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未完成でも宿題はやらないといけないようだ

身体中が血脂と訳の分からない物質で、ベトベトだ。

川から広がった大きな淀みの淵に立つ。

ゼナが土魔法の土津波を使った場所だ。

川の水が流れ込んで小さな溜池になっている。

何か魚がいるけど、まあいいか。

水中に空間切断面を作り俺の頭上につなげて水浴びするのだ。

俺の上から水の塊が落ちてくる。

え? 嘘? ダメージになってる!

ちゃんと重力魔法で重さ半分にしたのに?

HP10持っていかれたよ。

そ、そうか、頭上からの距離、落差からの加速を計算に入れて無かった。

じゃ、ねーよ!

これだよ! これ!

俺の周囲でぴちぴち跳ねてる奴!

なんだよ! まとめて落ちてきやがって!

俺はそれを摘まんでしげしげと見てみた。

鯉? ウグイか?

濃い赤青黄の縦縞は婚姻色か。


ロッセンマルタ

ロッセン海から遡上してくるコイ科の魚


しかしデカいな。

50cmはあるじゃねえか。

まったく、とんだ質量攻撃だよ!

周囲を見渡すと他にも色々な種類の魚がいた。

多いのは小型の川魚だ。

ハヤかカワムツか? 元気そうにしてるのはカワハゼかドンコか? あ、アマゴみたいなのもいる。

ジニーがゲットしたロッセンマルタ1匹以外は全部収納だ。

ジニー、楽しそうだな。

そのぬるっとピチピチ感、マスの時も気に入ってたよな・・・将来ROションプレイに走らせないように気を付けよう。

焚火台を片付けよう。

ニオたちにも肉あげないといけないからな。

ゲンたちはここに夕方まで残るつもりのようだ。

大きな岩をどけて、その下に穴をあけて内臓内にあった廃棄物質(多くは語りません)を埋めて、また岩を戻しておくことは忘れない。

この斜面は日当たりが良くてのんびりできるのだろう。

ジニーの手のぬめぬめを舐めとったゼナも帰るようだ。

ジニーと一緒に背中に便乗させてもらおう。

途中の草原で山羊と一緒にいるのはエレトンか。

山羊はゼナを警戒しているのか、全員こちらを見ている

家に向かって、山羊から離れていくのが分かると、安心して草を食べ始めた。

着いてからは、まず、ニオとラクに肉をやろうとしたがニオは絶賛授乳中なので、先にラクに収納していた焼いた大小の腸を与える。

細切り麵状の肉は食べやすそうだ。

肉の匂いに堪らずニオがお腹の仔を引きずりながら出てきたので、食わせてやる。

ラクが満足しかけた頃にタエがモニータとオリパに連れられて(を連れて?)加わった。

「やだっ! ジニーもザンザもくっさーい!」

モニータ、自覚している。(俺は血脂と臓物、ジニーは魚の臭いです)

〈ああ、タエ、舐めとるのは食ってからでいいからな〉

指と爪を舐めようとするタエにホルモンの塩焼を食わせてやる。

ゼナはいつの間にかいつもの2頭とジニーに授乳している。

ジニーを舐めて綺麗にしているつもりのゼナだが、魚の臭いがお前の涎臭に変わってるだけだから。

それをホッコリした顔で見ているオリパ。

ラクとタエが手や顔を舐めまわしてくれるに任せて暫く、手が自由になったので亜空間から国境警備隊から預かった剣や金属を取り出して、石の上に並べる。

鉄剣は錆が酷いな。

手入れなんかしてないのだろうから当然か。

その中には剣ではなく、鍬の先もある。

片側が摩耗して変な形になっていたので武器だと思われたのだろう。

空間魔法で切断して形を整え、欅の棒を取り出し、片側を四角に、持ち手を楕円に切り出し柄を作る。

持ち手側から鍬の穴を通して固定できる位置に、別の剣から切り出した楔を挟んでハンマー型の石器で叩きながら固定する。

ト鍬とバチ鍬の中間のような農具が出来た。

まあ、使えるだろう。

は、こんなの作ってる場合じゃない!

釘だよ釘! 作んないとイケないのは!

ボロイ剣の中から錆びついたものを選び、錆びついた部分を空間切断で切り捨て、薄く板状にしてから裁断し太い針を量産する。

で、青銅の剣から細い針金状に切り出し、先端を火魔法で熱して赤く溶けて小さな玉になった物を針の尖った先端とは逆の部分に押し付け癒着させ、頭を作り「釘」にする。

木の板と角材を亜空間から取り出し、石器で「釘」を打ち込んでみる。

上手く板に潜り込み下の角材に固定できた。

今度は剣の先を平たくし、二股部分を作る。

その先で釘の頭を挟み込み別の剣を板の間に挟み込み梃子の代わりにして釘の頭を引き抜いて・・・抜くことは出来ず、頭は取れてしまった。

「釘」としての役割は半分成功かあ。

夕方までに針状の鉄釘を大量(1000本強)に作った。


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