魔法の"お勉強"
図書館の中はまるで別世界のようで、そこにはどこか懐かしいような本のにおいで溢れていた。建物に入るとすぐ左に受付があり、正面には大きめに机と椅子が並んでいて、奥にたくさんの本棚が綺麗に並べられていた。
その数はおばあちゃんの持っている数を遥かに凌ぎ、毎日本を読み続けたとしても、全てを読みつくすには何十年とかかるのではと思えるほどの本で溢れていた。西日が当たらないように窓の大きさと位置も考えられているようで、明るいのに本に優しい構造になっているようだ。
そのとても大きな図書館に入っただけで、まるで圧倒されて動けなくなっているかのような私に、受付にいる女性は声をかけてくれた。
「こんにちは、はじめましての方ですよね?」
私はその声に引き戻されるかのように意識を取り戻し、その女性に答える。
「あ、はい。はじめてです」
「どうぞこちらに」
栗毛で髪の短く、茶色の瞳の女性は、そう笑顔で言ってくれた。
「こほん。それでは改めましてこんにちは。私は、当図書館の司書を勤めさせていただいております、マール・フランジュと申します。よろしくお願いします」
「はじめましてこんにちは。イリスと申します」
お互いにお辞儀をしあうふたり。はじめての方に図書館の説明をさせていただきますね、とマールは語り始める。
「当図書館はフィルベルグ王国の国営図書館となります。この王国が身分を認めた方であればどなたでもご利用できますが、いくつか注意点もございますので、まず初めにお聞き頂けますようお願い致します。
当図書館をご利用の際は冒険者カードなどの身分証が必要となり、ご来館いただいた際は、こちらにある受付で身分証をお預かりさせていただく事になります。預けていただいた後は自由にお好きな本を持ち、こちらから見て正面にある場所でご自由に読書なさって下さい。
またメモなどを取る行為もご自由にしていただいて構いません。机の各所に紙とペンを置いておりますので、ご自由にお使いいただいてかまいませんが、本に記入されたりする行為はご遠慮下さいますようお願い致します。
当図書館にある資料、書籍に関わらず、館外へ持ち出すことは原則禁止とさせていただいており、万が一本を汚損、破損した場合は、場合により大銀貨1枚から小金貨1枚の弁償をさせていただく事も御座いますので、書籍は大切に扱いくださいますようお願い致します。
また館内でのご飲食、ご喫煙はご遠慮させていただいております。所持品に関してはご自身で管理していただき、何かあった場合も当館は責任を負いかねます事をご了承ください。ここまで何かご質問は御座いますか?」
と、手馴れた様子で注意事項を伝えるマールは、規則だから伝えるのが義務なんだけど、本を大切にしてくれるだけで大丈夫だよ、とちょっと小さめの声で言ってくれた。どうやらとても気さくな人のようで安心するイリスだった。
あとはですねー、他の利用者の迷惑にならないようにして貰えれば大丈夫だよ、と言った後すぐに、しまったという顔になり、すぐさま言い直す。
「他のご利用者の迷惑となる行為は慎んで頂けますようお願い致します」
マールはそう言った後にとても小さな声で、ごめんね、後ろにいる先輩怖いんだ。ちゃんと言わないと後がね、と言っていた。かなりの小さな声で聞き取り辛かったのだが、後ろにいる女性が『聞こえてるわよ』と声がしてマールは笑顔のまま青ざめていた。
「さ、さて、以上で説明は終わりますが、なにかご質問は御座いますか?」
そう言ったマールさんはとても声が引きつっていて、よっぽど怖い先輩なんだなと、私は他人事のように思っていた。
「魔法に関する本を読みたいのですが、どちらにあるのでしょうか?」
「魔法書の類は、入り口正面から見て右から2番目にある本棚の奥になります。ご利用との事ですので、身分証ご提示していただいても宜しいでしょうか?」
あ、そうでした、これが必要なんだっけね。そう思いながら私は冒険者カードをマールさんに差し出した。
「はい。身分証をお預かりさせていただきます。お帰りの際にお返し致しますので、またお立ち寄りください」
笑顔は素敵なんだけど、ちょっとまだ口角が引きつってますよ、マールさん。私は、ありがとうございました、探してみますねと伝えて魔法書のあると言う本棚を見に行った。
(右から2番目の奥、・・・と、ここの辺りかな)
魔法書の類は思いのほか多かった。ただ、これは・・・。
「・・・現代魔法概論、魔術哲学、専門魔術における仕組みと応用、熟練魔術理論と実践・・・」
ものすごい難しそうな本ばっかりだ・・・。これは困った。なにか、こう、簡単そうな、そう!初心者向きの本を探そう!
