ご褒美は大切だろうなあ
サーセン、いきなりタイトル間違えました。編集します。
戻ってゼナ、ジニーと合流する。尻座りしているゼナの前足にしがみついているのは泣き止んで、すっかり子熊ポジションが板についたジニー。
「ゼナ」
〈上からの土砂はもう来ない。出るか?〉
「クフー」
ゼナは流れた後の地面を踏み固めるように慎重に進み始めた。まあ、この体で土に潜ったら、中々出られないよね。その時は俺が重力魔法で浮かせるけど。
俺はジニーの手を引いて岩や倒木の上を飛び移りながら、ゼナについていく。
途中でゼナは沢を外れて、緩斜面のけもの道を上り始めた。分からないこともない、増水中の川岸を進むのは悪手だ。
尾根に出ると大きな木が裂けて倒れて湯気を上げていた。雷の直撃だな。俺は急いで乾いていそうな木片や枝を片っ端から亜空間に収納していく。今しばらくは乾いた薪の確保は難しいと思われたからだ。
尾根は東に向かって下っているようだ。樹木が無く開けた場に出て、辺りを確かめる。後ろに日が傾いていく。南に最初下ってきた川があるはずだ。北西に竜人の砦。俺たちは基本的に南東に向かっているようだ。
尾根に沿ってしばらく下って、南に進むけもの道から斜面を下る。途中の開けた原っぱでゼナは立ち止まり、座り込んだ。
ふむ、今日はここでビバークか。
俺は近くの倒木から薪を確保して戻る。地面に乾いた薪を先に並べて火をつける。草地は湿っているので山火事にはならないだろう。火が強くなって煙が出なくなったので俺は石を一個取り出して火元の周囲に置く。
熱くなった石の上に狼肉を焼き始める。
授乳をしているゼナは明らかに不満そうだ。
「ゼナ」
〈先入れ先出しだよ。先に処分したいんだよ。溜まっていくばっかだからな狼〉
ゼナは顔を横に向けて俺を見る。
〈なんだよ。不満か? うーん、まあ、今日はゼナのおかげで助かったから、大判振る舞いするか。いいよ。焼くよ。山羊肉〉
「クフー」
ゼナはこちらに顔を向けて頷く。やっぱ、それが肯定のサインなのね。
俺は山羊の塊の皮を剥ぎ始める。
狼は俺が食うか。狼を咥えながら、替りに石の上に山羊肉を乗せる。
その途端ゼナは山羊を食べ始めた。そんなにか! そんなに欲しかったか山羊肉。
ジニーは振り落とされたが、意に介せず再びゼナの乳首に吸い付いている。ジニーの野生化は深刻だ。
俺は次の山羊肉を焼き始める。今度は流石にレアになるまで待って、ゼナは食べはじめたのだった。
その夜は風が強かったが、概ね平和なものだった。
朝食(レア焼き山羊と授乳)を済ませ、俺たちは沢に降り、東に進んで川にでた。二山超えた後の川は川幅が広くなり、水量も今まで見た量の三倍以上はあるようだ。その必要があるかどうかわからないが、対岸に渡るのは難しそうだった。
ジニーの衣服(ただの布切れ?)が泥まみれなので脱がして洗濯をする、その間の替え着はスパッツの股下部分をパレオ風に腰に巻いてみた。ゼナが今まで服で隠れていた部分を舐めてグルーミングしている。ジニーのボディに毛はないが。
「きゃきゃきゃきゃっ!」
ジニーが笑い声をあげる。この声を聴いてるとゼナに出会て良かったなあと、つくづく思う。
だからという訳でもないが、俺はゼナの体の土汚れを魔法グルーミングで綺麗にしていく。
その後は採り食いしながら川を下って、その日は移動のみで川岸で焚火をして就寝。




