ケイドロやるぞ!
牢屋にする部分を地面に書き込んでまた集まった。
「それじゃあ早速、誰が『ケイサツ』をやる?」
「『ケイサツ』は俺達から出そうぜ」
それじゃあ女の子を警察にしないんだ。
「じゃあこの中から一人だな」
あれ一人?誰が牢屋を守るの?
「あ、えっと一つ言い忘れていたけど、泥棒は囚われている味方をタッチすることで牢屋から出れるんだよ。だから警察は一人だとめちゃくちゃきついよ?」
「え、あっそうなの?じゃあそっちから一人決めてこっちから二人決めるでいい?」
現在ここに6人いる。そこから3対3でやるらしい。
「じゃあクローラは逃げたい?追いかけたい?」
「んじゃあ逃げたい」
わかったと了承し、向こう(男)の方を見る。
ただ誰がどれかはわからない。クローラに聞いておこう。
「ごめん、誰がどんな名前か教えてくれる?」
いいよと了承してくれてので私は耳を傾けた。
まず最初に声をかけた人はライタル、家は商家でこのあたりではまあまあお金持ちらしい。そしてこの地域では珍しい金髪をしている。
次に兄弟のルッツとフリップ。兄のルッツはこの中で一番背が高い。逆に弟のフリップは一番背が低い。
最後にハルトムート。彼は無口で少々陰気。
・・・とのことだった。
で、フリップは私達と同じ6歳で残りの三人は8歳らしい。
「それじゃあおまえと俺が『ケイサツ』になるぞ」
というわけで初戦はルッツ、ライタル、そして私が警察側となった。警察はみんな捕まえて勝つ、もしくは降伏して負けるという事になった。時間制限かけられないしまあこれでいいか。
・・・申し訳ないが警察が過剰戦力な気がするのですぐ終わるだろうと思っていた。
泥棒が逃げ始めたあとライタルが12数えて追いかけ始める。(12の理由は後書きにて)
早速近くにいる人から捕まえていこうと視線を左右にわたらせるとピタッとハルトムートに止まる。
どうやらルッツの標的も彼のようなので挟むように追いかける。
すると私と彼が正面から突っ込む感じになる。
普通は捕まえられるだろう。ただ捕まえられなかった。
ハルトムートは横に飛ぶように急旋回をした。これではルッツも私も背中を追うことになってしまった。なので私は諦めて別の人に標的を変えた。
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・・・結局、私たち警察側は降参した。あれこれって逃げる方が結構不利な気がするけど?
詳細に説明すると、
まず最初に捕まったのは結局ハルトムートらしい。なおルッツはずっと追っかけていたが捕まえたのはライタルだった。
なのでライタルはハルトムートを牢屋に連れてって牢屋で守るということが必要になるが、私の説明不足によりライタルはハルトムートを連れて行かず、そしてハルトムートは勝手に牢屋に入った。
そしてそこを待っていたかのようにクローラが即タッチしハルトムートが釈放。
その後は誰も捕まえられないというあるまじき事態になったため私たちは降参した。
次にこんなことが起こらないよう細かくルールを説明したので次の試合に行ってみよう。
さて、作中で鬼(警察)が12数えてスタート理由です。
この世界線では基本的に12進法で数えられているらしく、1〜11で固有の名称がつけられていて、英語みたいに桁を上げるらしいです。
しかしそれをいちいち書くのはめんどくさい(数字の名称を考えられなかった)ので今後も10進法に変換して書いておきます。
おまけですが”5”がこの世界で最も忌避されているようです。