戦闘
お久しぶりです。出すのが遅くなって申し訳ありません。では、どうぞ。
草原を歩く。金髪の美少女が俺の隣を歩く。え、なにこれ。夢か?世の男が望む最高のシュチュエーションじゃないか!まぁ確かにいまの俺はイケメン…というよりかわいい、か。それにしてもカレンは美人過ぎだな。
そんな具合に考えごとをしているとカレンが声を上げた。
「グレン様、あれを。」
カレンの指差した方向を見ると、
「あれはゴブリンじゃねーか?」
「そのようです。」
ゴブリンとはファイナルクエストにおいて、最初に登場するモンスターだ。初心者のレベルアップにはうってつけの敵だ。
緑色の身体で人間の半分程度の大きさ。懐かしいなぁ〜。始めたばかりの頃は必死こいて倒していたっけ。おっと、こっちに気づいたみたいだ。笑みを浮かべてこちらに近づいてくる。
「いかがいたしましょうか?私が消しましょうか?」
さらりと怖いこというな…
「いや、ゲームと同じように戦闘できるか確かめたいから俺がやる。」
「かしこまりました。」
鞘から剣を引き抜いた。剣の名は「竜神」
最強のドラゴンの力が宿っているといわれる神器だ。これをてにいれるためにどれだけ金をつぎ込んだことか…
それはともかく、ゲームでは目の前にコマンドが出てきてボタンを押すだけだったんだが…
ここではどうやればいいんだ?
「カレン。コマンドが出ないんだが、どうすればいい?」
「推測に過ぎませんが、頭の中で使いたい技をイメージしてみてはいかがでしょうか?」
なるほど。それは確かにあり得るな。よし、とりあえずは剣の技を使うか。
ゴブリンがこちら目掛けて走ってきた。頭の中でイメージする…
「オイ、ニンゲンガイルゾ」
「コロセ、コロセ」
ゴブリンが汚い言葉を発する。俺は頭の中でイメージしながら技を発動した。
『爆裂斬』
凄まじい爆発がゴブリンを襲う。少し強すぎたかな?
爆発がやむと、そこにはなにも残っていなかった。死体すらも。最高レベルの俺たちなら技を使わずとも勝てたが、イメージ通り技を出せたのでそれでよしとしよう。他の感覚はゲームと変わらなかったので大丈夫そうだ。
あ、そういえば技や魔法を発動するのに必要なMPはどうすればわかるんだろう。うーん、感覚かな?
「お見事です、グレン様。私も早くグレン様のお役に立ちたいものです。」
カレンが目をキラキラさせてこちらを見つめてくる。これはもう武器だな…
「ありがとう。まぁ、相手はゴブリンだしな。ゲームと同じように戦えるとわかればこっちのもんだ。」
「とはいえ、この世界で俺たちはどれくらいの強さなんだろ。ゲームでは俺もカレンも最高レベルだったが…」
「グレン様に勝てるものなど、存在するはずがありません。まさしく最強のお方です!」
「そ、そうか?だといいが…」
カレンが詰め寄ってくる。嬉しいけど、理性が保てなくなりそうだ。気をつけないと。
カレンも相当な強さなんだがな。なんたってプレイヤー相手にしても勝っちゃうし。俺の出番なかったときもあったような…
普通はAIがプレイヤーに勝つこと自体ないんだけど。
「ん?またゴブリンがきたようです。どうしますか?」
さっきよりも大きめのゴブリンたちだ。よく出てくるなー。
「じゃあカレン。頼める?」
「もちろんです。お任せを。」
深く一礼すると、彼女は剣を抜いた。相変わらず綺麗な構えだな〜。
俺が考えてるうちに技が発動した。
『雷鳴剣』
雷をまとった剣を手に、カレンはゴブリンに技を叩き込んだ。凄まじい威力にこっちまでビリビリするよ…
ゴブリンは雷にうたれて焼け死んでいた。ああ、かわいそうに。現実でこの光景を見たら騒いでいると思うけど、ゲームに入った途端に血や、死体を見ても平気な気分になる。
性格が変わった、とか?
「さすがだな。」
「お褒めにあずかり光栄です。」
俺はカレンの髪を撫でた。俺の方が身長低いから見上げるかたちだけどね。
一方、撫でられたカレンは、とろんとした顔で頰を赤くしていた。
いつもはクールなんだけど、こういうことするとすぐに子供みたいになるんだよね。かわいい…
撫でるのをやめると、一瞬寂しそうな顔をする。そんな顔されるとこっちがやばいよ。
「さてと、これからどうしようか。」
周りは見渡す限りの草原。なにも見えない。
「周辺にはなにもありませんね。人に会えればいいのですが…」
その人に街まで案内してもらうのもいいな。それでいこう。
「とりあえずは街を目指そう。その途中で人に会えればその人に聞くのもいいし。」
「かしこまりました。」
しかし、目印がないからどの方角に行けばいいのやら。お先真っ暗だ。
俺は重たい足を動かして歩き出した。
次はできるだけ早く出せるようにします。評価などをつけてくれると嬉しいです!
次回からは話をもう少し長く書こうと思っています。