誰が英雄を殺したか — 竜殺しの英雄 —

　エレジア大陸は、伝説の「竜殺しの英雄」たちがもたらした平和を享受していた。しかしその裏で、世界は原因不明の病に静かに蝕まれ始めていた。
　そんな中、「竜殺しの英雄」の一人である英雄ガレス・ストーンハートが、完璧な密室で、冷たい骸となって発見される。現場に唯一残された手がかりは、彼が死の間際に自らの血で綴った、解読不能な謎のメッセージだけだった。
　この事件の捜査を命じられたのは、カイル・ヴァーミリオン。論理だけを武器に人の心を信じない彼と、不思議な力で万物の声を聞く新米捜査官リィナ。正反対の二人が追う英雄殺しの謎は、やがて「竜殺し」に隠された真実と、この世界の平和を根底から覆す巨大な陰謀へと繋がっていく。
　英雄の死は、世界の崩壊の序曲か。それとも、真の夜明けを告げる鐘の音か——。