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エレジア大陸記 — 竜殺しの英雄 —  作者: 神凪 浩
第一章 英雄の死
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第五話 王都への道

 捜査本部の空気は、真実の発見によって一変した。それまでの停滞した絶望感は消え去り、代わりに熱を帯びた緊張感が部屋を満たしていた。

 壁の相関図の中心には、もはやガレス・ストーンハートの名はない。

 カイルの手によって、大きく『竜』と書き記され、そこから『リアム・ブレイド』へと太い線が引かれていた。

「我々の次の目的は、リアム・ブレイドの確保。そして、彼から『計画』の全てを聞き出すことだ」

 カイルは、ほとんど眠っていないにもかかわらず、その声には揺るぎない力がこもっていた。

「彼が最後に目撃されたのは西の港町。だが、それは数週間前の情報だ。ガレス様からの最後のメッセージを受け取るため、彼は必ずこのストーンハート領の周辺、あるいは領内に潜伏している可能性が高い」

「でも、どうやって探すんですか?」

 リィナは、希望と同時に途方もない困難さを感じていた。

「リアム様は伝説の英雄です。身を隠す術にも長けているはず。私たちだけで見つけ出すなんて…」

「だから、王都へ行く」カイルは即答した。

「リアムほどの男が本格的に姿を消すなら、まず冒険者ギルドとの繋がりを断つはずだ。だが、完全に断てば逆に不自然だ。王都のギルド本部には、彼に関する何らかの記録や噂が残っているに違いない。それに、彼が『計画』のために動いていたのなら、王都の裏社会や、特殊な知識を持つ者と接触していた可能性もある。情報が最も集まる場所、それが王都だ」


 カイルはその計画を携え、執政官の元を訪れた。

 執政官アルベリヒは、カイルから、『竜』という言葉がダイイングメッセージに含まれていたこと、そして事件の背後に巨大な陰謀が存在する可能性を聞かされ、顔から血の気を失った。

「竜、だと…? 馬鹿な、竜は英雄様たちによって討伐されたはず…。ヴァーミリオン捜査官、それはあまりに危険すぎる推測だ。もしその言葉が外部に漏れれば、領地は大混乱に陥るぞ」

 執政官は動揺を隠せない様子だった。

「だからこそ、非公式に捜査を進める必要があります」

 カイルは、執政官の目をまっすぐに見つめて言った。

「執政官、あなたもガレス様の日記を読んだはずです。この事件は、単なるガレス様個人への恨みによるものではない。彼は、何かを知りすぎたために消されたのです。このままでは、我々も、そしてこの領地も、同じ運命を辿るやもしれません」

 その言葉は、執政官の心を深く抉った。

 彼は長い沈黙の後、重々しく頷いた。

「…分かった。君の言う通りかもしれん。王都への出張を許可しよう。だが、これは極秘任務だ。表向きは、事件に関する追加調査と王家への報告のため、という名目にする。もし何かあっても、私は君たちを助けることはできない。それでも行くかね?」

「承知の上です」カイルは、迷いなく答えた。


 捜査本部に戻ると、ゲルハルト隊長がカイルの前に立ちはだかった。

「貴様、本気で王都へ行くつもりか。リアム卿を追うなどと、狂気の沙汰だ!英雄の名をこれ以上汚すつもりか!」

「これは捜査だ。狂気もまた、真実に至るための一つの道筋かもしれない」

「ふざけるな!俺は認めんぞ!英雄への不敬だ!」

「では、君はここに残って、領地の秩序を守っているがいい。俺は俺のやり方で、ガレス様の死の真相を突き止める。俺が追うのは、ガレス様が命を懸けて守ろうとした真実だ。あなたの見ている過去の幻影ではない」

