5、水確保と増える同行者
風車村の進捗状況は、定期的に帰ってきてくれるナールさんからもたらされる。
「外観だけならすぐにでも出来るみたいなんだけど、内部や羽部分とかに時間がかかるみたいなんだよ。」
なるほど。私には理解不能な構造になっているのだろう。
「そう言えば使わなくなった井戸の所にも風車を作ってみたら、水が出てきたんだよ!
まだ井戸は生きていたみたいで、皆んながビックリと感動で凄い事になっていたよ!」
!?水が出て生活水が確保されたら良いなぁ、と夢想していたけど、まさか本当に出るなんて!!!
「すごい!よかったね!!」
「出始めは使えないけど、今頃はもうきれいな水が出ているんじゃないかな?
でも本当に、水が出た時のあの感動は忘れられない!」
興奮冷め切らぬ様子で身振り手振り使って伝えてくれた。
記憶の世界では蛇口を捻るとすぐに水が出るし、広場にも水場があるほど水は身近らしいけど、ここではそうはいかない。
水の有無で生活と命が左右されるのだから。
「こう言った生活水が、どこにでも溢れるような世界になればと願うよ。」
全くの同感だ。
「そういえば、らいげつ おかーさんとジルにいも行くっていってたよ?」
ふと思い出し、ナールさんに報告した。
昨夜、父から真剣な顔で注意事項と共に母が同行する事を伝えられた。
"良いかい、知らない人について行ったり1人になったりしたらいけないよ?
ましてナールさんと2人きり•••!
お母さんにも行ってもらうから、ちゃんと手を繋いではぐれないようにするんだよ?"
"あー!僕も行くーー!"
"そうか、ならジルが2人を守るんだぞ?
だがジルも無茶はしないようにな?"
過保護ここに極まりな勢いで、次々と決まっていく事柄に増えて行く同行者。
果たしてジル兄だけですむのだろうか•••?
まぁ、皆んなで楽しめるならそれはそれで賑やかで良いかもしれない!
「たのしみだねー?」
来月の事を思いウキウキでナールさんへ声をかけると、ナールさんはどこか遠い目をして
「確実に不信がられてる•••?」
時折余計な事をやらかすが、不信になるほどの事を何したのだろう?
ナールさんもまだまだ未熟者と言う事か。
慰めの足ポンポンをしておこう。
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