考えを改めて塩を採掘すべきなようだ
まあ、胡椒は手に入った。
〈一つ食生活が豊かになったことに感謝します〉
俺は、焚火台の火が消えてから祈りを捧げた。
〈女神ポイントを七〇付与します。合計が三〇〇になりました。ポイントを還元しますか?〉
〈今、『運』が90か、一〇〇〇ポイント溜まったら替えるよ〉
焚火台の灰をカブ畑に撒いてから、ナビーネから念話が再開された。
〈ザンザよ、伝えておくことがあります〉
〈改まってなんだ?〉
〈オークの話にあったリューキ元帥のことなのですが、彼女もあなたと同郷です〉
〈地球、更には日本人の転生者か?〉
〈いえ、リューキ・ユメノの場合は特殊で移転者になります〉
〈肉体と共にここに? 空間移動でも使えるのか?〉
〈こちらの魔導士の召喚術による移転です。すなわち、私の祝福や特典・ギフトの類を全く受け取っていないのです〉
〈ほお、それで一国の元帥まで上り詰めるか、中々の傑物のようだな〉
〈彼女の実績は、それにとどまらず、この地に発現しようとした邪神の封印をも成さしめているのです。もし、この世界にあの邪神が具現化していたらこの世界は乗っ取られ、無力であった私はこのように神として具現化することは叶わなかったでしょう〉
〈リューキ元帥は認知していないが、ナビーネは大きな借りがあると〉
〈故に、彼女とは敵対しないでいただきたいのです。助力になれとは申しません。今の彼女は背負う業が深すぎる故、何よりも私の召喚者ではないため、彼女の所在を掴むことが出来ないのです〉
〈この国の元帥か、当面は国家勢力と軍関係の害にならない行動指針を取る、ということでいいかな?〉
〈よろしくお願いします〉
〈しかし、あのイノキバオークたちの出方次第では元帥に敵対することになってたかも知れないのだなあ、塩で敵対か。もう少し俺に耐寒能力があれば追加の採掘に行けるんだけどなあ〉
〈空間移動ではいけませんか?〉
〈それで短縮できても、現地はここより寒いだろうし、今頃は雪で閉ざされているかも知れないが・・・・・・それも空間切断と鑑定と収納からの分類排出で何とかなるのか?〉
ふむ、俺のやる気次第ということか。
〈ナビーネ、北側の山地が比較的暖かくて風のない日になったら教えてくれ。〉
〈イノキバオークたちとの関係は保険のようなものです。無理はしなくて良いですよ〉
〈分かっている。工程に問題が出れば諦めるさ〉
今のままでも、敵対しているわけでもないし、関係は良好と言えるだろうからな。
翌朝、もっと良好な関係の狼たちは、狩りに出ず、屋根堀の家で引きこもっている。今日は何度目かの降雪だからだ。焚火が出来ないのを分かっているのだろう、エサの催促もない。
俺も引きこもるなら、ジニーと遊んでやらないとな。最近のジニーブームは言語によるコミュニケーションだ。俺も片言だがしゃべれるようになってきた。ジニーも単語はだいぶ覚えてきた。言葉のつなぎ方は交わす会話の回数が多いと上達も早いだろうからなあ。
俺はマ行ワ行バ行パ行が発声できない。口の形状の問題のようだ。風魔法で一時的に発声できるが、他の音と組み合わせて言葉にするには、かなりぎごちない言葉になる。
そんな俺の言葉に付き合ってくれるジニーに感謝だ。
〈女神ポイントを20付与します〉
〈ジニーに感謝してるんだよ。祈ってる訳じゃねえ!〉
〈ポイントの還付は受け付けません〉
〈何、役所と業者のやり取りみたいになってるの?〉




