俺は脱皮して成長するようだ
次の日、俺は体に異常を感じた。
体が痛い。というか、肌に痛みと痒みを感じる。あれか、ゼナからやばい寄生虫をもらったか?
俺は体を動かそうと地に両手をつけ、四つ足状態で体を支える。ピシッと何か体の表面が軋んで痛みが走る。あ、これはあれだ、海で日焼けしてヒリヒリするやつ。俺、そんなに紫外線の下にいたっけ?
体表だけではなく喉も痛い。俺はわざと咳をしてみるが、やはりピシッと変な軋み音がするので、喉をこすってみるとポロポロと何が剥げていくって、これ脱皮じゃねえか?
ゼナが気付いて心配そうに俺を見ている。
「ヘナ・・・ハニャ・・・」
声に張りが出ない。
「ヘナ」
〈ゼナ、大丈夫。これは脱皮だ。毛の抜け替りと変わらないから〉
「クフー」
ゼナは分かってくれたのか、肯定の返事をする。
そして、俺の首を舐め始めた。
「フノッ! フニャ!」
思わず情けない声を出した俺は、止めるように念話しようかと思ったが、明らかに舐められたあとの痛みが和らいだので、そのままゼナに任せることにした。唾つけときゃ治るってホントだったんだな……
その日の移動は、ゼナの背中と浮遊異動でゆっくり進んだせいで距離を稼ぐことは出来なかった。
ひと晩経つと俺の体の痛みは、ほぼなくなって一安心した。ゼナの世話になってしまったが、本来は水にでも浸かってれば良かったのかも知れない。
起き上がってみた、ゼナとジニーの視線が変だ。いや、俺の目線が変なのか、視界が高い。
俺は、ジニーの手を取ってみる。俺の手が明らかに大きい。
し、しかし、いきなり猛獣サイズということでは無い。部分部分が倍近く育っただけだ。質量が倍化した程度だ、多分。
しかし、一晩で倍に育つか? 体も痛くなるわ!
しかし、生後一週間でこれか? 今後このペースででかくなったら恐竜サイズになったりしねえよな。 俺、ドラゴンだけど大丈夫だよな。
いつまでもここでじっとしている訳にもいかないよな、とか思ってたらゼナが移動し始めた。
俺はゼナについて行きながら翼を広げてみる。
うおおっ、まだ翼には痛みが残っているよってか、昨日ゼナに舐めとってもらった時以外全然翼広げてなかったわ、甘やかしてはいかんなあ。
翼は痛いが、それ以外の体には異常はない。と、いう訳で俺はジニーを抱き上げてみる。今までは前抱きで尻を抱え込むようにしか抱き上げることが出来なかったが、二桁の「強」のおかげか、お姫様抱っこもできるようになった。ジニーは嫌がってすぐにゼナの背中に逃げてしまったが。お兄ちゃんショック!
しかし、ジニーも体重増えているな。竜人に変わった時は前世基準で六キログラム程度だったが、今は一〇キロ(翼含む)超えてるだろ。
飛翔は明日に伸ばしてみよう。緊急事態には重力魔法と空間移動で大丈夫だろう。




