この世界には超人とかいるようだ
驚異的な鑑定結果その一人目だ。
名乗ったツルギという男よりも前に出ている190㎝はあるんじゃ無いかという
長身の男。
肌の白いアラブ風のイケメンだな。
ヤイバ(22歳)
LV 88
人種 亜人
状態 超人
HP 820
MP 250
強 860
速 260
賢 190
魔 270
耐 770
運 31
スキル
剣極・秘剣1(秘剣返し1)・秘剣2(秘剣返し2)・秘剣3(秘剣返し3)・秘剣死(秘剣返し死)・秘剣統合技・身体強化
収納魔法・斬魔
「亜人」「超人」ってなんだよ?
「HP」と「強」「耐」がトンでもねえし。
三つ足したらゼナを超えてるやん!
スキルの「ケンゴク」?
「秘剣」に「秘剣返し」?
更には「秘剣死(秘剣返し死)」これって即死技のことじゃないの?
剣技って極めるとこんなになっちゃうの?
「斬魔」ってもしかして剣で魔法を切っちゃう?
「速」が俺のを余裕で越えてるから相手にならんだろうなあ、俺じゃあ。
ヤイバよりやや背が低いけど十分デカく見えるこいつ。
ハガネ(18歳)
LV 91
人種 亜人
状態 超人
HP 930
MP 450
強 960
速 200
賢 110
魔 400
耐 960
運 35
スキル
徒手格闘奥義・盾の術技・剣統合技・身体強化
収納魔法・念盾・水魔法
ヤイバが居なけりゃ十分イケメンで通るよね。
物理特化に見えて魔力高いじゃん。
こいつも地味に「速」侮れないし。
「盾の術技」? 技術じゃないの?
ああ、念盾! これを使う技ってことね。
タンク職みたいなもんかな?
ああ、この人が・・・
ヒューマンで「超人」か。
息子と何処が違うんだろか?
ツルギ・ユメノ(41歳)
LV 92
人種 ヒューマン
状態 超人
HP 780
MP 380
強 760
速 240
賢 250
魔 400
耐 660
運 40
スキル
徒手格闘奥義・身体極限強化・剣統合技
水魔法・火魔法・光魔法・風魔法・土魔法
身体極限強化・・・何となく凄いっていうのは分かる。
徒手格闘奥義ね、無手でも無敵っぽい。
魔法スキルもMP「魔」も十分高いよね。
そして出た!
カンスト!
カルナ・ティーマー(41歳)
LV 99
人種 獣人
状態 獣化の呪い・妊娠5か月
HP 950
MP 50
強 960
速 500
賢 80
魔 40
耐 960
運 20
スキル
メタモルフォーゼ・人化・強化爪・超回復
メタモルフォーゼ? 獣化の上位互換か?
しかし、既に獣化してるように見えるけど。
裸のスキンじゃなくて全身短い柔毛で覆われているが、馬の体皮の様に筋肉に血管が浮いて見えるんだよな。
今は二本足で歩いてるから、獣化して四つ足で戦うんだろうか?
この目力の強い狐顔の美人さんが王女で、9人か10人、子がいるんだよな。
バンバン産んでるのは超回復とこの物理特化ステータスのせいなんだろうなあ。
で、一番ヤバいのがこいつ!
ツバキ(12歳)
LV 61
人種 亜人
状態 超人
HP 430
MP 650
強 460
速 700
賢 430
魔 500
耐 360
運 28
スキル
光波集束・光波剣・光波粒子砲・熱光波線・身体強化・徒手格闘技
光魔法・火魔法
「速」と「魔」の数値がトンでもねえ。
しかも、それがただの光魔法じゃなくて光波の攻撃魔法だと?
「速」700でこんなの使われたら不可避じゃん!