端っこから探していくと下の方に1冊の初心者向けの本が見つかった。
『 おさる でも わかる よいこ の まほう 6さい~ 』
「(・・・見なかったことにしよう)」
これじゃないのがいいな、そうだね、うん、そうしよう、それがいい。
今度は真ん中から上を見ていこう。上に行くにつれてどんどん難しい内容の本になっていくのは気のせいだろうか・・・。
そんな中、上の方に一冊の本を見つけた。本の題名は『基礎魔法学』。ぱっと見た感じでは初心者向きとも思えないんだけど、とりあえず読んでみようかな。
そう思って手を伸ばしその本を取ろうとするも、・・・ぐぬぬ、微妙に届かない、あとちょっとなのに・・・。
本を取ろうと頑張ってる私の横から、その本を本棚から取った人がいた。
「この本かな?」
そう言って笑顔でその本を手渡してくれた男性は、目鼻立ちがはっきりとしている人で、そのさらさらとした金色の髪と青く優しい瞳は、まるで物語に出てくる王子様のような輝きを放っていた。とても美しい人、そうイリアは思わず見惚れてしまいそうになる程のとても素敵な男性だった。
「あ、はい。取っていただいてありがとうございます」
「あっちの奥に踏み台があるから持ってきてあげるね」
「あ、いえ、そんな、悪いですから、自分でします」
そういう私にその男性は、ちょっと重いから持ってきてあげるよと、とても爽やかな笑顔で奥に行ってしまった。呆気に取られてしまうイリスがしばしの静寂に包まれ、やがて男性は踏み台を持って帰ってきた。
「はい。これがあれば自由に本を出し入れできるから、よかったら使ってね」
男性はとても素敵な笑顔を見せている。私は、ありがとうございます、使わせていただきますとお礼を言った。
「っと、そろそろ行かないと。それじゃあ魔法の勉強頑張ってね」
笑顔で語る男性に、はいっ、ありがとうございましたとイリスは答えた。男性は去り、また静寂に包まれる。かっこいい人だったなぁとイリスは思いつつ、取ってもらった本を両手で抱えたまましばらくぼうっとしていたが、本を読んでみようと思いテーブルまで歩いていった。
「(さて、それじゃあ読んでみましょうか)」
椅子に座ったイリスは早速本を開く。
* *
「魔法書ってなんだろうね、うふふふふ」
これが読み続けたイリスの答えである。言葉で引っ掻き回されてて、分厚い本なのに内容はぺらぺらだった気がする。一言でいうならば、回りくどい。いらない言葉を削っていけば、10ページくらいの内容なのではないかと思えるほどに。もしかして暗号なのでは?と思えてしまうほどに。それほど回りくどく読むのが面倒な本だった。
「(でもこれ、初心者向け?だよね?)」
確かに基礎的な魔術の内容ではあったし、一部はわかりやすく書かれていた気はするのだが。いや、そもそも魔法なんてものは前の世界では使われていなかったものだし、わからない事の方が遥かに多かった。この面倒な書き方をしている本を要約してみたメモを見つつ思い返すとこういう事だ。
魔法とは、四大属性と呼ばれる、火・水・風・土の力を操る事ができる技術。人それぞれ合った属性があり、また何も使えない人もいる。
