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村と幼女の幸せ計画  作者: 天狐
幸せ第6章
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10、父のいない日々

ついに父達15人(とそれぞれに付いている弟子希望者4人)の村人が外へと行く日が来てしまった。

話を聞いた日からこの日まで、夜は5人で身を寄せて寝るのが習慣となっていた。


そして見送りの時父達からもお守りのお礼との事で曰く付き雪の祠があった辺りへと、村人達全員で向かった。

そこには何とも立派な建物が建てられていた。建物の入り口は大きくアーチ状になっていて、さながら木材で出来た祠のようだ。

中にはいると奥行き3.5mほどで高さは2mほどの空間が広がっていた。

そしてドキドキしながら先に進み••••



「おっきぃ くぎゃ•••?」


摩訶不思議な山神様の置物(ドデカバージョン)が、何故か番らしきものと一緒にデデンと鎮座していた。


これはどう反応すれば良いのだろうか。


そんな私の微妙な心とは反対に、他の人からは大絶賛の嵐。

建物だけみると、神を祀っていると一目で分かるような神聖な作りなのに、祀っているのが摩訶不思議な置物とはこれいかに。


でも父達の気持ちは十分に伝わった。




「それじゃ、行ってくる。」


永遠の別れではない。また戻って来る。

そう思えば気持ちも前向きとなり


「おみやげ わすれちゃ めよー!」


しっかりと催促したのである。




そして父達が出発してから3日ほど経つ頃には、いつもの日常が戻っていた。

いつもの巡回にいつもの昼寝。

しかしいつもでない事も加わった。


「ルンちゃん、これなんてどうかしら?」


「い、いーね。」


父達が作った祠の山神様に祈ったり掃除をしたり、ここでおやつにしたりとちびっ子達の集まり場になったのである。


そしてエリンは今、山神様の番らしきものに自作のリボンを付けていた。

しかも春に咲いた花で染色したそれらの色は薄い桃色。

猛禽類の表情なのに頭に桃色のリボン。

木工で出来た父渾身の山神様は、150㎝ほどの大きさがある。そんな山神様によじ登っての、飾り付けはシュール過ぎて感想すら抱けなかった。


事の起因は、山神様に父達の無事を祈って余ったお守り布を赤ちゃんの涎掛けのように掛けてしまった事だ。

そして多分主謀者は私である。


少しづつ着飾っていった山神様の姿はもはや人と同じように、服まで着ていて村人達には別な意味で愛着あるこの村の守護神となってしまったのだ。


そんな日々を過ごし、父のいない寂しさはあれど、それと同じくらい毎日に彩りを添えてくれる友達や母、兄達の存在は大きい。




そして季節は過ぎ夏の月に入った。

私は1つ歳を取り、5歳となっていた。


父達はナールさん伝いに、時折ここでは買えないような食べ物だったり布だったりと送ってくれていた。

今日もナールさん伝いに贈り物が届いて、母や兄達とドキドキしながら箱を開けていた。


「今回は何を送ってくれたのかしらね。」


「クッキーかな? チョコかも!」


きっとそろそろお菓子であろう!

期待を胸に中を覗くとーー




「•••くぎゃ•••?」


何故ここに来てまたしても山神様最新バージョンが送られてきたのだ!?

今度の山神様は50㎝ほどの大きさで、心なしか顔が幼い?


「手紙が入ってるわね。」


母が手紙を読むと、これを送る事になった経緯が判明した。

"子供達が、祠の山神様を着飾ることで元気になった。"と誰かが手紙に書いたらしい。

その結果、父はそれなら子山神様を作ろうと思ったと。


誰かな?そんな事を言ってしまった不届き者は!


「良かったね!ルンちゃん毎日祠に行って、今日は何した!とか言って話しを聞かせてくれてたもんね〜!」



んにゃ!?私が原因なのか!!?

ならば手紙で書いて知らせたのは•••

母の顔を見ると、とても眩しいほどの慈愛の籠った微笑みを向けられた。



おぅふ•••不届き者は、私だったのか!



早く(お土産持って)帰って来ておくれ•••


閲覧いただき、ありがとうございます。

誤字・脱字等ありましたら都度訂正していきます。


いつもお付き合いして頂き、ありがとうございます。

第6章完結しました。


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