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岩塩は別の谷にあるようだ

 ゼナは草原をしばらく走って、北側の山を登り始めた。けもの道ではなく岩山をである。ゼナが岩に爪を立てると簡単に岩が抉れて足場ができる。そこをするすると登ってゆく。土魔法のはずだがMPが減っていない。どうやらステータスに「土爪」というスキルが生えていたのでこれを使っているのだろう。付与魔法のようなもので一度発動すると継続的に使えるのでMPが減らないのかな。

 俺はジニーを抱きかかえて軽く羽ばたきながらゼナに追随している。もちろん俺とジニー双方が重力クラフトで浮きながら不規則な斜面を上昇しているのだ。

 ゼナが尾根まで登り切って、その尾根沿いを緩やかに上りながら進み、開けた岩場に出たので休憩するようだ。

 休みながらジニーに授乳し、俺は大量にストックしていたケンポナシの実をゼナと分け合って食べた。一時間ほどジニーが昼寝から起きたので、移動を開始する。まだ正午前だ。

 北側が切り立ってきて谷底が見えてくる。時折、熊を見かけるが熊の里と言うほどでもないようだ。距離のせいだろうか鑑定は出来ない。熊の鑑定、面白いのに。

 ゼナが駆け始めたので、俺はジニーを抱き上げ飛行する。ジニーも心得たもので重力クラフトで軽い。ゼナも軽快に岩山を乗り越えている。

 ゼナが立ち止まり崖下を覗いている。下方に白い岩肌が見える。

 ここか? ここなのか?

 ゼナが尻を下に向けており始める。この崖オーバーハングこそないものの、ほぼ直滑降なんですけど。

 ゼナが崖に爪を立てると体が下にずれる程に後ろ脚が崖にもぐり込み、もぐりきったら、前足を支点にしてまた下に滑り落ち、膝で止まる。それを繰り返しながらゼナはずるずると安定しながら崖をずり落ちて行った。谷底の上り傾斜の先に白い岩肌が続く場所がある。俺はその不透明な乳白食の岩を舐めてみる。確かにしょっぱい。変な渋みやざらつきは感じられない。良い岩塩だ。

 俺はジニーを岩の窪地に置いておいて、上方にある不純物が少ない箇所で、空間切断を使い岩塩の表面を切り、岩肌から倒れこむ塩の柱を亜空間に収納する。

 慣れてきたので、三角柱に形を整えながら切り出し収納していく。

 ジニーも俺の真似をして塩を舐めている。嫌ではないのだろうがすぐに飽きて、同じく塩を舐めているゼナの背中に移って行った。

 そして、背後から五頭の熊が近づいてきた。距離は五〇メートル程ある。まあ、音で気づいていたのだが。

「ゼナ」

〈気づいてるよな〉

「クマッ」

 声が警戒音なのは油断はしていないということなのだろう。

 ゼナは振り返り、熊の群れにゆっくりと近づいていく。


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