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決着

勝ち筋が生まれたかも。

ただこれはライタルが私たちを助けられたらだ。


現在はフリップがライタルを追いかけて、クローラが牢屋を守っている。

うまくクローラを牢屋から剥がせるかが勝負だ。


・・・と思っていた。

なんとあっさり相手をかいくぐり牢屋に到達、私を脱獄させてくれた。

反射的にルッツもタッチし、

脱獄。なおルッツは門番をしていたクローラに即捕まった。

なんかルッツが逃げている場面が最初しかなかったように思えるのだが。


─────────────────


フリップはずっと追いかけているので選手交代。クローラが追いかけ始めた。

しかしライタルは年上で性別も違う。必然的に私だけが追いかけ回された。


「さっきは罠に誘い込まれたけど、今は1vs1(サシ)だから絶対捕まえられないよ?」


「うるさい!あんたはあたしがきっちり捕まえるからね!」


口は達者なのでしばらく振り切れなさそう。

ただ絶対に捕まらない自信がある。

だって始まった直後のときも私を捕まえられなかったから。


それにしても泥棒側の勝利条件が”警察側の降参”担っているので私たちは相手が諦めるのを待つしかない。

そしてフリップとクローラがかなり根性があるのでそう簡単に勝たせてくれない。

試合が長引きすぎているので早めに終わらせたいが、自分たちが二敗するのも嫌だ。(遊びの提案者としての意地)


一つ策を打とう。

私は逃げながらライタルに近づく。そしてライタルを()()()()、クローラに()()()()()


「これ、あげるね」


「へ?あっうんありがと」


「・・・は?ちょっおいハンナー!お前は味方を敵に売るのかー!?」


「え?なんのことでしょう?」


「ッチ、許すマジ!!!!」


というわけでライタルは牢屋に行くことになった。

ひどいと思う人が大半だろう。しかしこれは相手を降伏させるための掛け金なのだ。心を鬼にして(嘘)ライタルを見送った。


─────────────────


さてここからが勝負だ。(あれなんか毎回言っているぞ?)

向こうはクローラと交代し、フリップが追いかけることになった。


「そんじゃあ、あんたを捕まえてさっさと終わらせるか」


「ふ〜ん、頑張ってね」


私がそんなことを言い切る前にフリップが鬼の形相で突っ込んでくる。

やることは最初と同じ、できるだけ引き付けてタッチしにくる手を避けるだけだ。


数回やりとりをした後、一度距離を置いた。

フリップなんか、めちゃくちゃ手をぶん回してくるんだけど。下手に手の届くとこまで近づけん。

さてこれをやりつつもう一つ、クローラを牢屋から剥がさなきゃいけない。

どうしようか。


そんなことを思っているとフリップがスタンディングスタートの構えをとる。

くるかと思ったとき、フリップの足に変化が起きた。

足そのものの形が変わったわけではないが、その周りが何か“もや“っとなったのだ。

なんと言えばいいかわからないが、何か世界の色が濃くなったような感じだ。


そんなことで呆けている間にフリップが地面を蹴った。

反応が遅れたからと自分も思いっきり地面を踏んで左に跳んだ。


「「え?(は?)」」


私含めてこの場にいる全員がなんとも間抜けな声を出した。

だって目測15メートル以上飛んでるもん。私だってそんなに飛べると思わなかった。

そんなことを考えつつ、勝利までの流れを確認した。

よしこんだけ飛べるならこうゆうふうにできるな。


─────────────────

この後どうなったかを簡単にまとめよう。

まずその後も私は逃げ続けつつクローラにもちょっかいをかけた。

しばらく続けているとクローラが私に釣られるようになる。

そしてついにクローラが5メートルほど釣られた時に私は大きく跳んで牢屋に近づき全員を解放した。


警察側はせっかく追い詰めたが結局取り逃すという図になり、降伏。

私たちは勝利した。


─────────────────


「まあとりあえず、一発殴らせろ」


終わった直後にいきなり言い放ったのはライタルだった。


「勝ったからいいでしょ?あれも作戦のうちだから」


「うるせぇよ、味方を敵に売るなんざ到底許されん所業だぞ?許せんから一発殴らせろ」


「はあ・・・わかったよ」


甘んじて受け入れた私だった。

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