日本を救う会(政党日本を救う会、佐藤内閣・がん特効薬)
本田幹事長は、それに答えて
「具体的な方策が必要だ。我々の政策で応用できるのは、国民のための情報開示・利益追求官だ。」
「国民のための医療情報開示・医療利益追求官を設定しよう。」
佐藤総理大臣、それに応じて、
「それと同時に、具体的な手立てを、我々としても考えないと、いけないでしょう。」
本田幹事長は、慎重な言い回しながら、
「いくつかの手立てが、考えられます。例えば、今、問題になっているのは、カンチェルと言う癌の特効薬です。」
「この薬は、効果もあるようですが、一人の患者に年間3500万円かかります。」
諸田財務大臣は、驚いたような顔で、
「がん患者はたくさんいる。一人3500万も掛かったら、全部でいくらかかるんだ。」
本田幹事長は頷きながら、
「日本は、ご存知のように高額療養費制度と言うのがありまして、3500万円掛かっても、自己負担は低く抑えられています。」
「ですから、患者本人にとっては、良いんですが、70歳以上だと月に4万円も自己負担すればいいんです。」
「残りは、全額、国が負担するわけです。この特効薬は、がん患者全員に効くわけじゃなくて、10万人ぐらいが使うだろうと予想されています。」
「それだと、年間3兆5千億円がこの薬代だけのために、使われます。」
諸田財務大臣は、うーんという顔で、
「そんなことしたら、国民皆健康保険制度が崩壊するぞ。」
本田幹事長は、深刻な顔で、
「一例を挙げると、76歳のがん患者の方が、がんが進行して、このままでは、死ぬしかないと、ところが、この薬を使ったところ、がんが縮小し、大喜びです。」
「もちろん、本人の家族も大喜びです。」
諸田財務大臣は、うれしそうな顔で、
「それは良いことだ。さすが、日本の医療制度だ。」
本田幹事長は、渋い顔で、
「そうは、簡単じゃない。これは、本来、国民の税金だ。それを、特定の人間が独り占めして使っていいのか?」
「いわば、家族の中で、おじいちゃんが癌だから、金をお爺ちゃんのために使うから、勉強のできる孫に大学へ行くな。それが、正しいのか?」
本田幹事長は、涙目になって悲痛な顔をした。
諸田財務大臣は、思い出したように、
「そういえば、昔、私の知り合いで、癌になった人が、家族が、家を売って、先進医療を受けさせようとしたんだ。」