 カイルは冷たく言い放ち、ゲルハルトの横を通り過ぎた。

 二人の間の溝は、もはや決定的だった。


 ◇


 旅の準備は、迅速に進められた。


 リィナは久しぶりに実家に戻り、両親に数週間の「王都への出張」を告げた。

 母は何も聞かず、ただ心配そうに娘の顔を見つめ、いつもより多くの保存食と、手編みの分厚いマフラー、そして傷薬の軟膏をリィナの鞄に詰め込んだ。

 父のダリウスは、納屋の奥から、自身が若い頃に使っていたという、手入れの行き届いた護身用の短剣を無言で娘に手渡した。

 そのずっしりとした重みが、父の言葉にならない愛情を伝えていた。


 一方、カイルは宿舎の自室で、黙々と旅支度を整えていた。

 着替え、保存食、研ぎ澄まされた剣、そして数種類の投げナイフ。

 彼の準備に、感傷的なものは何一つなかった。

 彼には見送る家族も、帰りを待つ家もない。

 ただ、背負うべき過去と、解き明かすべき真実だけが、彼の荷物だった。


 二人が二頭の馬を連れてストーンハート領の門を出た時、空は相変わらずの曇天だった。

 二人はしばらく無言で馬を進めた。

 最初は見慣れた畑や牧草地が広がっていたが、領地を離れるにつれて、道は次第に荒れ、周囲の景色もその色を失っていった。


 旅を始めて最初の夜。二人は森の中で、ささやかな焚き火を囲んでいた。

「よし、これで今夜の寝床は完成だ」

 カイルが宣言した場所は、雨風をかろうじて凌げる岩陰で、地面は固く、お世辞にも快適とは言えなかった。

 彼は最も効率的に体力を温存できる場所を選んだに過ぎない。

「ええっ? これじゃあ、体が痛くて眠れませんよ」

 リィナはそう言うと、持っていた麻袋から、集めてきた大量の乾いた苔を地面に敷き始めた。

「リィナ、何をしている。無駄な労力だ」

「無駄じゃありません!良い睡眠は、明日のための最高の準備です!カイルさんだって、いつも言ってるじゃないですか、効率が大事だって」

 ふかふかになった即席のベッドに、リィナは満足そうに腰を下ろした。

 そして、火にかけた小鍋で、干し肉と野草のスープを煮込み始める。

 香ばしい匂いが、冷たい夜の空気に広がった。

 リィナは、温かいスープを木の器によそってカイルに手渡した。

 カイルは無言でそれを受け取り、一口すする。

 その温かさが、疲れた体にじんわりと染み渡っていく。

「……悪くない」

 その小さな呟きを聞き、リィナは嬉しそうに微笑んだ。

 焚き火の光が、二人の顔を優しく照らしていた。


 旅の二日目、彼らは最初の宿場町に着いた。

 しかし、その町はかつての活気を失い、重苦しい空気に包まれていた。

 家々の扉には、悪疫除けの気休めのような薬草が吊るされ、道行く人々は互いに距離を取り、疑心暗鬼の眼差しを交わしている。

「最近、どうもおかしいんだ」二人が泊まった宿の主人は、声を潜めて語った。

「西の街道筋で『灰涜病(かいとくびょう)』ってのが流行ってるせいで、旅の商人もめっきり減っちまってな。何より、土地が参っちまってる。作物はろくに育たず、井戸の水もなんだか苦い味がする。英雄様が亡くなられてから、何だか世界のタガが外れちまったみたいだよ」

 リィナは、故郷の畑の異変を思い出し、胸を痛めた。

 これは、ストーンハート領だけの問題ではない。

 世界全体が、静かに、しかし確実に蝕まれているのだ。


 さらに二日進んだ道中、彼らは丘の上から、打ち捨てられた村を目にした。

 家々の屋根は崩れ落ち、畑は雑草に覆われている。

 人の気配は全くない。

「『消えた村』でしょうか…」リィナが呟く。

 カイルは馬を降り、村の跡へと足を踏み入れた。

 家の中には、食事が用意されたままのテーブルや、子供が遊んでいたであろう木馬が残されている。

 まるで、住民たちが一瞬にして蒸発してしまったかのようだった。

「争った形跡はない…」カイルは冷静に分析する。

「だが、不自然だ。あまりに生活の痕跡が生々しすぎる。まるで、つい昨日まで人が暮らしていたかのようだ」

 彼は、ある民家の壁に、奇妙な引っ掻き傷のようなものが残されているのを見つけた。

 それは、苦悶の中で何かを訴えようとした人間の爪の跡のようにも見えた。

 その形が、ガレスの執務室にあったルーン文字の歪みに、どこか似ている気がした。


 その夜、彼らは森の中で野営の準備をしていた。

 昼間の廃村の光景が、重く二人の心にのしかかっていた。

 焚き火の炎が、二人の疲れた顔を照らす。

 その静寂を破ったのは、闇を切り裂く数本の矢だった。

「伏せろ!」

 カイルはリィナを突き飛ばし、自らも地面に転がった。

 矢は、先ほどまで彼らがいた場所の地面に突き刺さる。

 矢羽を見て、カイルは息を呑んだ。それは、王都の正規軍が使用するものと同じ様式だった。

 次の瞬間、周囲の茂みから、黒いローブをまとった男たちが一斉に飛び出してきた。

 その動きは、洗練され、無駄がない。

 彼らは、明確な殺意をもって二人を包囲していた。

「リィナ、馬へ!」

 カイルは叫びながら剣を抜いた。

 黒装束の男たちは、言葉を発さず、ただ機械のように襲いかかってくる。

 カイルは士官学校で磨いた剣技で応戦するが、相手は多勢な上に、連携が取れている。

 一人を倒しても、すぐに別の二人が死角から襲いかかる。

(これは、ただの暗殺者じゃない。訓練された特殊部隊だ…!)

