二本狼の序列はLVの高さ基準ではないようだ。
今朝も元気だ。コーヒーが・・・無いかなこの世界にコーヒー。
春になったらタンポポの根っこで代用品作ろう。タンポポ茶だっけ。
〈春にこの周囲にタンポポが生え茂りますように〉
〈女神ポイントを一〇付与します〉
〈唐突な朝の祈りにポイントありがとう。これは祈りじゃないからポイント無しで〉
〈連続祈願、全然OKなんですが〉
〈また今度ね〉
俺は扉を開ける。今朝も雪が降っていないので素直に開けることが出来る。
今日は、イノシシの肝臓を取り出すかな。俺は川岸に向かう。
皮の洗濯場とは違う岩場に、シンリンイノシシの肉隗を取り出す。頭が無いと大きさ的に殆んど牛だな。
下腹から裂いて腸を川面に流して糞を洗おうかと思ったが、腸を裂いてみると大量の寄生虫が・・・これ、川に流すと下流の獣に感染しちゃうよね。だから、亜空間収容。
収容時に意識していると大概のものは分類されながら亜空間にストックされる。腸、糞、寄生虫も種類ごと、体液も血液、尿、胃液等々、廃棄する時に亜空間を覗くと一列に並んで分類されているので、その時炎の中にでも放り込んでしまおう。
極力早く出すから我慢してね。俺の亜空間ちゃん。
代わりにという訳ではないが、毛皮を収納した時、分類した虫の類はさっさと川に流してしまおう。ただしヒルの類は寄生中と同じ扱いだ。
肝臓を取り出す前に色々食欲減退するものを見てしまった。
気を取り直して火を焚こう。
今日はしっかりした焚火台を作る。石の平台の上に三角柱の支柱を四本その五〇㎝上に一辺五〇㎝の石の台を置く。安定性を確認して同じ大きさの塩の板を置く。そしてその下で火を焚く。いつになく火が安定するのが早い。煙が少ない。
塩の板から薄い白煙が出始めたので肝臓を乗せる。五〇〇gを二枚ずつ、が、いいかな?
この肝臓は絶対に生はいけない。固くなっても完全に火が中に通るまで焼き上げる。
〈ゼナ、肝臓、焼けたぞ〉
念話の呼びかけに応えて、ゼナが出てくる。
熱いのが分かるのか。鼻息でフーフーしながら食べるゼナ。
もう一個を俺も食べてみる。なんと言うか、普通だな。前世の肉屋で売ってるレバーと同じだ。舌と後味に残る血肉の塊だな。人が食うと好みが分かれてしまうのではなかろうか? 俺としては十分有りだが、腿肉辺りとそう変わらない値付けでないと買わないレベルだなあ。
しかし、ゼナは追加を催促してくる。レバーには特別な思い入れがあるようなので、摘まんで欠けたステーキを与えてやる。
次からは俺は平たいステーキ状ではなく、ちょっと分厚い五〇〇gにして四個ずつ焼く。
狼たちも寄ってきたので、摘まんで焼き具合を確認してから放ってやると、見事にキャッチして牡親から食べ始めた。
鑑定しながらなので、食いはぐれを出すことは無い。
ニホンオオカミ(〇歳)
状態 独立一家の長男
LV 五
HP 五〇
MP 〇
強 五〇
速 五〇
賢 五
魔 〇
耐 五〇
運 八
スキル
速足・犬歯・甘噛み
ニホンオオカミ(〇歳)
状態 独立一家の次男
LV 五
HP 五〇
MP 〇
強 五〇
速 五〇
賢 五
魔 〇
耐 五〇
運 七
スキル
速足・犬歯・甘噛み
ニホンオオカミ(〇歳)
状態 独立一家の気弱な三男
LV 五
HP 五〇
MP 〇
強 五〇
速 五〇
賢 五
魔 〇
耐 五〇
運 六
スキル
速足・犬歯・甘噛み
ニホンオオカミ(〇歳)
状態 独立一家の世話好き長女
LV 五
HP 五〇
MP 〇
強 五〇
速 五〇
賢 五
魔 〇
耐 五〇
運 八
スキル
速足・犬歯・舐めとり
ニホンオオカミ(〇歳)
状態 独立一家の世話好き次女
LV 七
HP 七〇
MP 〇
強 七〇
速 七〇
賢 五
魔 〇
耐 七〇
運 八
スキル
速足・犬歯・甘噛み
両親に続いて子にも・・・なんか一頭だけ頭一つ抜けてるのがいるなあ。母狼に並んでるじゃん、末娘?
レバーをその世話好き次女LV七の前に放ってやると、先に食べていない次男が咥えていった。序列はLVの高さ基準ではないようだ。
とにかく、狼たちは順番を守って争わずにレバーを食べていく。合間にゼナが横入りしていたが。
結局、一〇㎏以上あったレバーを全部消化したところで朝食は終了となった。
俺は焚火にいつもより多めに薪をくべ、火力を上げる。そこに寄生虫を少しずつ流し込んでいった。途中火が消えかけては薪を追加しながら、全部処理し終わるのに一時間以上かかった。
食後の作業としてはいろいろきついものがあったなあ。
気を取り直して今日は狼皮の脂肪と肉落としだ。




