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レッドライン 一異世界の戦い一  作者: ごっちら
第1章 最強の騎士
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金髪の美少女

1一1 金髪の美少女



 ソファーに倒れこみながら、俺はゲームの情報を確認した。いま見ているのは自分のアバターとアシストキャラについてだ。

 

 アシストキャラとは冒険や戦闘において、一人だけ連れて行くことのできるAIだ。共に戦い、経験値を得ることでレベルを上げることができる。

 ちなみにこのキャラは課金ガチャでしか手に入らない。


 「やっぱりかわいいなぁ〜。現実にいたらもう最高なのに!」


 課金ガチャは一回しか引けないので、まさに運命の分かれ道というやつだ。俺はそこで超絶当たりを引き当てたのだが。


 「すぐにでもログインしたいけど、流石に勉強しないとやばいよな…。」


 実をいうと明日から学校で期末テストがあるのだ。前日にゲームをしている場合ではない。


 「さて、勉強しますか!…ん?」


 机のある部屋へ行こうと立ち上がると、身体が痺れ、次第に右手が動かなくなった。


 「なんだ!うお!?」


 考える暇もなく全身が動かなくなる。そして目の前に眩しい光が差し込んできた。その光が身体を包み込む。


 「うおあああああああああ!!」


 そして俺はそのまま気を失った。


 どのくらい時間が経ったのだろう…

 目を覚ますとそこはまったく見覚えのない草原だった。


 「どこだ、ここは。周りに建物はなんもねぇし、俺の部屋じゃなくなってる…。」


 上を見上げれば青い空が広がり、爽やかな風が髪をゆらした。銀髪の髪が風に流されて…え?


 「なんで俺の髪が銀髪に!?うわぁ!」


 気付けば俺は赤い鎧を着ていた。その鎧は間違いなく、ゲームで使用していたものだ。ということは、ここはゲームの中なのか。

 いや、でもログインしてないし。


 一ひょっとして本当に一


 「どうされましたか?」


 現状を理解しようと考えこんでいると、女性の声が聞こえてきた。驚きながらも声のする方へ身体を向けると、そこには金髪の美少女がいた。開いた口が塞がらないとはまさにこのことだ。数秒の間、身体が止まってしまった。


 「大丈夫ですか?グレン様」


 金髪の美少女が心配そうに見つめてきた。


 彼女は間違いなく俺が、いやグレンが使用していたアシストキャラだ。長い金髪に整った顔、白銀の鎧を着た、まさしく美少女というにふさわしい。その美貌に見惚れそうになるが、いまはそれどころではない。

 ゲーム中では共に戦闘などもしていたので、その美しさにある程度慣れている。

 俺が驚いているのはそこではない。AIが喋ったことだ。通常ゲーム中でのAIとの会話は、コマンドの下に会話文が出てくるだけであり、実際には喋ったりはしない。ゲームとはやはり違う。


 一まさか本当に異世界来ちゃったのか一


「あぁ、大丈夫だ、カレン。」


 とりあえず返事しとくか。


 彼女のキャラネームはカレン。課金ガチャで手に入る超激レアキャラだ。人気は非常に高く、俺も手に入れたときは発狂してしまった。

 レベルは百で、得意な攻撃は電撃系だ。俺と同じで剣による攻撃も魔法による攻撃もできる。


 ちなみに職場関係なく技を使えるのはクエストをクリアしたからだ。俺しか見つけた人いないらしいけど…


 あ、そもそもこの世界で魔法とか使えるのか?重要なことをすっかり忘れてた。


 「それは安心いたしました。気付けば草原にいて、隣でグレン様が眠られていたので驚きました。」


 「えっ、カレンもそうなのか?」


 「はい。」


 うーん。どうなっているんだ?

 まず、ログインしていないのにこの世界に来たこと、コマンドがでない、AIが喋っている、見たこともない光景、俺の外見がゲームのアバターになっていることから、ここは異世界ではないかと推測する。もうこの時点でかなりぶっ飛んだ考えだなぁ。自分で言ってて信じられねぇ。


 まぁ、いまはとりあえず…


 「カレンはこれからどうするんだ?」


 ここで別行動するとか、あなたとはいたくない、なんて言われたら、俺泣いちゃうよ?


 「私はグレン様によって造られました。その時から私はグレン様に忠誠を誓っております。ですので、グレン様がお許しになる限り、共に行動したいと思っております。」


 「そ、そうか。」


 すげー忠誠心だな。心配して損したよ。てか、俺が造ったというより、ただガチャで出しただけなんだが…

 まぁ、とりあえずは安心だ。それにこんな美少女といれるとか、現実より百倍いいじゃねーか!


 「ご不快でしょうか?それでしたら、すぐにでもこの場から離れますが?」


 カレンが目を潤ませながら、上目遣いしてくる。え、なにこれ。やばいよ。効果バツグン!


 「そ、そんなことないぞ。どこまでもついてこい!」


 「はい。喜んで。」


 少しくさいセリフだったかな。まぁ、カレンも喜んでいるしいいか。


 ふと、近くにあった水たまりに自分の顔が映った。銀髪の、少し幼い顔だ。これも自分で設定したんだけどね。イケメンというよりはかわいいだな。

 いやいや、そんなことより…


 「なぁ、カレン。ここはゲームの中か?それとも異世界だけどゲームと同じフィールドとか?」


 俺は一番知りたかったことをカレンに聞いた。

すると、


 「いえ、どちらでもないかと思います。前者は特にないかと。後者の可能性もないわけではありませんが…。私の知る限りではこのような草原も見覚えがないので、可能性は低いと思われます。」


 そうだよなぁ。俺もこんな場所「ファイナルクエスト」で見たことないし。やっぱり異世界なのか?


 「だよな。ところで、この世界でもゲームと同様に技や魔法が使えるのか?」


 「それはやってみなくてはわかりませんが…。おそらく使えるかと。」


 「そうか。よし!なら試してみようか!」


 そう言いながら俺は立ち上がった。





 読んでくれた方、ありがとうこざいました。

続きも書いていきますのでよろしくお願いします。感想もくれると嬉しいです。

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