 じりじりと追い詰められ、カイルの腕に、肩に、浅い切り傷が増えていく。

 その時、馬の方から閃光が迸った。

 リィナが、護身用に持っていたドワーフ製の古い魔法具を起動させたのだ。

 それは、強い光と音で相手を威嚇するためのもので、殺傷能力はない。

 しかし、夜の森の中では絶大な効果を発揮した。

 男たちが一瞬怯んだ、

 その隙を見逃さなかったカイルは渾身の力で剣を振るい、包囲網の一角を崩すと、リィナの手を掴んで闇雲に森の奥へと走った。


 しばらく走った後、かろうじて追手を振り切り、二人は小さな洞窟に身を潜めた。

 リィナは、カイルの腕の傷に、鞄から取り出した軟膏を塗り、持っていた布で手際よく包帯を巻いた。

「すみません、私のせいで…」

 リィナが、震える声で謝った。

「君のせいじゃない」

 カイルは、痛みを堪えながら言った。

(なぜだ。他人に触れられるのは、背中を預けるのは、もうやめたはずなのに)

 リィナの小さな指が、彼の傷ついた腕に触れる。

 その手つきは驚くほど優しく、確かだった。

 彼女の体温が、傷の痛みを通じてじんわりと伝わってくる。

 その温もりは、彼が長年築き上げてきた心の鎧を、内側からゆっくりと溶かしていくようで、ひどく落ち着かなかった。

 だが、決して不快ではない。

 むしろ、忘れていた安らぎに似た感情が、彼の胸を満たしていく。

(この温もりは、危険だ。俺の判断を鈍らせる…)

 そう理性が警告する一方で、彼の本能は、この束の間の安らぎを求めていた。

 カイルは、そんな自分自身の矛盾した感情に戸惑っていた。

「君の機転がなければ、今頃二人とも死んでいた。…礼を言う、リィナ」


 追手の気配が遠のき、洞窟の中に静寂が戻った。

 外では、雨が激しく地面を叩いている。

 小さな焚き火の炎だけが、二人の冷えた体を温めていた。

 重い沈黙の後、カイルがぽつりと話し始めた。

「…王都にいた頃、俺はある貴族の不正を追っていた。奴らは、国の備蓄食糧を横流しして、私腹を肥やしていた。俺はその証拠を掴んだが、逆に罠にはめられ、この地に追いやられた。今日の襲撃者たち、奴らの動きは、あの時俺を捕らえに来た連中とよく似ている」

 それは、カイルが初めて誰かに打ち明ける、自らの過去の断片だった。

 なぜこの娘に話す気になったのか、彼自身にも分からなかった。

 ただ、話さなければならない、という衝動に駆られたのだ。

 リィナは、黙って彼の言葉に耳を傾けた。

 そして、彼の傷ついた腕にそっと自分の手を重ねた。

「カイルさんは、一人じゃありません」

 彼女は、震える声で、しかしはっきりと言った。

「私もいます。私に何ができるか分からないけれど、あなたの背負っているものを、少しでも一緒に背負いたいです」

(背負う、だと…? お前に何がわかる…)

 カイルは反射的にそう思い、心を閉ざしかけた。

 だが、リィナの緑色の瞳には、何の計算も、同情でもない、ただ純粋な思いやりだけが映っていた。

 その穢れのない眼差しが、彼のささくれだった心を貫く。

(この娘は、ただ本気でそう思っているだけなのだ。その真っ直ぐさが、俺には眩しすぎる…そして、今は…救いになる)

