人の話は最後までちゃんと覚えておこうね
俺は目を覚ました
「ここは?」
辺りを見渡すと、木しかなく耳をすませば川が流れる音が聞こえるほど静かで、木を登って確かめて見ると、たしかに要望通りに村や街もなく、ただ広く木が沢山生えており川が流れているだけの大自然。ここから、俺が最強を目指す物語が始まると俺はワクワクしていた。まず、ここがどこかを知るために進化したナポちゃんに聞くことにした。
ナポちゃんこの世界について教えて
『わかりました主様。この世界は昔の世界主様たちがいた星を地球と読んでいたように、この世界の人々はこの地をストランと読んでおり、土地などは主様がいた所とさほど変わっておりません。』
つまり俺のいた世界と土地の場所はさほど変わらないというわけだな。
『そういうことであります、主様。』
じゃあ、この森は地球で言う何処に当たるんだ?
『この森は地球で言うアマゾンと同じ座標でございます。』
アマゾン?おいそれって
『はい主様もご存知の通りアマゾンとは、地球で最大の熱帯林でございます。』
じゃあここって超広い感じ?
『その通りでございます。しかし違うところもあり、アマゾン川に当たる座標はすごく小さく、水も日本の水道水以上にきれいな水になっております』
じゃあさっき聞いた音はアマゾン川の音であり、それも小さくなりそのまま飲めるほどきれいになっているということか。
そんなことを考えていると
ガサガサ ガサガサ
草の揺れる音が聞こえてきた。即座に離れそちらの方を見てみると、全長が3〜4Mほどありそうなでかい熊と遭遇した。
「さすが異世界、日本では見たことのないやつが早速お出ましかよ。」
どうする、魔法は…………まだ魔導書を読んでないから使い方がわかんねぇ〜
『主様!剣です、剣を出してください。』
それだ!さすがナポちゃん後で褒めるね
『ありがとうございます。』
イメージ手から剣を出すイメージ
「いでよ、ソル・ニーゲル。」
その言葉を引き金に俺の手元には黒い剣が現れた。
「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
そうして俺は、熊に向かっていた。
向かっていったがなんだコレ動きが遅いあ〜あれか死ぬ直前には走馬灯で死なない手段探すために動きが遅くなっているあれか。
『違います。』
あれ、どうしたのナポちゃん?何が違うの?
『これは走馬灯ではなく、私のスキルの1部に当たる思考加速です。あの女神にも説明を受けましたよね?』
《多分だけど思考を1万倍でできるようになったんじゃないかな》
あ〜そういえばそんな話をした記憶があるわ。
『主様、しっかりしてくださいね。私はサポートをすることはできますが、体を動かすのはあくまでご主人さまであり、その辺はちゃんとしてくださいね。』
はい滅相もございません。それにしてもナポちゃんはよく覚えてたよね、偉いねナポちゃん。
『あ、ありがとうございますってそんな話をしている暇はありません。ほら前を向いてもうそろそろ熊がやってきますよ。』
わかった。ありがとうナポちゃん、これからもよろしくねナポちゃん。
『は、はい あ、ありがとうございます。』
さ〜て思考加速で1万倍の速度で頭が回ってんだ。辺りの速度は1万分の1に見えてんだよどんな速度でお前が動こうともなおれの目には捉えることができるんだよ。
「ブレンネン」
俺がそういうとソル・ニーゲルは黒い炎を纏いながら熊の首と胴体を切り離した。
ドサッと言う音と共に熊が動かなくなった。
「これ、どうしようかな〜」
とそんなことを考えていると…………………携帯がなった
「はぁ?」
一応出ることにした
「もしもし」
《あ〜もしもし創造神だけど》
やっぱりあいつだったというかそっちから電話かけれてのかよ俺が神に呆れていると
《いや〜そろそろ化け物を倒した頃かなと思って》
「おい、絶対神の力で覗いてやがったな」