そんな最凶魔法少女は母親によく似た美少女だった。
6人目は赤ん坊を抱いているので今は鑑定できない・・・とか思っていたらヤイバから声をかけられてしまった。
「ああ、そこの翼持ちのあんた? 何もんだい?」
ああ、ガン見してて自己紹介するの忘れてたよ。
「俺はザンザ」
俺はゼナの上のジニーを抱きよせて、紹介を加える。
「コイツはジニー、兄妹両方0歳だ」
ジニーは浮き上がって俺の頭の上に乗る。
「兄弟?」
「似てねえー」
「でもさ、両方翼ついてる」
勝手なことを言ってくれてる。
「で、元帥の御子息なのかね? ツルギ様? 辺境を旅してるってのは聞いてるよ」
マロンがツルギに訊く。
「知っていたか、だからという訳じゃねえけど、この山羊を交換して欲しくてね。乳の出る牝山羊が必要なんだ」
「その子の乳かい? もう歯が生えてきてるじゃないか。乳離れが近いんじゃないの?」
「それならそれで、山羊の乳は俺たちの旅に有用なんだ」
「分かる話だけどねえ。交渉は旦那と息子にしてもらえるかい? 現物の前で―――」
マロンが口を止めたのは、ジニーがツルギ一族の赤ん坊の前にフワフワと寄って行ったのだ。
俺もついて行く。
何か粗相があったらいけないからな。
モニータと同じくらいの娘が抱いている赤子、見た目はジニーと同じ大きさに見える。宙を浮いて近づいてきたジニーに目を見開いて反応している。
「がうがう」
と言う赤子に
「がうがう、ちがう」
ジニーが応える。
「え? この子もう話しできるの?」
ツバキという娘が驚いている。
「片言だけどな」
俺が補足する。
「ジニーだよ。0歳五5か月だ。お名前は?」
「ダイゴ、1歳6か月だよ、ジニーはおっきいねエ」
モニータと同じくらいの歳の娘が答える。
ポッチャリさんだが。
ジニーが大きいと言うより、手足と首がしっかりしているという意味だろう。
手を伸ばしてジニーのどこかを握ろうとするダイゴを、重力魔法で浮かせて引き寄せる。
「気を付けろ、接触がないと浮力が切れる」
俺が注意するのを心得ていたモニータが下からダイゴを両手で支える。
娘が一人になったので鑑定出来るようになったが、
ハギ(8歳)
LV 22
人種 亜人
状態 旅人
HP 150
MP 155
強 110
速 75
賢 110
魔 160
耐 80
運 25
スキル
身体強化・メタモルフォーゼ・人化
食糧庫
姉と比べると見劣りするが、十分に人種の大人を凌駕してるじゃねえか!
何気にバランス良いし、ポッチャリ美少女さん。
「ダイゴ、ずーるーいー」
とか言ってる3歳児。
コナタ(3歳)
LV 6
人種 亜人
状態 旅人
HP 90
MP 15
強 60
速 24
賢 11
魔 18
耐 40
運 17
スキル
強健
こいつも3歳児にしちゃ、すごくね?
物理特化の片鱗が伺えちゃうよ。
俺は重力魔法でコナタを釣り上げて、頭上で浮かしたまま頭と尻尾で支えてやる。
「アハハ! アハハ! アハハ!」
コナタは俺の三日月頭の両端耳角を掴んで足をバタバタさせて笑っている。
「お楽しみに水差して悪いけど、山羊は亭主と一緒なんだ。一緒に来てもらえるかい?」
「各人の自己紹介は主殿の所で―――」
「あたいハギってーの」
そのすぐ後ろでモニータにハギ8歳が話しかけていた。
「――好きにさせてもらって構わないか?」
「はははは、こんだけ大所帯なら、そうなっちゃうかねえ」
その前ではジニーがダイゴをゼナの背中に一緒に乗せている。
慌てて、ツバキが熊に寄り添う形になる。
「あの熊は? ミカヅキグマか?」
「ああ、牝熊でね。ジニーの乳母をやってくれてるのさ」
「熊が乳母? ホントかよ。ああ、俺ヤイバ」
「うちもトンデモ一族だが、あんたのところも大概だなあ」
「ウマが合いそうだ」
「特に母者と」
獣人の母親は最後尾でゲンとジャンに懐かれている。
俺の横ではジュンが私は浮気しないわよとか言いたげについてきている。
「この狼たちも飼ってるのか?」
「まさか、冬の間に居つかれちまってね。ゼナ、熊の名前だけど、あれの子分みたいなもんさ」
「熊が狼と群れるのか?」
「いや、そうじゃなくって、うちの牧場に留まるためのルールと序列って感じかな」
「ああ、山羊だ!」
「山羊だ! 山羊だ!」
「山羊が沢山!」
これがツルギ、ヤイバ、ハガネの声である。
子供か、お前ら!
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