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この青く美しい空の下で  作者: しんた
第二章 想いを新たに、世界へ
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想いを"新たに"世界へ


 エリー様に頂いた知識によると、あれはフィルベルグ王国と呼ばれている場所らしい。


 "エリルディール"は一つの大きな大陸になっていて、大きな大陸の周りには小さな島が点々としてるらしいけど、そこはあまり人の住める環境じゃなく、誰も住んでいないそうです。


 この世界には大きく分けて4つの国があります。


 まずはここ、フィルベルグ王国。

 "エリルディール"の大陸南に位置しており、緑と水の豊かな大地の国で人口約2万人の王都だそうです。私の住んでいた街は3千人くらいだったからとても大きいのがよくわかります。

 自然豊かな地帯のため、薬草採取、鉱石採取、木材採取など、様々な素材を手に入れることができるそうなので、何かを作るにはとても適している国みたいです。


 そしてこの国はとても特殊な国となっております。王族が結婚する際は王族の血がどちらかに流れてさえいれば、基本的に本人同士の愛があれば結婚できるというとても不思議な国でもあります。

 更に国王または王配、女王または王妃であっても、実質この国の頂点となるのは両方となります。これはあくまで平等の権力を握るという意味であるそうなのですが……。


 フィルベルグ王国から北に進むともう一つの大きな国、エークリオがあります。大陸中央に位置していて交易に便利なため、多くの商人が拠点にしている街だそうです。

 君主制ではなく民主制というもので成り立っている国だそうで、決め事は住民から選ばれた十数人の人たちが話し合いで決め、その後エークリオに住む人たちに投票させて最終的に決めるらしく、こういったことが行われているのは世界でもここだけだそうです。世界の中央にあるということもあり、様々な種族が暮らしているらしいです。


 エークリオから西方に行くとリシルア国があります。ここは獣人さんと呼ばれる方がたくさん住んでいるそうです。ここの国王様は4年に一度行われるという武術大会の優勝者がなれるという不思議な国ですね。獣人さんじゃなくても大会は参加できるらしいですが、普通の人種(ひとしゅ)はまず勝てないみたいです。


 そして、エークリオから東方に向かうとそこは聖王国アルリオン。この国は大昔、女神アルウェナ様が建国されたとされる国で、とても大きくて立派な聖堂が国の中心にあるそうです。街並みも聖堂も白を基調した建物らしくてとても美しい国だそうです。女神アルウェナ様かぁ。お会いしてみたいなぁ。


 その他、大きな街の間にいくつかの町とそれなりの村や集落があるそうです。基本的には魔物がいて危ないため、大きい街に護られるように人々が暮らしている、ここはそんな世界みたいですね。



 そんなこんなで、てくてく歩いていると城門が近づいてきた。大きな城門だなぁ。魔物を寄せ付けないようにするためのものだから大きくしてあるんだね。門の傍まで来ると兵士さんが立っていて、何か聞かれるかと思ったけど特にそんなこともなかった。


 『人と動物の天敵は魔物だけだから、よっぽどの事がなければ街には入れるわ。"エリルディール"の冒険者には、イリスさんよりも幼い子がお仕事する事もあるみたいだから、特に問題視はされないはずですよ』


 エリー様が仰る通りになったみたいで良かったです。さて、まずは冒険者ギルドに行って冒険者カード(身分証)を作りましょうか。お仕事も見つけないといけないし、まずはギルド直行だね。


 城門を潜るとそこは大きな町が広がっていて、街の人々はとても賑やかで活気に溢れていた。中央部の街から真っ直ぐ視線を進めていくと小高い山があり、その上に白亜の城がそびえ建っている。


 (わぁ、お城見たのはじめてだ。話には聞いたことがあるけど、実物を見られるなんて感動だなぁ)


 街の入り口から少し進むと、色んなお店がありました。道具屋さんに宿屋さん、武器屋さんに、あれは・・・魔法道具(マジックアイテム)屋さん?なんだろう、このお店。今度来て見ようかな。


 大きな道をそのまま真っ直ぐ行くと、噴水がある広場に出ました。噴水を中央に構え、5人座れそうな大きなベンチがいくつも置かれていて、とても素敵な場所になっている。ここでお昼食べたらおいしそうだね、冒険者登録したらここでご飯にしよう。


 この広場をお城の方へ進むと、ちょっと立派な宿屋さんとか食べ物屋さんがあった。ふむ、街の入り口に冒険に必要そうなお店が揃ってる感じなのかな?この辺りはご飯屋さんが多めにあるみたい。あれ?冒険者ギルドってどこだろう。このまま真っ直ぐ進むとお城に続く道になってるみたい。


 噴水広場まで戻ってきた。なんかそれっぽい建物は、と、きょろきょろしてると後ろから声をかけられた。


 「こんにちは」


 振り向くとそこには白くて可愛らしい長い耳を頭に乗せた女性が立っていた。10台後半くらいだろうか。ラスレの、は私の世界の言い方だったね。えっと、"うさぎ"の獣人のお姉さんだ。兎人種(うさぎひとしゅ)という種族だそうです。セミロングの白い髪に白い肌。赤い瞳のきれいな人だった。


 「こんにちは、何か御用でしょうか?」


 と笑顔で答えると、むしろ困ってるかなって思ったんだけど、と言われた。おのぼりさんに思われたみたい。まぁ、ほとんどあってるんだけどね。


 「そうなんです、実は冒険者ギルドを探してたのですが、どこかご存知でしょうか?」


 あははと笑いながらお姉さんは、礼儀正しい子だねと言っていた。私には割りと普通に思えるんですけどそうなのかな?


 「ギルドならあっちにあるよ。城門から入ってきて、噴水広場のところを右に曲がって右側に見えるよ」


 「ご親切にありがとうございます」


 「あはは、いい笑顔だね。」


 「あ、ありがとうございます」

 なんだかくすぐったいけれどうれしいな。


 「それでは行ってみますね、ありがとうございました」


 「いえいえ。気をつけて行ってね」


 「はいっ」



 そういってお姉さんと別れると言われた道を進む。親切でとっても綺麗なお姉さんだったなぁとか思ってたら、進んですぐ右に盾を背景に剣と杖が交差した看板がかかっていた。ここが冒険者ギルドらしい。目と鼻の先すぎて恥ずかしくなった。


 そして私は、どきどきする胸を押さえ、冒険者ギルドの扉に進んでいった。



ここから250話まで2017年6/7より本文の修正を施してはおりません。

拙い文章ではありますが、宜しければご覧ください。

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