8、王都出発準備
いよいよ王都見学へと行く日が近づいて来た夏の3月第2週目。
来週の3日目にここを出発して王都へ向かう予定になっている。
この領地の町には止まらず、夕方頃着く予定の野営スポット地まで一気に行くそうだ。
そして翌日の昼過ぎには王都に到着の流れになると教えてくれた。
王都まで泊まりがけとは分かっていたが、野営となると何を準備したら良いのだろう?
「パンツにお菓子にタオルー、それと すいとーにパン、あとはー•••」
来週に向けて出発準備をしているが、私用の小さなカバンではそんなに入らず、服や粘土板などカバンから溢れている。
「ルンちゃん、まだカバン空いているけど服は入れないの?」
「パン入れたら、あかなくなるー」
計画や想像が得意な私には分かる。
空いてるスペースを作らないと、大事な食料が入らないという事を!
先を読む淑女は違うのだ。
「ん?パン?ルンちゃん食料はまとめて違うカバンに入れる予定よ?」
そこは理解している。•••が、それはあれだよ、夜中や移動中にゴニョゴニョ••••
「あー•••、うー••••••
おなかペコペコで せなかとおなか くっついちゃうからー•••」
ただの食い意地張った発言。
分かっているが、言えば言うほど食に貪欲発言しか思い浮かばないのだ。
「大丈夫だルン!おやつと一緒にこのカバンに入れておこう。
手元にあれば安心出来るだろ?」
安心だが、私とジル兄、母で持てるだろうか•••
「あなた、こっちの荷物は何が入っているの?」
「衣服と下着かなー。何せ色々詰めたもんだから自分でも把握しきれないな•••」
ちょっと行って帰って来るだけの王都見学に、何故登山用かと思うほど大きなリュック3つに小さめのカバン3つ必要なのだろうか?
その他に野営用の道具が入っている1mほどの木箱が2つ。
いやいやいやいや、まさか•••ね?
「おとーさん、こんなにひつようなの?」
「これとこれはルンとお母さんのだろ?
こっちのはジルので、これがダルの。
それでこれがお父さんとナールさんの荷物だから、やっぱり必要だなぁ。」
何か聞き間違いしたかもしれない。
ダル兄に、父の荷物と聞こえた気がしたが•••
「ルン!初めての王都へは家族全員で行かないとだよな!」
聞き間違いではないようだ。
予想はしていたが、その通りになるとは•••
一家で忙しい時期にこの村を離れても大丈夫なのだろうか•••?
「大丈夫だ!表面上はこの村で出来た作物を王都へ運ぶついでに、王都まで家族で行くだけだからな。」
ついで•••ねぇー•••
運ぶ作物とは、この熟すにはやや早いアマオウダマが10個入った小箱の事ではないと信じたい。
一家でこの村を出るのは2度目。
前回はギルドへの加入村を巡っての旅程だったけど、今回は王都見学!
何だかんだと言いながらも、家族揃って出掛けられることが嬉しくてならない。
何だろうか、このフワフワ感。
父がいて母がいて、兄達がいる中に私もいる。
くすぐったいような胸が温かくなるような•••
そうか、家族と過ごすこの時が幸せなんだと心が伝えているのかもしれない。
これからももっと幸せな暮らしを目指して頑張るぞ!
だがまずは、王都旅行で楽しい思い出作りをするぞ!!
閲覧いただき、ありがとうございます。
誤字・脱字等ありましたら都度訂正していきます。
第12章完結しました。
次章は王都篇となる予定です。
本日は7月7日の七夕。
短冊の願いが叶いますように。




