1、御者の苦悩
第4章スタートです
「こっちだよー!」
きゃっきゃっと騒ぎ合いながら、畑や路地を駆け回る子供達の元気な姿が見える。
あれから3ヶ月経ち、村には新たに2人の兄妹を迎え入れていた。
兄妹の姿を見つめながら、あの日の事を思い返していた。
ーーーーーー
3人が指し示した先にいた御者の人が、3人を見つけると安堵で泣きそうな表情を浮かべ
「君達ここに辿り着けたんだね。良かった!•••本当に良かった!」
本気でそう思っている表情で、こちらへと歩いてきて3人まとめて•••?
いや、何故か私も巻き込まれてギュッとされてしまった。
父に顔を向けると、優しげな目で小さく頷き御者の人に話しかけた。
「すみません、この子供達の事に関して少しお話しを聞きたいのですが宜しいですか?」
「•••••聞きたい事は•••分かってます。」
父が声をかけ御者の人ー御者さんーは、顔を上げしっかりと父の目を見て返事していた。
御者さん曰く
この子達の村は嗜好品(酒や砂糖にお肉、時折チョコ菓子)を作物で得たほぼ全てのお金を使い買っていた。
けれど、それらを口に出来るのは大人ばかり
子供達にはほぼ水のようなスープ。
このままではこの子達の命の危機•••!
だが所詮御者の身•••何とかしようとしたが、限界を感じていた。
そんな時にこの村へ訪れ、この実り豊かな村ならばもしかしたら子供達を受け入れてくれるのでは!
その思いでもしもの時として、子供達にここの事を大人に隠れ伝えていったそうだ。
御者さんの話を聞き終わる頃には、いつの間にか村人達が集まっていた。
3人の親となった人達は、それぞれの子供達をしっかりと抱きしめていた。
「経緯は分かりました。けれど、あまりにも危険過ぎます。
幼子達だけで山を越えるなんて•••獣に襲われていたかもしれないんですよ?
遭難する可能性だって•••
貴方の考えで、危険を冒してまでここに来ようとした子の命の灯火が人知れず消えてしまってたら、と考えるだけで胸が苦しくなります•••!」
いつの間にか父に抱き上げられていた私を、父がギュッと抱きしめて来た。
父の愛情を感じ私も父に抱きつき返すと、私を挟むように左右と後ろからも母と兄達の腕が伸び抱きつかれた。
周りを見ると、それぞれの家族が互いに抱きついていて•••
今は結構真面目な場面のはずでして••••
でもシュール過ぎる光景に吹き出せば、村人皆んなにも伝染し笑いの坩堝となった。
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