルに逢いたい』というイリスの言葉を枢機卿へ伝えた人物で、濃い茶色のローブを纏っているのは清掃業務をするために着ているだけである。基本的に祭事には純白のローブを身に纏う。



◇エグモント・カウフマン

 アルリオン大聖堂の中枢として存在する枢機卿のうちのひとり。

 様々な情報を知り得るも、石碑の中に誰がいるのかの情報は知らず、法王であるテオと同じように今代もそれを知ることなく終生を迎えると思っていた。

 ここにきて急激な変化をみせる石碑に驚愕しつつ、要らぬ動揺を訪れた者に与えないようにと戒厳令を敷き、石碑が置かれている大聖堂四階層の封鎖指示を出した。

 少々頑なな人物でもあり、イリスがテオの名を呼んだことに怒りが湧くも、彼の気持ちを理解できていなかったことに申し訳なさのような感情を抱いたようだ。


 現在は時折イリスから法王宛に送られてくる定期報告を、他の枢機卿と楽しみに待っているようだ。



◇テオ・フォルクヴァルツ

 アルリオン大聖堂の頂点に座する今代の法王。

 優しく接し、人々をまるで家族のように扱う彼を慕う者は数知れず、彼が行うとても穏やかな声色の説教は常に大聖堂に設けられた席が埋まるほどの人々で集まる。

 アルリオンだけではなく、この世界の住人は全て"女神アルウェナ"を唯一神として崇める者で溢れるが、そこに信者という言葉はあまり適していない。

 イリスと出会ったことで石碑に秘められた想いと意味を知り、これまで生きてきた中で一番驚いたようだ。


 現在は孫のように思っているイリスからの手紙を楽しみにしながら、彼女達の無事を毎日祈ってくれている。



◇アルリオ・オルディアレス(アルル・パラディール)

 眷属による被害に嘆き、誰よりも先に前を向いて歩き出そうとした人物。

 魔法を扱えない自分ができることを真剣に悩み、誰よりも世界を憂いて彼女が出した答えは、親友であるアルエナに女神を僭称させるというものだった。

 捉え方によっては大罪と思えるそのことに申し訳なく感じながらも、同時に六十万人もの死者を出した忌まわしき眷属事件で、手を差し伸べることのなかった神に非常に強い憤りを覚えた。


 『人を救わない神など神ではない』と強く言い放ち、人の世界は人が救うべきだという結論を誰よりも先に導き出した人物。

 東の集落リオンに街を建設し、巨大な教会をレティシア達の力を借り造り上げた。

 その後リオンは名をアルリオンと変え、彼女の名もアルリオと改め"女神の恩寵を賜る法王"として新たな人生を歩んでいく。

 女神を僭称させ、彼女の人生を狂わせたと思っているアルルは、自らも神の代理人とも言える存在に偶像化してしまった。名前を男性名であるアルリオに変えたことも、彼女にとっては"アルル"と決別をする強い意志の表れだったのかもしれない。


 彼女はその終生を独りで過ごし、"女神の恩寵を賜る法王"としての人生を全うし、彼女を慕う多くの者達に看取られてその生涯を終えた。



◇アルエナ・バレンティア

 "女神アルウェナ"を僭称する者であり、レティシアやアルルと親しい間柄。

 眷属に崩壊された大地を見ながら、アルルに女神を僭称することを願われる。

 元々彼女は自由冒険者(フリーランス)として活躍をしていたが、彼女を知る者の多くとは、あの事件以降出会っていない。

 それだけの被害でもあったし、あの事件のすぐ後でアルエナは現在のアルリオン北西にある聖域に隠れるように住んでいた。あの事件での傷跡の影響か、聖域へと足を運ぶ者は非常に少なく、とても穏やかで静かな暮らしをすることができたようだ。


 ある日、レティシアに石碑に移入する計画を持ちかけられ、二つ返事で答えたことに親友であるアルリオに激怒される。

 だが彼女はレティシアは勿論、彼女達の仲間の中で一番能力が低いと言われるレベッカ・アリプランディよりも遙かに魔法の力が弱かった。

 性格も戦闘向きではないため、自身にできる最良の方法を考えてのことではあったのだが、イリスが石碑からの声を聞けるほど彼女の力は弱々しいものだった。

 それが彼女の力のせいなのか、それともレティシアが創りあげた石碑との相性が悪かったせいなのかは確かめようのないことではあるが、アルリオンが守り続けてくれていたお蔭でイリスは何事もなく彼女と出逢うこととなった。

 女神を僭称する彼女にイリスは、この世界にアルウェナという女神が存在しないと確信し、絶望するかのように打ちひしがれるが、その咎も全てアルエナは背負うことを心に誓っていたようだ。

 

 責任感が強く、とても優しい彼女は、今も尚石碑の中で"適格者"と呼ばれる存在を待ち続けている。

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