6、淑女の挫折
大人は冬篭りする為の準備として、保存のきくパンや塩などの購入をしたり
山に入り猪などの獣を捕まえて干し肉を作ったりと、より一層忙しそうにしていた。
そんな中、考えていた。手にカッチカチのパンを持って。
水分を抜く事で、長期保存を可能にする為と聞いたが•••これ、いつか歯が抜けるのでは。
スープに浸して食べれば、柔らかくなって丁度良いのだけれど他に方法はないだろうか。
頭をフル活動するも、調理に関しては一切思いつかなかった。
•••何という事だ!密かに料理上手な淑女計画が•••!
早速頓挫してしまったではないか!
イースト菌だのベーキングパウダーだの何で出来ているのかも知らないし、天然酵母なるものもあるようだか•••作り方なぞ知るわけもない!!
私の淑女計画が••••。
「ルンたん どしたの?」
地面に手と膝をつき、四つん這いの体勢で計画を嘆いていたらメルトに声をかけられた。
顔を上げ、説明すると•••
「おかーしゃんなら ちってるかも!いつもおいしーの つくってくれるから!」
我が家の母だって、おいしーの作ってくれるがメルトのキラキラした目が語っている。
絶対おいしー物が他と違うと。
タニタさんのところへ行き、話をすると
「うーん、どうだろね••。この子達が美味しいって言ってくれるから、パンも作ってはいるけど•••イースト菌?それは聞いた事ないね〜••。」
子供達の為にパンの作り方のレシピを、ナールさん伝いに手に入れたとの事だ。
そんな会話をしていると、タニタさんがパンを1つ差し出してくれた。
手に持った瞬間から思った。これは確実に美味しいやつだと。
匂いを嗅いで口に運ぶと、もちもっち柔らかいではないか!
メルトのキラキラお目々が移ったかのように、キラキラとさせパンを完食!
料理上手の称号はタニタさんに渡そう。
「おいしー!これ みんなよろこぶ!」
「そうかい?なら、皆にも教えてみようかな?」
その言葉にテンションも上がり
「タニタりょうりきょうしつ!!」
と提案するも、タニタさんは恥ずかしい••と。
「なら••、オルメル教室なんてどうだい?」
おぉー!それも良い!!
次の日に早速、ご婦人方(に混ざり数名男性もいた)が集まり、パン教室が始まった。
柔らかく歯に優しいパンにもうすぐ会える!
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誤字・脱字等ありましたら都度訂正していきます。
パン屋さんの出来立ての匂いは、何故お腹が空いていないのに食べたくなるのでしょうね。
魅惑の匂いすぎて、いつも欲望に抗えません。




