1、逃げるの禁止
新章スタートです
朝更新させて頂くのに、内容が暗いため
夕方に更新させて頂きました。
全く予想だにしていなかった、産みの親達との再会に動揺と焦りと不安にかられていた子供達だけど、今の親から貰った言葉を受けてポツリポツリと3人は本音を話していった。
「僕、役に立たない子だから、捨てられたの。
だから僕を引き取ってくれたお父さん達にまた役立たずって思われたくなくって•••ヒック•••
だから、僕•••ヒク、役に立つところ見てもらいたかったんだ、ウゥ•••
だって、大好きだから•••!」
「僕は皆んなみたいに、何か知ってる事がある訳じゃないから•••
引き取ってくれただけでも嬉しかった。
だけどお父さん達の間には偽物の子供は入れないと思って•••ヒク、せめて一緒に入れるために弟子になろうって•••
だから、手をわずらわせちゃいけないって•••ヒック、思って、ヒグッ•••僕だって大好きなんだもん!」
「グズッ•••私だってお父さんお母さんの事大好きなの!
だから、ヒグッ、嫌われるのが、怖くって•••!
ヒック、捨てられたく、なくて、ヒック
だから、だから•••ふぇーん!!」
3人の言葉はすごく胸に刺さった。
私は一体何を見ていたのだろう。
こんなにも日々"捨てられる"との思いに恐怖していたなんて•••!
ごめんね、気付いてあげれなくて、ごめん•••
少し落ち着いてから周りを見ると、ライ達の産みの親が下を向き泣きながら立っていた。
こうして見ると、子を捨てるほど酷い親には見えない。
何故そうなってしまったのか•••
「ごめんな、さい•••、本当にごめんなさい•••。
やっぱり私達が来るのは間違いだったんだわ•••、こんなにも、傷つけた子の前に•••」
「申し訳ありません、帰らせて、頂きます•••
合わせる顔がないのに•••うぅぅ、自分達のせいなのに、会いたくて•••」
それぞれ泣きながら謝罪し帰ろうとしていた。
何それ。そんな事、許さない。
それじゃそっちが被害者みたいじゃないか。
どちらが悪いとか言うつもりはない。
でも、それはこの子達から逃げるのと一緒じゃないか。
「にげるの、だめ!せっかくきたんだから、ここでべんきょうしていくべき!」
思わず感情のままに声を上げてしまった。
言ってしまってから3人を見ると、親に抱きつき顔を隠していた。
だけど、その背中から"拒絶"の気配が漂っていたのを感じた。
それを見て、はっとした。
自分の感情は3人にしたらただの偽善で、余計な事だったんだ、と。
またしても失敗してしまったのだろうか•••
「ルンの言う通り、勉強して何かを身につけて帰って下さい。
それは、この子達への贖罪にもなります。」
父やそれぞれの親達が肯定の言葉をかけ、こんな事言うのは偉そうに聞こえるかもしれないが、と前置きをしてから、3人に言い聞かせるように言った。
「ここへ来るにも勇気がいったと思う。
罪悪感があるなら尚更に。
何も感じないで来れるような厚顔無恥な人がいたなら、この雰囲気はただただ居心地が悪いだけだろうな。
俺たちはこの話を聞いた時、正直言って反対だったが•••
だがこの村へと来れる勇気と、本気でやり直そうと思う気持ちがあるならば、研修生として受け入れようと思ったんだ。
ここへ来て研修して行ったとしても、ここでの研修は足掛かりにしかならない。
その先は各々がやっていかないといけないから。
だから、今度はお前達がこの人達を見極めるんだ。もう1度自分達を、自分達の村を立て直そうと本気で思っているのかを。」
「ライ、お前を傷つけさせるなんて絶対にさせない。リックやエリンもだよ。
だから安心しなさい。」
その言葉を受けて、3人はおずおずと今の親をここへとやって来た産みの親を見た。
そして意を決したように、硬い表情のまま頷いた。
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誤字・脱字等ありましたら都度訂正していきます。
明日はまた朝6時更新させて頂きます。




