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村と幼女の幸せ計画  作者: 天狐
幸せ第10章
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2、東の現状

次の日から、早速研修へと取り組み始めた。


今回研修に来た村人達は総勢17名。

全員が大人で、幼い子の姿はなかった。

前回が西側の村だとすれば、今回は東側の村から訪れたようだ。


西側よりももっと貧しい土地なのか、随分と痩せこけた村人が多かった。


「ひがしがわは どんなとこなの?」


思わずナールさんにそう問いてしまった。


「ここと大体似たような環境だけど、決定的に違う事が2つあるんだ。

1つ目は、土壌的に農作物が上手く育たない。

2つ目は、これをルンちゃんに言っても難しいだろうけど、管理者不在。

勿論その土地にはご領主様はいるのだけれど、それぞれ管轄があってね。東の地形は複雑な形だけに、どちらともつかない土地が出ているようなんだ。

それを管理する人が居ないがために、誰にも訴えられない漏れた人がいるんだ。

その漏れた部分に住む人達が彼らのような村人達なんだよ。」


この村で例えるなら、この村を始め町までを管理しているのが領主であるドートリア男爵様。

だけどもしこの地に領主もいなく、それを指摘する人もいなかったとしたら•••••

多分ライ達と同じ末路を辿っていたか、この村ごと自然災害でなくなっていたのかもしれない。誰にも気付かれないままひっそりと。

それを考えると、ゾッとした。



「くにに うったえないの?」


「それをする為にこの地のご領主様に働きかけているんだけど、他の領地なだけに不可侵権に当たるからね•••慎重に動かなくてはいけないから、時間がかかるんだよ。

だからまずは彼らが生きていけれるようにして、彼らの土地が以前より豊かになったらどこかの領地に統合されるかもしれないと思ったんだ。」


乏しければ見向きもされない土地だが、豊かになったら管理下に置きたいだなんて•••

そんな都合で村人を管理されたくない!


不満が顔に出ていたのかナールさんが


「分かってるよ、ルンちゃん。都合良すぎる管理体制って事も。

だけどね、まずは取っ掛かりが必要なんだよ。それだけ東側の領地全体が貧窮しているって事だからね。

国に直接訴えても、国はまずはその内情を調査して、管理下の振り分けや見直しから始めてそれに伴っての領主同士との話し合いなどで今以上に時間がかかってしまうと思う。

そもそもこの複雑な地形になったのは、過去の戦争や自然災害によって統合・遮断を繰り返した結果だからね。」


だとしたら彼らはこの国の、被害者だ。


過去の戦争や自然災害での被害の実情をしっかりと把握しなかったのは、国の責任。


どんな事があっても、どんな土地になっても人は生きていく為に生活し続けなければいけないのだ。


けれど、国だって訴えがないままなら細々としたところまで目が行き届かないだろう。

不可侵権を良いように捉えて、領主様など管理者の怠慢により長年放置していた事で、ライ達のような子が出てしまったんだ。


"不可侵権"これによって人の生活が脅かされる。


ならーー


「ギルドならふかしんけん かんけいない?」


王都の他に東西南北にギルドを置いて、村や人々の情報を共有。

そしてギルドを通して現状を領主もしくは国へと訴える。

これなら誰も不可侵権の壁に隔たれる事なく安心して暮らしていけれるようになるのではないか?


「ギルドがそこまでの効力を持てないと思うけど。

情報を共有して人々の暮らしを把握できるようにはなるかもしれない。」


そう言うと、ナールさんは今度ご領主様に相談してみると言って、詳しい話を聞くために研修生の方へと向かって行った。


閲覧いただき、ありがとうございます。

誤字・脱字等ありましたら都度訂正していきます。

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