魔法を行使するには、体内に巡るマナと呼ばれる力の源を集め、それを外に具現化し放出するものであり、言の葉と呼ばれる単語から力を想像し、現実的な力に変換させて放つことが出来る。
使い方も様々な方法があり、人によって向き不向きがあるとされるが、基本的な魔法の使い方は、言の葉を自ら選び、どう力に変えるかを想像し発動させるというもの。ただし使おうとする言の葉の"質"によって、効果や消費するマナが変わっていくらしい。言の葉の数が増えたり、強力な言葉を選んだりすると、消費マナも激変するそう。
一冊の半分を読んで得られた情報はこれだけである。あとは理論がどうの、研究実験ではこうの、そんな内容が嬉々として語られているものばかりで、執筆者の性格が伺えるような内容の本だった。
「隠された内容がないとしたら、さすがに纏まりのない本になっちゃうよね」
そう思うも、やはりよくわからない。魔法という未知のものに対して云々よりも"マナ"というものにも初めて触れているわけで、自分の理解力が追いついてない感じが否めないイリスは考え込んでしまう。
(体内を巡るマナ、外に具現化して放出、言の葉、想像し力に変えて発動)
考えれば考えるほど頭から煙が出そうなイリス。
だがふと、気になることができてしまう。本を持ちあった場所に戻し、新しい本を手にする。手にした本はこれだ。
『 おさる でも わかる よいこ の まほう 6さい~ 』
この中に気になることが書いてある。
『 まほう を つかって みよう
きみ の からだ の なか に ある
もやもや してるの を ぐぐぐっ と してごらん
それ が まほう の こども だよ
ぐぐぐっ と した こども を ゆび に ぐーっ と あつめて ごらん
それ が まほう だよ――― 』
『君の中にあるもやもやしたもの』、これはきっとマナのことだ。
『それをぐぐぐっとする』とは、体内にあるマナを集める、と言うことになる。
『それが魔法の子供』それは外に放つ前の魔力の塊のようなものだろうか。
『ぐぐぐっとした子供を指に集めると魔法になる』魔力の塊を体内に集めた後、指に集中して持っていく、という意味だろうか。そしてそれが魔法になる?
おさるの続きを読んでみよう。
『 それじゃあ その まほう を
おとな な まほう に してみよう
ゆび に ぐーっ と
あつめた まほう を いろ に かえて ごらん
それ が きみ の まほう だよ
あと は すき に あそんで みよう
いろんな かたち いろんな おおきさ いろんな おもさ
きみ の すき に あそんで みよう
でも あんまり おおきい まほう は
おかあさん に おこられ ちゃうぞ
き を つけて あそんでね 』
よし!読みきった!意識保てたまま!私がんばった!はぁっと深いため息をしながら最後のページに載っていた文字に私は愕然した。
「・・・作者、さっきの本とおんなじひとだ・・・」
そりゃわかりにくいよね、とか思いつつ読み返してみる
『その魔法を大人にしてみよう』
これは先ほどの状態から大きく変えるという意味なのだろうか。それとも力自体を大きくする事?
