戻ってもイノシシの後処理で大変のようだ
牧場の家に戻って、俺は外と家の竈の火を付ける。
「クマックマッ」
ゼナが怒っているのは俺が血まみれでイノシシ臭いからだろう。
〈川で身体洗ってくるから、暖を取る準備をしてるの!〉
家の中の火が安定したので、俺は暗い河原に体を洗いに行く。
行水してってえ! 寒行だよ! 苦行だよ! 羽ばたいて空とぶと飛沫と共に体温も飛んじまう。俺は家の竈の前に戻って体を温める。
ああ~、湯気が体から上がってるよ~。はあ~、温もってきたぁ。
「ゼナ」
「晩飯、イノシシだけど食うか?」
「クフー」
〈まあ、俺もまだ食ってないよな〉
外に出ると狼はすでに戻っていた。
俺は消えかけの火を再燃焼させて焚火の周囲を温める。イノシシを収納から出して前脚を切断し、胴体を仕舞いなおす。
ありゃ、イノシシって前脚の方が太いのね
ゼナが抗議っぽく頭を俺に擦り付ける。
〈なんだ? 肝臓か? 見ただろあの大きさ。あれをここでかっ捌くわけにはいかないんだ。明日、日が昇ったら出してやるから、今日はこれで我慢しな〉
「クフー」
〈今日はよーく焼いてから食べるんだぞ〉
「クフー」
捌いて気付いたが、イノシシはダニや虫や寄生虫の宝庫だった。
狼たちと違ってゼナ経由で病気をジニーにうつす訳にはいかんからなあ。
ウェルダンの肉をゼナに与えつつ、火の通りが悪い部分を狼に与える。半生だが十分に温かいので狼たちは満足しているようだ。
イノシシの肉は、堅い臭い汚いの三Kだった。汚いというのは見た目だな。妙な肉溜が各所にある。これは脂肪溜だろうか? 中に寄生虫や膿はない、よく火を通すと小さくなるので大丈夫そうだが。取り除いて火にくべると黒煙を上げてよく燃える。ただし、肉の味は豚独特の味? 悪くはない。塩を掛ければ十分に美味いと言えるだろう。ゴートや鹿とは違った風味なので、味覚の種類が広がった点はありがたい。
そんなことをしていると若オオカミの一頭が俺の体を舐めにくる。どうやら俺の体に残ったイノシシの血を舐めとってくれているようだ。世話好きさんだな。
ゼナが満腹になったのか屋内に戻った。俺も戻って身体を温めよう。
ジニーが竈の横に座っている。火が赤々と燃えている。ジニーが薪をくべていたのか。すごい零歳児だな。
ジニーは戻ったゼナに抱きつき、ゼナは乳首の準備をして、いつもより遅い授乳が始まった。
暖かい部屋で一息ついたんで、ステータスを確認だな。
ザンザ・ガンガ(零歳)
LV 五三
人種 竜人
状態 ラウドズライグ
HP 三一〇
MP 三八九(四七〇)
強 八七
速 一四〇
賢 二七〇
魔 三八〇
耐 九七
運 八〇
スキル
強発声・強化爪・鑑定眼・ふりおろしっぽ・音索敵・女神の福音
空間魔法・重力魔法・風魔法・火魔法・土魔法
女神ポイント 五〇
あのイノシシLV一五だったよな。魔物じゃないとしてLVアップがあるだけ儲けものと考えるべきかな。
あとは、今日のお祈りか。
〈今日の新しい肉の恵みに感謝します〉
〈女神ポイント一〇を付与します〉
〈今日のLVアップに感謝します〉
〈女神ポイント一〇を付与します〉
〈今日の・・・いや、もういいや〉
〈ちょ、ちゃんと祈りなさい。ネタがあるんでしょ?〉
〈いや、ネタって、ただ、祈りのネタにしちゃあ、軽いなとか思ってさ〉
〈判断はこちらでしますから、軽くていいから、祈っちゃって!〉
〈軽いのはあんただよ!・・・ジニーの育成の進歩と成長に感謝しますって、よく考えるとそんなに伸びてるわけじゃなったからさ〉
〈その伸びを今日たまたま感じたと、良いじゃありませんか、女神ポイントを一〇〇付与します〉
〈良いのかよそれで!〉
〈良いんです。そんなんで!〉




