プロローグ
誰しも人生においての重要な選択、所謂人生のターニングポイントというものがあります。人生はやり直しが効きません。そのため選択を変えることはできない。当然のことです。ですからこれから与えられる選択をよく考えて選んでみてください。後悔のないように。
窓から流れてくる日の光を浴びて、少女神崎結衣は目を覚ました。
「ふわあ、眠い。二度寝したい...」
そのまま欲望のまま二度寝をしようとした時、
「ゆいちゃん起きてる?今日防衛軍のお役所の所に行くんでしょ?起きなくていいのー?」
私の義理の母の宝生理知の声で大事なことを思い出し、二度寝の誘惑に抗いながら起き、素早く着替えドアを開けた。
「おはよ、ママ。防衛軍のこと教えてくれてありがとね。危うく二度寝して遅れちゃう所だったよ。危ない、危ない。」
そう冗談めかしながらママに挨拶した。
「もう、本当に危ないんだから。朝ご飯できてるから食べなさい。みんなもう食べてるわよ。」
ママの言う通りに一階に降りて食卓についた。
「ねーちゃん遅いじゃん。お役所間に合うの?」
「ママが起こしてくれたから大丈夫だよ。あ、おいしそー、いただきまーす!」
席について同じ孤児院の男の子の疑問に答えつつ朝ご飯を食べた。ここは合計14人の孤児が集まる孤児院だ。だからいつも朝ごはんや晩御飯などを一緒に食べる。
「でも、こういうのも今日が最後だね。」
「本当にここから出ていっちゃうの?」
「うん、ずっとここに甘えてるのも良くないしね。」
そう、私は今日この孤児院を出る。今日から私は一人で自立して生きていくのだ。正直不安しかない。
「私はずっーと甘えてもらってもいいんだけどねー。」
そう言ってママが私の不安を和らげるように冗談を言ってくれた。
「ありがと、でもやっぱり自分で行けない年頃だしずっとママにあまえていられないよ!」
何を隠そう私はもう15歳だ。最近中学校を卒業してもうすぐ高校生になる。
「そうよね。もう高校生になるんだもんね、昔はこんなに小さかったのに大きくなってね?」
そう言って親指と人差し指で5センチぐらいの長さを作った。
「そんなちっちゃくないから!あ、もういかなきゃ。ご馳走様!」
急いでご飯を食べて胃に流し込んだ。そうして席をたって玄関に向かった。
「それじゃ、みんなゆいちゃんおくるわよ。」
ママがみんなを玄関まで連れてきてくれた。
「それじゃみんないってきます!」
「「「いってらっしゃい!!!」」」
そうみんなに送り届けてもらって私は孤児院を出た。
次の話で二つの『選択』が出てきます。どちらかを選ぶことによって物語が分岐します。なので場合によってはこの場所で書かれないものもあるので私の作品のところから選択に合う物語を見つけてお読みください。