『指にぐーっと集めた魔法を色に変えてごらん』
色に変える、これはどういう意味なんだろう。魔法に色っていうと属性の事なのかな。ギルドで魔法適正を見てもらった時のように色で分けられているのかな?となると色を変えるという事は、属性それぞれに変える、と言う意味になるのかなぁ。
『それが君の魔法』
そうか、つまりこれは魔法適正である属性の事だ。人それぞれ違う属性、これが君の魔法。
『後は好きに遊んでみよう』
これは、ここまで行けばある程度自由に魔法が使える、という意味にも聞こえる。
『色んな形、色んな大きさ、色んな重さ』
形も大きさも重さも変えられる?変幻自在に行使できる、と言う意味だとすると・・・。いや、これは飛躍させすぎかもしれない。だって、もしそうだとしたら・・・。
『あまり大きい魔法はお母さんに怒られる。気をつけて遊んでね』
つまりこれは力の制御を誤ると危険、と言う意味に聞こえた。これも飛躍させすぎかもしれないけど、魔法は魔物を倒しうるほどの強力なものだから、あながち飛躍させすぎとも言い切れない気がしてきた。
もし、私が思っている通りの事が"魔法の本質"なのだとすると、魔法とはとんでもないものと言う事になる。大きさも性質も変幻自在、属性ごとに特色はあるものの、言の葉の想像力次第で激変するものとなってしまう。いや、言の葉自体・・・ううん、これはまだ考えないほうがいい気がする。早計過ぎるし、私はまだ魔法を使った事すらないんだから。それにしても・・・。
「これは・・・強すぎる力なんじゃ・・・」
そう誰にも聞こえないほど小さな声で話すイリスの横から声をかけられた。
「どうですか、図書館は。楽しんでいただけてますか?」
笑顔で話しかける女性がそこに立っていた。マールさんだ。はい、とてもいい勉強をさせていただいていて充実してますよと答える私に、マールさんは私が読んでいる本を見て少し間を置いてから話した。
「・・・その本、わかります?」
と、本を見てマールさんは若干苦笑いしてるようだ。
「私、最初はおさる以下かなって思ってたんですけど、『基礎魔法学』と併せて読んで、やっと理解できそうな気がします」
「『基礎魔法学』かぁ、あれも私にはほとんどわからなかったなぁ」
そう言いながら微妙な顔をするマールさんの姿を見て私は、あぁやっぱりわかりにくいんだ、あの人の本、と思うのであった。
「あの本も回りくどいというか、暗号っぽいというか、半分まで読みましたけど正直よくわからなかったです」
苦笑いして私が答えるとマールさんもそうなんですよねぇとため息をついた。
「魔法書の類は大体ああいった言い回しになってるみたいですよ。私が知る限り、読みやすい魔法書は見た事がありませんねぇ」
「そ、そうなんですか?」
若干引きつるイリス。あれを読み続けるとなると大変だ、精神的に・・・。
「ですよ、ほんっとに回りくどいって言うか、理解させようとしていないというか。『基礎魔法学』はまだ読みやすい本ですね。他の本はもっとすごく嬉々として語る筆者に、私は狂気すら感じますねぇ」
「そ、そんなにすごいんだ・・・。」
「えぇ、丸一日ああいう本を読んだら、たぶん疲れてご飯食べられなくなると思いますよ」
うわぁ、とイリスは引いてしまう。基礎魔法学以上に回りくどいとなると今の私ではとても読めない。
「でも"おさる"を解読できたのは、とってもすごいと思いますよ。私には暗号にしか思えなかったですし。」
暗号と聞いてふと思ったイリスがマールに聞き返す。
「もしかして、魔法書にはなにかすごい"秘密"が隠されているんでしょうか?」
そう言うとマールは、ただ偏屈な人が多いだけじゃないですかねと、くすくす笑っていた。
「あとは属性の練習法を探したいところだけど」
と、独り言のように呟くイリスに、それなら『魔術による傾向と対策』の中に書かれていた気がしますね、とマールが教えてくれた。
「わぁ、ありがとうございますっ、さっそく調べてみます」
「ふふっ、楽しんでもらえて何よりですよ。それじゃあお勉強頑張ってくださいね」
マールにお礼をいい立ち去る姿を眺めた後、私は目的の本を探しに行く。・・・おさるはもういいよね、しまっておこう。あった場所におさるを戻し、『魔術による傾向と対策』を探す。
