エピローグ
「エイシャ、カイン! 久しぶりっ! 元気にしていたかしらっ?」
「お祖母様、相変わらず元気ですね。今日はどうしたのですか?」
いつものように祖母は幼女の姿で両脇に瓜坊と黒毛玉を抱え小屋にやってきた。
「ちょっとだけパイアとジェットを預かって欲しいのっ」
「またですか?」
「今度はちょっとよっ! じゃ、急いでるから」
そう言い残し、祖母は去っていった。
「相変わらず、嵐のような方だ」
あれからパイア叔母様は聖獣達に父と一緒に魔獣城に送られていた。
父の怒りは相当のもので魔獣城は半壊したらしい。
パイア叔母様は倒れたまま目覚めず、私の母である魔女メーデイアが彼女の体を調べることになった。
結果はというと、輝石と魔石が上手く融合しておらず、反発し合い生命を維持しているだけとなっていたようだ。
そして祖母の手により、ジェット同様の処置が行われ、神々から渡された薬をパイア叔母様に飲ませた。
パイア叔母様は元の体が維持出来ず、神からの薬で新たな体を手に入れた。ジェット同様に小さな子供のような姿になってしまったけれど、意識が戻った。
父は妹が小さかった頃を思い出し、遊んであげているが、パイア叔母様は父の力技にいつも怒っている。
ジェットも叔母様も仲間だと認識しているようで二人の仲はとてもいいようだ。
最近、精霊の森に帰ったガロンを呼び出した。
「エイシャ様、どうしたのですか?」
「ガロン、呼び出してごめんなさいね。ちょっとの間、この子達を精霊の森に連れて行って欲しいのよ」
「パイア様、ですか。この間精霊王に頭突きをして怒られたばかりですが、仕方がありませんな。二人とも行きますぞ」
「ピギィー!」
「ピー!」
ガロンは仲間の精霊達と仲良く暮らしており、祖母や私の依頼の手伝いをする時だけ精霊の森を出る。
「相変わらず騒がしかったわね」
「みんなエイシャ様を心配しているんですよ」
「あら、私の傍にはいつも魔王が付いているじゃない」
カインはエレガーデンで起こった事件で自分の弱さを痛感したらしく、修行の旅に出て、神々に教えを乞い修行したようだ。
旅から戻って来た時には異質な存在となっていて驚いたわ。
でも、中身は変わらなかったみたいね。
「生涯、貴方を全ての厄災から遠ざけてみせます」
「ふふっ、ありがとう。これからも宜しくね」
【完】
ようやく、ようやく完結を迎えることができました!
この作品を完結するのは少し寂しい気もしますが、待ち続けている読者様方にも申し訳ないと思い今回はカクヨムコンをきっかけに完結することにしました!
次回は…書き始めているのですが、まだ冒頭部辺りを何度も書き直している最中で公開するには時間がかかりそうです。
いつも皆様の応援に支えられてます!
今回も最後まてお読みいただき本当にありがとうございました⭐︎
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