2、夏の秘密②
秘密基地を完成させた次の日、皆んなでまた集まり改良を重ねて行った。
昨日の激しい雨で草の屋根は流され、周りを囲う木板のみ残された無残な姿になっていたのだ。
そして流された草が意外にも散らばったようで、大人にしらを切るのは大変だった。
「この草、どうしてこんなところにあるんだろ?」
「昨日の雨で流されてきたのかな?」
ワカラナイナァ。
ドーシタノカナ?
警備隊の面々と素知らぬ顔をしながら流された草の回収手伝いと言う名の、証拠隠滅をした。
「このはっぱとりやすいけど、ちいさいから もっとおおきいのにしよう!」
「そうね!やっぱり顔くらいの大きさがあるクマノテの方が良いかしら?」
「巨高木でも良いかもね!」
クマノテとは掌のような形をした子供の顔くらいはある葉っぱで、巨高木とはその名の通り大きいもので40cmはありそうな葉っぱが茂っている木だ。
どちらも屋根にするにも都合の良いものだが難点がある。
「どーやってとるの?たかくてとれないよ?」
そうなのだ。どちらも非常に高い木で、子供の背丈ではとても厳しいのだ。
木登りして試したが、
「また抱きつくだけになるから木登りは無理だもんね•••」
皆んなで木にへばりついて、全く登れずただただ大木の息吹を感じる様は、セミだ。
警備隊で頭を突き合わせ話し合った結果、取り敢えずもう1度行ってみようとなった。
秘密基地から出て山へと向かおうとしたところ、何とビックリ
「わぁー!いっぱいはっぱあるー!!」
クマノテや巨高木の葉などの大きな葉がたくさん祠付近に落ちていたのだ。
「雨で落ちてきたのかな!?良かったね!」
木登りしなくても良くなった5人は、この葉っぱを使って屋根の修復作業を急いだ。
また昨日のように雨で流されたら敵わない。
「木の枝も流されちゃったから、取ってこなくちゃだね。」
確かに。なら昨日も使った小さな葉っぱがたくさんついてる丸葉の枝ごと使ったら良いかもしれない。
「丸葉ならすぐ取れるからそうしようか!」
そして修復して完成した秘密基地。
なかなかに立派ではないか!
中に入ると葉っぱで覆ったせいか薄暗いけど、それがまた秘密基地っぽくて味がある。
「かんせいいわいしなくちゃ!」
「それ良いね!おやつ持ってこよう!」
そしてまたミッションの再開である。
兄や母の目を掻い潜り、ポケットにおやつを隠して家を出た。
「あんなにポケット膨らませて、バレバレなんだけどねぇ。」
「オルト達とルンちゃん達が言ってた葉っぱをたくさん集めて祠付近に置いたら、喜んで使ってくれてたよ!
この前見た時遊んでるのかと思ったけど、木に登ろうとしてたなんて思わなかったよ。」
「何していたの?」
「んとね、巨高木の幹に張り付いて一体化してたの。
てっきり木の真似してるのかと思ったんだよ。」
そんな全てを見られていた事も、秘密が既にバレている事も気づかず秘密基地へと急ぎ戻り完成祝いをした。
「夏の月はこの秘密基地で過ごすのも良いかもしれないわね!」
そんな言葉に皆んなで同意したが、すぐに後悔する事となった。
夏の2月になる頃には
「あつくてむーりー!」
密封されてはいないが、周りを囲まれた狭い空間は夏の暑さでサウナ状態。
汗だくとなり隣の祠へと早々に避難した。
閲覧いただき、ありがとうございます。
誤字・脱字等ありましたら都度訂正していきます。
小学生の頃、家近くの林で友達と秘密基地を作った時、蚊の襲撃と神出鬼没のヘビとの出会いに心が折れた思い出があります。
でも大人に隠れて作る"秘密基地"って、ドキドキワクワクと夢中になる楽しさがありますよね。




