3、ある村人の呟き
畑を手入れしていたある日、異変を感じた。
そろそろ収穫時になっていたはずの、野菜が所々なくなっていたからだ。
村人達と獣か?獣ならば対策をしなければ と話し合っていたところ
「こんにちはー どしたの?」
と、何とも愛らしい声を聞き思わず顔を綻ばせてしまった。
我が家には子はおらず、こればかりは仕方ない。と夫婦2人で仲良く暮らしている。
そのため、村の子供達を我が子のように可愛く感じていた。
だからその愛らしい声の主、ルンちゃんが発見した物をその父ダンに見せられた時の衝撃は、忘れられない。
「口減らしかもしれない」とダンの言葉。
村の食料事情的に口減らしは確かにあり、その被害に遭うのはいつだって子供だ。
この事を妻に話したら、泣きながら
「見つけたら、我が子にします!欲しくても出来ない人がいるというのに•••••!」
やはり夫婦2人気にせず暮らしていたつもりでも、妻は子を切望していたのだろう。
ダンや他の村人とも相談し、受け入れ先として立候補した。
他にも3人ほど、立候補者がいたのには驚いたが。
そんな時、ルンちゃんがまだ4歳くらいと思われる幼子達を3人引き連れてきた。
何とも無邪気な笑顔で
「ひろいまちた。おともだち なりました。」
と、3人を皆んなに紹介してくれた。
その後話をすると、捨てられたと知る。
しかも、名すらないと•••
この辺りなら生きていけると、伝えた人がいたらしい。
その言葉を信じ、3人で辿り着いたそうだ。
そして、我が家に黄金色の髪色に茶色の瞳の男の子(ライと名付けた)を迎え入れた。
まだ、出会って数時間だがライを見た瞬間この子はうちの子だ!とくるものがあった。
こうなった経緯は非情で悲しい事だが、ライと出会わせてくれた事には感謝しかない。
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