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第一話『始まりの選択』

 孤児院を出て防衛軍、日本の魔物から国民の安全を守る防衛機関の役所に着いた。


なんでぴちぴちで可憐なJKの私がここにいるのか。みんな疑問だろう。何を隠そう私はここに就職しにきたのだ!!!


ここで就職をするということは国民を守る防衛軍に入るということだ。めちゃくちゃ危険だから初めてママに受け明けた時物凄く反対された。でも私は昔からこの防衛軍に入りたかったから無理を通してなんとか快諾してもらえた。(一日に最低一回は連絡を送ることを義務付けられたが…)


とりあえず役所の中に入ろう。自動ドアが開き、中に入った。そのまま真っ直ぐに受付へと向かい防衛軍に入るための手続きをしてもらうように受付の人へ言った。


「すみません、防衛軍に入りたいんですけど」

「はい、防衛軍の参加希望者ですね。まずは身分がわかるものの提示をよろしくお願いします。」


そうして身分証を出して色々な手続きを終え、最後の確認の時、


「では最後に能力判別テストを行うので別室へご移動お願いします。ここで能力があれば無事防衛軍に仮入隊できますよ。」

「へ?もしかして能力がない人って入れないんですか?」

「ええ、特例もありますけど基本的には」


ここにきて緊急事態が発生した。私は能力なんてものは感じたことも使ったことも勿論ない。


ちなみに能力とは人に稀に宿る特殊な力のことだ。防衛軍はそれを駆使して魔物を倒している。しかし中には能力を使わないで魔物を倒す人もいるのでなくてもなんとかなると思っていた。


「もしかして能力をお持ちではありませんか?」

「いや、ありますあります。もうめちゃくちゃありますよ。ありすぎて困っちゃうくらい、ははっ。」


まずい、予想外の事態に驚きすぎて意味のわからないことを言ってしまった。


「マルチ能力をお持ちの方なんですね。それはすごいですね。」


なんかわかんないけど耐えた。なんかついでに褒められたしセーフセーフ。


ちなみにマルチ能力とは二つ以上の能力を持つ稀な能力者のことだ。二つ持っていてもどちらも上手く扱える人は少ないから防衛軍からはよく重宝されるらしい。


そうして能力を確かめるべく能力判別室へと向かった。


「すみませんが指輪などの装飾品はお取り外しください。」

「あ、はい。了解です。」


受付の人の指示に従って実の母親の形見の指輪を外した。母親の遺体から唯一回収することができた大切な指輪だ。


「ではここの部屋へ入って能力を確認後、能力を書かれた紙を受けへ持ってきてください。」


今更だけどどうやって能力確かめるんだろう?そんな疑問を持ちながら部屋の中へ入った。


「お邪魔しますー」


と言って中に入ると一人の大柄な男の人と女の人が立っていた。


「はぁい、よろしくね♡あたしの名前は夜桜真夏、こっちの子は鍵皿町。んじゃさっそく能力見ちゃうわね」

「 あ、よろしくお願いします。」


そう男の人の方が言ってきた。一瞬びびって反応が遅れてしまった。まあでも、世の中には色々な人がいるってママが言ってたし…


そして席に座ると夜桜さんが大きな手を私の胸の前に掲げ詠唱した。


「我が名において命じる、前の少女の能力を我に示せ!――えっーと、あなたの能力は、ん?あなた本当に能力持ってる?反応ないんだけど」

「ぎくっっ!?え?なんかの間違いですよー。」

「今最大にぎくっっって言ってたじゃない。なんで能力もないのにここにきたのよ。」

「いや、能力ないと入れないなんて知らなくて、・・・すみません。やっぱり能力がないとダメ、ですよね?ぐすっ」


そう嘘100%の涙と涙目で訴えかけた。こんな手は使いたくなかったけど致し方なし!


そうすると私の作戦が効いたのかバツの悪い顔で女性の方の鍵皿さんが謝ってきた。


「ごめんなさい、でも能力がないと入れないのよ。能力がないなら何か特別な特技とかがないと」

「で、でもでも私料理得意です!あと裁縫もちょっとできるし、洋服も綺麗に畳めます!」

「花嫁なりにきたんじゃないんだから無理よ。ごめんだけど帰ってちょうだいな。」

「うぅぅ、わかりました。すいません…」


流石にこれ以上迷惑はかけられない。そうして部屋を出ようとすると


「ちょっと!指輪忘れてるわよ」


危ない、指輪まで忘れるところだった。


「ありがとうございます、では」

「はい、次はちゃんと何か持ってきてね」


そうしてローテンションでとぼとぼと受付へ大きく"能力無し!"と書かれた紙を受付へ持っていった。


「はい、では確認しますね。ってあれ?能力無し?」

「すいません、入りたくて嘘ついてました。」

「ダメですよ、命に関わることなんですから!」


そう受付の人からも怒られ意気消沈していると歩いていた制服を着た男の子が急に近づいてきた。


「何言ってんですか、この人能力持ってますよ。」

「え!ほんとですか!」

「本当ですよ、確認します?」


そう言ってさっき夜桜さんが私に使った魔法をかけてくれた。


「やっぱりありますよ、能力。"超化"っていう」

「え、そうなんですか。失礼しました。こちら側の不手際で、ん?でもさっきご自分でないと…」

「まあまあまあ、細かいところは気にしないで。あったのならはいれるんですよね?ね!」

「えぇ、はい。」


よかったぁ。隣の学生の人には感謝感謝。


「ありがとうございます!助かりました!」

「いや、明らかに大量の魔力があるのに無能力だなんておかしいと思ったので」


あれ?じゃあなんで夜桜さん違和感覚えなかったんだろう?ま、いっか。結果よければすべてよし!


「では、国立対魔防衛高校へのご入学か、どなた金級以上の人に弟子入りをするかお選びください。」

国立対魔防衛高校に入学するか弟子入りするかお選びください。前者はこのままターニングポイントへ。後者はターニングポイントαという別の作品へ。

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