(あった、これだねって、重たっ)
持てはしたけど腕がぷるぷるするくらい重かった。いったい何が詰まっているのやら不安になるイリスは、その重い本を頑張ってテーブルに持って行き読んでみる。しばらくするとイリスは呟くようにして声を出した。
「(・・・うん。なるほど・・・わかんない・・・)」
それはもう呪文のようなわかり辛さで、もしかして私、文字を読めないんじゃないだろうかって思ってしまうほど、その本には謎の言葉がつらつらと書かれていた。そして読む事をあきらめたイリスは『属性』という言葉を捜すことにした。こんな難解な本を最初から理解しながら読み続けたら、読み終えるまでに何日かかるかわからないからだ。
しばらくページをぺらぺら捲っていくと、目的の言葉が見えてきた。
「(あった。この辺りだね。前のページには・・また呪文・・・)」
となるとこの先だね、と読み進める事にするが、やはり意味がわからない。気になったイリスは後ろに書かれている作者の名前を見るも、どうやら『基礎魔法おさる学』とは別の方のようだった。
この世界の人ってこんな本で魔法を勉強してるんだろうかと、若干不安になってきたイリスは黙々と本を読み続け、やっと目的を成し遂げようとしていた。あまりの達成感にその目には涙がたまり零れそうだった。
要約するとこうだ。
風魔法の修練に必要なのは、まず『風』を感じる場所で意識を集中し、体内にあるマナを風の属性に変えていく事が必要らしい。これをまず最初にしないと、上手に風属性を鍛える事は難しいとされている。
風を魔力に籠める事ができれば、後はある程度広い場所があればどこででも修練ができるようです。その修練法とは、風属性を籠めた魔力を一定量身体に覆い続ける事、みたいだね。具体的には魔力で風を身体のまわりに起こすことかな。
その際、量は微妙でもいいらしく、魔力の続く限り続けると効果的らしい。更に効果的にするには一定量身体に覆い続ける風の魔力を上げて使い続けるといいらしいけど、魔力の総量が少ないとすぐに魔力が枯渇するので、相当鍛えて魔力の総量を上げてからじゃないとあまり効果がないらしい。
使い続ける事で、マナの総量の上昇や攻撃、防御、補助魔法に関わらず、魔法自体の威力上昇に繋がっていくようですね。
ただし使い続けると、魔力減衰により身体に悪影響が出るみたいですね。初期段階として軽い眩暈、続いて重い眩暈、それでも更に使い続けると意識を失うらしいです。要するにマナを使いすぎると眩暈を起こし、マナがなくなるほど使うと意識を保てなくなる、という事だね。
この本には『肉体が強制的に睡眠状態に陥る』と書いてあったので、命に別状はないのでしょうけど、そもそも魔法を戦闘に使うならば、これは命に関わってくる事なので、必ず自分のマナがどの程度なのかを知る必要があるみたいですね。
大体こんな感じでいいかなぁ。あとは修練に必要な場所だけど、思いついたのは草原だなぁ。あそこには角兎がいるらしいから、修練に集中してると後ろからぷっすりされちゃうね。自分で思ってて血が引いてしまった・・・。こわいこわい。
「とりあえず本を戻してお仕事に戻ろう」
そういってイリスは立ち上がり、重たい本を持って腕をまたぷるぷるさせながらあった場所に本を戻す。得られた情報は大きいけど、すっごい疲れた気がした。お仕事に戻れば気分転換ができて治りそうだし、それまでがんばろう。
そう思いながら受付にいるマールのもとまで歩いていくイリス。お勉強は捗りましたか?と笑顔でマールに聞かれ、知らない事をいっぱい知る事がましたと答える。ギルドカードを返してもらい、マールはお仕事スマイルでイリスに話す。
「またのご利用お待ちしております」
時間が空いたらまた来させていただきますね、とイリスはいい、ぜひぜひ、と小さな声でマールが返してくれた。
図書館を出てイリスは結構時間経っちゃったと思うけど、まだお昼の鐘は鳴ってないよね。このままおうちに帰ろうかと思った時にふと、この先にあるという教会が気になった。あの綺麗な鐘の音を鳴らしている場所に興味を持ち、行ってみようと思い歩き出す。
きっと素敵な場所なんだろうなぁと思いつつ、図書館から出た道を広場とは反対の方へ進んでいった。




