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孤高の月は水面に揺れる
ふらりと雫が舞い降りて
無口な池は目を覚ます
銀鱗はその尾を翻し
水草がゆるりと踊り出す
水面に輝く太陽は
いつとはなしに昏い月
闇に光に優美にたゆたう
それは雨か、それとも涙か
どうでもいいやと
また眠る
刹那を悟った火の鏡
永遠を夢みた氷の鏡
無口な池は何も語らず
ただ微睡んでいるふりをする
静かな月は、すくえない
絡めた指からすり抜けて
またゆるやかに舞い始めるのだ
イトシイヒトへ(お題bot)【@ZelP_t】様より
『孤高の月は水面に揺れる』