《イヤ、ナンノコトカワカラナイナ》
こいつ神の力をこんなどうでもいいことに使うとは
「ほんとに神様って暇なんだな。てっきり口では暇と言いつつ、実際は忙しいと思っていた。」
《いや、他の神はみんな忙しいよ》
「え、じゃあお前は?」
《暇だけど?》
まさかと思うがさすがに神にそんなことは聞きたくないが一応聞いておこう。
「お前まさかと思うが、他の神に仕事を丸投げして、自分は暇だから俺と電話しているわけじゃないよな。」
《流石にそんなことはしないよ。》
良かった。流石にそんなことをしていたらもう電話をかけることがなくなる所だった。
「じゃあなんでお前暇なの?」
《それがね、私もたまに思うんだよ。なんで創造神なのに私に仕事が1つも回って来ないのか。》
思うんだ。
《そう、そして神たちの仕事を仕事を管理する所があるんだけど…………なんだっけ人間では何って言うっけ?」
「管理部?」
《そう、それそこにいったのよ。そして聞いたの「創造神の私に仕事がまわってこないの」ってね》
「で、返答は?」
《「創造神様のような神々しい方にさせるような美しい仕事はございません」って言われたの》
それはすごいなこの神の人気は凄まじいな………………あれちょっと待てじゃあなんで俺はあいつの前で目を覚ましたんだ。させる仕事はないんだろう。
「なぁ」
《なに?》
「なんで俺は、お前の前で目を覚ましたんだ」
《あぁそのことね、前に行った悲劇の話ねあれは流石に神々の頂点たる私が謝らないと、示しがつかないと思って私の前に呼んだんだ。》
「でもお前寝てたじゃん」
《いや、呼んでから来るまでに意外と時間がかかってね。暇だから椅子にもたれかかって目を閉じてたら》
「眠っていたと」
《その通りなのよ》
とその後も他愛もない話をしているといつの間にか空が茜色に染まっていることに気付いた。
「じゃあな。こっちの世界はそろそろ夜が来るから準備をしてから寝るわ。」
《分かったじゃあお休み》
「隼人くんもう消灯時間は過ぎてるけどまだ寝ないの?」
「看護婦さん、俺は看護婦さん以外にお休みっていう日が来るのかな?」
その時の俺は9歳になったばかりで、親が1回もお見舞いに来ていないことはわかっており、俺の話す相手はお医者さんと看護婦さんだけとなっており、学校に行っても今更来たのかよというような視線を浴びせられ、俺は学校に行く事が嫌になっており、家に帰っても仕事人間の親は家にはおらず、生活するためのお金が渡されるだけの日々、それが脱却されたのは大学に入ってからであった。初めて友達ができた相川という人間しかしそいつにも裏切られた。
いろんな事を考えていると返信が遅れ神が心配そうに聞いてきた。
《隼人………いろんな事があったんだね。ごめんね私達のせいでそんなことをさせてしまって。》
違う………違うよ俺はお前にそんなことを言わせたいわけではない。
《だから隼人、もう泣かないで》
その時俺は初めて気付いた
「泣いてる?」
《泣いてるよ、おやすみって私が言ったあとから。》
そうか俺は、泣いているのか。
《じゃあ私は帰るね。》
そう言って通話を切ろうとした神を俺は反射的に止めていた。
「ちょ、ちょっとまって。」
《どうしたの?》
俺は考えこの神の名前を知らない事を思い出した
「な、名前……教えてよ。」
《わかった。そういえばまだ言ってなかったね。私の名前はアマテラスだよ。》
「あ、アマテラス?あ、あの?」
《日本のやつとは関係ないよ。たまたま同じ名前なだけだよ。正直、私のほうが強いしね。》
日本のアマテラスとは無関係なんだ。こんなところに俺の知ってる神と同名がいたとはってそんなことは関係ないんだよ。これで今まで言いたかった言葉がやっと言える。
「アマテラス」
《なに?隼人》
昔の俺へお前の言いたかった看護婦さん以外へのお休みは時間がかかったがちゃんと言えたぞ。
「おやすみ」
《おやすみ》
ナポちゃんみたいな後ろから支えるタイプ俺好きです