 その小さな手の温もりが、カイルの凍てついた心を、ゆっくりと、しかし確かに溶かしていくようだった。

 彼は初めて、孤独ではないという感覚を味わっていた。


 ◇


 数日後、追手を何とか振り切った二人は、ついに王都に到着した。

 しかし、彼らの目の前にあったのは、かつてのような活気に満ちた都の姿ではなかった。

 巨大な城壁の門は固く閉ざされ、その前には武装した衛兵と、白いマスクをつけた衛生官たちが厳しい検問を行っていた。

 門の前には、中に入れてもらえない人々が長い列を作り、絶望的な表情で座り込んでいる。

「止まれ!現在、王都は灰涜病(かいとくびょう)の蔓延を防ぐため、特別な許可証なき者の立ち入りを固く禁じている!」

 衛兵が、カイルとリィナの前に槍を突きつけて制止した。

 カイルは馬から降りると、懐から一通の羊皮紙を取り出した。

 それは、ストーンハート領を発つ前に、執政官アルベリヒが用意してくれたものだった。

 王家の紋章と執政官の署名が入った、緊急事態における通行許可証だ。

「我々はストーンハート領の治安維持部隊の者だ。領主殺害事件の捜査のため、執政官直々の命令で参った。これがその証だ」

 衛兵は半信半疑で許可証を受け取り、上官らしき人物の元へ走っていった。

 しばらくしてやってきた上官は、厳しい顔つきで二人を睨みつけた。

「…許可証は確かに本物のようだ。だが、中に入る前に、衛生官の検査を受けてもらう」

 二人は、白いローブを着た衛生官たちの前に連れていかれ、体温を測られ、喉の奥や皮膚の状態を念入りに調べられた。

 重苦しい雰囲気の中、ようやく「異常なし」と判断され、彼らは固く閉ざされた巨大な門の内側へと通された。


 王都の中は、ストーンハート領とは比べ物にならないほど大規模ではあったが、その華やかさの裏には、病と恐怖が影を落としていた。

 二人が馬を進める貴族街は、大理石で舗装され、壮麗な建物が立ち並んでいる。

 窓という窓は磨き上げられ、庭園には手入れされた植木が並ぶ。

 しかし、そこに人の営みの温かみは感じられなかった。

 行き交うのは、高価な絹の服を着て扇子で口元を隠す貴婦人や、尊大な態度で従者を従える貴族たちばかり。

 彼らの会話は聞こえないが、その表情には辺境の民を見下すような冷ややかさが浮かんでいた。

 カイルの指示で貧民街へと続く路地に入ると、景色は一変した。

 道はぬかるみ、汚水が淀んだ臭いが鼻をつく。

 ひしめき合うように建てられた家々からは、子供の泣き声や、夫婦喧嘩の怒鳴り声が聞こえてくる。

 だが、その混沌の中にも、確かな生命力があった。

 人々は助け合い、わずかな食料を分け合い、たくましく生き抜こうとしている。

 その光景は、カイルに孤児院での日々を思い出させ、胸の奥を微かに締め付けた。


 彼らがまず向かったのは、冒険者ギルドだった。

 ギルドの中は、かつての雑然とした活気はなく、酒と汗の匂いに、薬草の匂いが混じり合っていた。

 冒険者たちの数も減り、皆一様に暗い顔で酒を酌み交わしている。

 依頼の掲示板には、「高熱に効く薬草の採集」や「原因不明の獣の討伐」といった依頼ばかりが、埃を被って残っていた。

 カイルは、受付にいた片目に大きな傷跡のあるギルドマスターに声をかけた。

「リアム・ブレイドについて聞きたい」

「リアムだと?」

 ギルドマスターは、カイルを値踏みするように睨んだ。

「あの伝説の英雄様に、あんたみたいな若造が何の用だ」

 カイルが銀貨を数枚カウンターに置くと、彼はそれを無造作に懐に入れ、面倒臭そうに口を開いた。

「リアムの奴はな、時々お忍びでここに来ては、厄介な情報を買っていくのさ。特に最近は、妙なことばかり調べていたぜ。『竜殺し』の真実とかな。あとは、古代魔法と、特定の血筋に伝わる『呪い』についても嗅ぎ回っていた。まるで、何か大きなものに追われているようだったな」

 その情報を元に、二人は貧民街の奥深くにある酒場へと向かった。

 そこは、法と秩序の光が届かない、無法者たちの巣窟だった。

 カイルは情報屋として名が通っている男に、金貨を一枚握らせて尋ねた。

「リアム・ブレイドは、どこで何を探していた?」

「リアム…?ああ、あの銀髪の旦那か」

 情報屋は、金貨の重みを確かめると、にやりと笑った。

「旦那は、『英雄』たちの秘密を探っていたぜ。特に、奴らが隠している『何か』の場所をな。そのために、何人かの人間を脅したり、買収したりしていた。確か、古い魔法具を扱う店の爺さんとも、何か取引をしていたはずだ」

 二人は最後に、埃を被った古い魔法具店を訪れた。

 店の奥から現れた痩せこけた老店主は、カイルたちの来訪を予期していたかのように、静かに言った。

「リアム殿なら、数日前に来られた。彼は、非常に珍しい古代の仕掛け…星々の力で起動する封印を『解く』ための触媒を探しておられた。そして、ストーンハート城の地下水路の最も古い地図を、高値で買っていかれたよ。彼は、故郷に忘れ物を取りに戻られるようだった。とても、急いでおられた」


 全ての情報が、一つの結論を示していた。

 リアム・ブレイドは、真実を暴き、そして、何かの「封印」を解くために、故郷のストーンハート領に戻ったのだ。

「戻るぞ、リィナ」

 カイルは、王都の雑踏の中で力強く言った。

「我々の追うべき影は、故郷で待っている」

 二人は、休む間もなく、再び王都の門をくぐり、東へと馬を向けた。

 彼らの表情には、旅の疲労と、そして真実に限りなく近づいているという確かな手応えが浮かんでいた。

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