5、神話おじさんと幼児達
宿泊所で見たところ、子連れで来ている人もいて子供達は5人ほどいた。下は3歳から上は5歳までの子達だ。
幼子を残してこの村へと来るのは心配だったのだろう。
わんぱく盛りや目を離すと危ない年齢の子はそりゃ心配して当然だ。
「私だってルンちゃんを残して勉強しになんて行けないわよ。」
なに!?こんなに手のかからない子など他にはいないではないか!
母の言葉に心で反論しつつ、この子達と何して過ごそうと考えていた。
外を散歩中、農作業に勤しむサンドさんに目を止め閃いた。
サンドさんの知る神話物語は空想するのが好きなお年頃の子達には、丁度良いのではないだろうか?
「サンド ようじ あずかりじょ!」
何てナイスなアイディアを思いついたのだろう!
早速サンドさんに、子供達に神話の話をしてもらいたいと伝えたところ
「いいぞ。興味を持ってもらえるのは嬉しいかぎりだからなー。」
二つ返事で了承してもらい、ホクホクしながら父にも話して宿泊所に子供達を集めた。
そして始まった神話物語に、子供達は惹きつけられお行儀良く座り聞き入っていた。
なるほどー、へぇー••••••ドラゴ••••ごはん•••っは!
サンドさんの話に聞き入り過ぎて、どうやら想像の中で大冒険をしていたようだ。
回りをキョロキョロ。
うむ、想像力豊かな私のように大冒険をしている子はいないようだ。
「ルンたん、おきた?おなかすいたのー?
ごはんーって いってたよ?」
何だと!?それはあれだ、あれがあれであれもあれで••••想像の冒険途中できっとお腹でも空いたのだろう•••!
ぐぅー
誰カナ?お腹が空いた子がいるのカナ?
「ハハハ。少し休憩にして、お菓子でも食べようか。」
その言葉に
ぐううぅぅう!
••••••••隠しても 隠しきれない 腹の虫
現実逃避に思わず一句。
そして、脱兎の如くお菓子を準備する為に走って逃走した。
こうして、サンド幼児預かり所は子供達に人気となり親も安心して研修へと取り組む事ができるようになった。
しかしすっかり失念していたのだ。サンドさんの本業が農業だと。
サンドさんの仕事に支障をきたすだろうと、父が奥さんのパームさんへと先に説明と謝罪をしてくれていたらしい。
何て頼りになる父なのだ!
感謝の気持ちも込めて、足にギュッと抱きついた。
そして父の顔を見上げ、感謝を伝える事なくそっと視線を外しやや遠い目になったのは必然だろう。
デロンデロンに緩み締りのない父の表情を見てしまったのだから。
総勢10人の子供達で一気に幼稚園と化した宿泊所には、交代交代で奥様達が来てくれるようになった。
奥様達は時には怒り、ぐずる子にはあやし、昼寝時には子守唄を歌ってくれる。
その様子はさながら保育士だ。
その様子を見たナールさんは、これは仕事になる!と言って馬車に乗り、見事な手綱捌きでどこかへ行ってしまった。
その思考は商人でなく、事業開発人に向いているのではないだろうか。
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誤字・脱字等ありましたら都度訂正していきます。
空想、想像未だに好きですが•••、話の世界はいつも楽しませてくれますよね。
いつから裏を見ようとする大人になってしまったのか•••永遠の謎です。




