8、今年は村ごとに対応します!
冬の終わりを待ちながら、模範村としての準備を進めていた。
「こんかいは3つのむらからだけど、むらごとにすごせたほうが あんしん?」
宿泊所と言っても、台所やお風呂、トイレが別の場所にあるだけのほぼ一間の体育館のような空間だ。
前回の時は総勢25名が、この一間に雑魚寝で過ごしていた。
だがそれではプライバシーもないし、何よりストレスがかかって仕方がないのではないかと思う。
今から作り直す暇も時間もないし、何よりこの広い空間を好んで研修生のいない時は村人が使っているのだ。
ならばその時だけ仕切りを作るのはどうだろうか?
イメージとしては、襖のような物を使って村ごとに取り囲んでしまえば良いのではないだろうか?
早速父に相談してみた。
「なるほど。そんな事を考えた事はなかったが、確かに区切るのは必要かもしれないな。
俺たちこの村に住む人は自分の家があるから、そう言った考えはなかったもんな。」
父は考えに納得と理解をしてくれ、すぐに仕切りを作る事に同意してくれた。
そして木工作業を得意とするカリーさんを始め、父や兄達で話し合っていたのだが•••
「この辺が丁度良いんじゃないか?」
「いやいや、そこだと両端は狭くないか?」
「思い切って真っ二つにするのは?」
計画や設計に関しては、全くもって頼りにならないのだ。
「バーガーさーん、あのねー、こういったかんじのつくりたいの。」
こんな時は頼りになる村の頭脳、サスバーことバーガーさんの出番である。
作りたい物や構想を話すとすぐに理解してくれて、父達に指示をしてくれた。
待つ事2時間。
出来たと言われ宿泊所を覗くと、そこには襖で仕切られた平等な大きさの空間が3つ出来上がっていた。
窓側に人2人分の幅の通路を作り、各部屋の入り口や壁は襖で仕切られ簡易的だが、独立した作りになっていた。
「これです、これ!こーゆーのあればもっとあんしんできるはず!
みんな、ありがとうー!」
この期間だけの簡易的にしては立派な宿泊所の誕生である。
これで各村ごとに対応できる!
まぁ最初の説明は宿泊所の外か襖を開いた状態でしてもらわなければいけないけど。
あれ?そしたら警備隊と話し合ったおもてなし計画が崩れるのでは•••!?
た、大変だ!私が持ちかけた計画を自分で崩そうとするなんて、信頼と絆ぐぁー••!!
「けーびたい、あつまれー!」
焦りのまま警備隊を招集し説明した。
「大丈夫よ!だって元々お茶出しとおトイレや宿泊所に案内する事だけだったじゃない。」
あれ?それもそうか。どうやら約束の言葉に縛られていたようだ。
臨機応変、頭を柔軟にしなくては!
柔らかく、お豆腐のようにフニフニに•••!
ぐるるる... あー、お腹空いた。
言葉には縛られたくないが、お腹の虫には縛られていたい。
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