7、警備隊員増殖中
警備隊としての日課、昼間の巡視に日が経つほどに1人また1人と増えていった。
気づけば総勢10人の子供達で村を巡視に廻っていた。
ちびっ子警備隊予備軍とでも言うべき、この子達は研修に来た親に連れられ一緒にこの村へと来た子達。
最年少で3歳の男の子クウは、4歳の男の子カイと兄弟で2人とも非常に活発なのだ。
この村から2日ほどの距離にあり、海へと繋がる河川の川沿いにある村出身の子達だ。
この村が王都から見て南だとすれば、海は西方面になる。
そして、5歳の女の子アーリはこの村から山を越え半日ほどの所にある村出身の子だ。
そう、羊毛でお世話になった村から来た子だ。
大人しくまったりした子だが、笑顔はとても可愛くてホワンっとなってしまう。
同じく5歳の男の子ペルはこの中で1番遠く、この村から約3日かけて来た海近くの村出身の子だ。
とても頭が良く神話物語の本質や意味合いを読む事が出来、サンドさんにも驚かれていた。
私やメルトと同じ4歳の女の子サラは、この村から1日半ほどで王都西寄りの村出身の子だ。
年齢故に舌足らずなところも一緒で、最初に仲良くなった子でもある。
この5人も加わっての賑やかな散歩、違った、巡視活動は村人やこの子達の出身の村人達を笑顔にする事に一役かっていたのである。
これもまた警備隊としての役目なのだ!
「ルンたー めっけ!」
そんな事を隠れんぼ中に考えていたら、3歳のクウに見つかってしまった!
年下なのに、何たる失態!!
「メウた めっけ! ラーも いちゃー!」
しかしこのクウは、見つけるのが上手いのである。
草を頭にも被って擬態していたというのに見つかったのは仕方ないのであろう。
「ルンはすぐに見つかると思ってたよ?
隠れてるんだけど、モグモグしてる音してたもん。」
••••••クウの観察眼を調べてイタンダヨ?
隠れんぼ中に小腹が空いた訳じゃナイヨ??
「クウたん みつけるのじょーずねー
メル おかーしゃんの せなかかくれたのに みつかっちゃた!」
さすがに私でもそこには隠れない。
タニタさんは道の真ん中で井戸端会議に花を咲かせているではないか。
前は見えずとも、後ろは丸見えだ。
案の定1番苦戦したのがクウの兄、カイである。
だが常に猿人たるジル兄と過ごす私を甘く見てはいけない。
木々の上を畑の中を、じーー。
•••••カイよ、それはない。
父親の肩に乗ったカイが父親のマントを羽織って大人に擬態していたが、もはやそれは隠れんぼではない。ただの肩車だ。
カイと目が合うと、カイは誤魔化すかのように父親の手となり畑の作物をいじりだした。
カイよ、それは二人羽織だ。
そして、好奇心旺盛な子供達がそれを見てどうなるかは言わずもがな•••
しばし、親や大人と肩車や二人羽織するのが流行ってしまった。
淑女たる私はそんな真似しないのである。
「みんな こどもねー」
「ルンちゃん、負んぶするなら僕の脇じゃなくて肩から手を出さないと、動けないよ?」
座ったダル兄の背中にぴたりとくっつきそんな事を呟いた。
「ルンちゃん どこー?」
ふふふ、皆んな分かるまい。
まさかダル兄の背中に張り付いて父のマントを被っているなど思うまい!
本当の二人羽織とはこうやるのだ!
しかしあったかいな、ここ。
「あっ、寝ちゃった?皆んなごめんね待っていてくれたのに。」
「やっぱりルンは最初にみっけ!てやるべきだったね〜」
「クーも ねみゅいー」
そんな会話など知る由もなく、昼寝から起きると何故かちびっ子達が宿泊所で一塊となり眠っていたのである。
「みんな こどもねー」
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