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「お前は、俺たちよりやわらかいよな」
まあ、幼いからか・・と小さくつぶやくと、
おもむろにぼくを持ち上げた。
「今日は寒いから、ここにいよう。」
声の主は、ぼくを中心に丸まった
あたたかい。
遠くのほうから光の見える場所
ここを何と形容するかはしらないけど、風も凌げて雨も凌げて
少し声は響いてしまうけど、少しじめじめするけど。
とてもお気に入りの場所で。
いつもは木の下だから、少しさむいんだ。
でも、今日はあたたかい。
「どうして、今日は寒いの」
ぼくがそう尋ねると、声の主は少し面倒そうにもぞもぞ動いた。
「今日は、雨なんだ」
「あめ…」
「見たことないのか?」
「うん」
そうか、と呟くと、ぼくの頭の上にあごをのせる
「今までみたことなかったのか
…そうか、お前がここに来てから初めての雨か。
雨っていうのはな、空に召された俺らのカミサマが
地上の俺らに何かを伝える術をもたないから、涙を流すことで、メッセージを送ってるんだ。」
「カミサマ…」
カミサマ、ってなんだろう
そもそもそれはほんとうだろうか
「ほら、いいから今日は寝ろ」
まだ、聞きたいことはたくさんあるが仕方ない
こうなるととことん無視をして寝ようとするから。
「おやすみ。」
「ああ、おやすみ。」
カミサマの涙が響いてるなか
ゆっくりと目をとじた。