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 スマホが壊れた。スマホが壊れた。スマホが壊れた。スマホが壊れた。スマホが壊れた。スマホが壊れた。スマホが壊れた。スマホが壊れた。スマホが壊れた。スマホが壊れた。スマホが壊れた。スマホが壊れた。スマホが壊れた。スマホが壊れた。スマホが壊れた。スマホが壊れた。スマホが壊れた。スマホが




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 青い空、白い雲、初夏のそよ風に運ばれてくるのは……なんだっけ。


 ああそうだ、出来立てコロッケの香りだっけ。


 紫陽花を追い越して向日葵が咲き出しそうな、晴れのち晴れの帰り道。


 晴れのち晴れって、なに?


 わたしは、初めてブレザーに袖を通してはしゃいだあの日を思い返していた。



           ◇◆◇



 ベージュのブレザーに、チェックのスカート。

 丸襟ブラウスに、紐リボン。 


 そして鏡の中には、黒髪ローツインテの女子高生のわたし。


 え? いや、おさげじゃないから。

 ローツインテだから。


 これはね、地味なわたしなりの世界へのアピール。


 わたしはここにいるよ……ここにいるよね?


「おぉ、これが制服の力……勝ったね」


 色々ポーズをとって満足したわたしは、いそいそと部屋着に着替え始めた。

 嬉しくてとりあえず着ちゃったけど、入学式は今日じゃない。


 今度は何? 名前? 

 ……わたしの名前、なんていうんだっけ。


 わたしは、わたしだよね?



           ◇◆◇



 そんな希望に満ちていた春の景色を、まるで昨日のことのように思い出す。


 二年生になって学校生活にも慣れてきた。

 かといって、進路を意識するのはまだ先で。

 最も高校生を満喫できると言ってもいい、今この時期に。


「今日も独り寂しく下校なんだよね、これが」


 登下校ルートの閑散とした商店街を歩きながら、誰にともなく呟いた。


「「……」」


 あさぼらけ 仮巣に集う 迷い猫

 影は光へ 誘う道標


 ……あれ、こんな短歌だっけ。

 どんなやり取りだったっけ。


 まあいいや、違ったらまたやり直せばいいよね。


 さすがに眠くなってきた。

 あさぼらけだし。

 今日は休みでよかったよ。

 連休っていつまでだっけ?


「もう眠いよ、パトラッシュ」


「いやパトラッシュじゃないですけどね。眠いならまた明日にしますか?」


「お腹すいたよ、パトラッシュ」


「眠れるなら起きてから食べた方がいいですよ。ね、今日は寝て、続きはまたにしましょう」


 そだね、帰って寝るね。

 おやすみ。

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